中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
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モリスが『理想の書物』としたルネサンスやロマネスク期の彩色手稿本から

2017-09-24 | 文化を考える
  1. わたしが24歳の頃、大英博物館で彩色手稿本を見てから写本を含む『書籍』そのものに関心をもちましたが・・・ウィリアム・モリスの『チョーサー著作集』をここ数日眺めながら・・・モリスのイタリックの筆跡を想い起こす・・・かなり傾斜した筆記文字にヘアーラインが一定のリズムを与えて美しい、まるで音譜を見ているような感覚と似ている・・・『チョーサー著作集』、太めの木版文字とバーン・ジョーンズの線描(木口木版)が際だっている・・・確かに、ページを構成する文字と絵が美しく調和している、モリスがこだわったひとつの構成美が否応なく迫ってくる・・・モリスが『理想の書物』としたルネサンスやロマネスク期の彩色手稿本から遠のいた要因は何か・・・わたしはこのことを考慮するに、モリスの筆跡特徴(ヘアーラインとアップストローク)と無関係ではないと・・・。