中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
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『立場が逆だったら』アメリカ市民はどれほど我慢できるだろうか

2010-01-25 | ニュース

米主要各紙が論評掲載「普天間の計画一層困難に」 

【ワシントン=伊藤宏】24日に投開票された沖縄県名護市長選について、米主要各紙が24日の電子版で、米軍普天間飛行場の同市辺野古への移設に反対する新顔、稲嶺進氏が当選したことを伝えるとともに、計画の推進が一層困難になった、などとする論評を掲載した。 ニューヨーク・タイムズ紙は、稲嶺氏の当選で、鳩山由紀夫首相に普天間飛行場の県外移設を求める圧力が強まったと指摘。「名護市長選の結果は、日本政府に計画を打ち切るか、少なくとも大幅に変更するよう迫るものだ」とした。 ウォールストリート・ジャーナル紙は、同市長選が現行計画に対する「事実上の住民投票だった」とした。そのうえで、稲嶺氏の勝利について「沖縄県知事や日本政府は地域の反対をおして計画を続けることはできるが、投票結果は鳩山首相にとって、米国の要請を受け入れることを一層難しくした」と論評した。 一方、ワシントン・ポスト紙は同市長選の結果が「米国と日本との関係に大きな影響を与える」としたうえで、最終的な判断は、沖縄県知事と日本政府にゆだねられるとした。 (アサヒコム)

日本の一地方自治選挙結果がアメリカ主要各紙が論評することなど、滅多にあるものでない。沖縄県名護市長選の結果が、「アメリカと日本との関係に大きな影響を与える」からに他ならない。このように注目されることは、沖縄の現状をアメリカの市民に知ってもらうためにもいいことです。わたしは、TV取材をしてほしいとすら思っています。沖縄のアメリカ基地が、いかにそこに住む沖縄の人々(市民)の生活を脅かしてきたか、アメリカ市民の多くは知らない。『立場が逆だったら』アメリカ市民はどれほど我慢できるだろうか、そのことを問題にすることが交渉のスタートになるのです。

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「アメリカの意向」より優先されるのは「沖縄の意志」

2010-01-25 | ニュース

米軍普天間飛行場の移設受け入れの是非を争点として、24日に投開票された沖縄県名護市長選。地域振興か基地反対か。二つのはざまで苦しい選択を強いられ続けてきた有権者は、決めあぐねる鳩山政権に「移設反対」というメッセージを発した。 「時代は変わった」稲嶺氏に投票した男性は、そう言い切った。移設先が県内しかないのならと1997年の市民投票では、やむなく「条件付き賛成」に票を投じた。結果は反対票が過半数。だが当時の市長は、まさかの受け入れを表明した。あれから13年。「やっと政権が代わり、政府が県外移設をしようというんだ。やってもらわないと」 。移設先とされている同市辺野古地区。コバルトブルーに輝く海で泳いで育った男性も「ここは自然が宝。この海を壊したら、取り返しがつかなくなる。鳩山さんは民意を聞くと言ったんだから、県外移設をやらねば。できなければ、政権は維持できない」。団体職員の男性は、これまでの市長選では、ずっと受け入れ容認派を支持してきた。「基地は来てほしくない。でも選択肢がないなら仕方ない。そう思って、地元へのメリットを思うようにしてきた」。だが巨額の振興策にもかかわらず、市中心部の商店街はシャッター通り化している。「地元は振り回され続けている。ならば新たな市長に託してみようと」。政権が代わり、市長が代わっても、新たな移設先を見つけるのは容易ではない――。政府や米国の意向に左右されてきた歴史を重ね、その難しさは身にしみている。「移設問題は13年間もこじれて、いまだに動いていない。果たして鳩山さんが短い期間で結論を出せるのか、疑問も感じる」「辺野古につくることを望む米国の強硬な態度を考えれば、県外、国外移設は難しいかもしれない」。落選した島袋氏に投票した人だけでなく、「基地反対」の気持ちを示そうと稲嶺氏に票を投じた人でさえも、そう感じている人が少なくない。「それでも」と、稲嶺氏に投票した元教員の男性は言う。生家は6歳の時、米軍に接収された。「県民が訴え続ければ、基地を沖縄につくることはできないはずだ」。嘉手納基地のある町で育ち、2年前に越してきた男性は力を込めた。「鳩山政権は軸がぶれて錯綜している。でも県外、国外移設はできる。できると思いたい」 。「今度こそ」。県外移設の難しさに不安を覚えながらも、首相の決断に期待をかける。(アサヒコム)

沖縄の人々にとって「基地問題」は、切実です。一時の「振興策」から見えてくる未来は「不健康な街の姿」でしかない。「移設反対」というメッセージは「健全な判断」だと思います。鳩山政権はこのメッセージに、誠実に答えないといけない。アメリカの意向より、優先されるのは「沖縄の意志」に他ならない。

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