中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
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ウィリアム・ブレイクの絵と詩

2010-01-11 | 本の紹介

ウィリアム・ブレイクの絵と詩

The Sick Rose

O Rose, thou art sick!
The invisible worm
That flies in the night,
In the howling storm,
Has found out thy bed
Of crimson joy,
And his dark secret love
Does thy life destroy.

「薔薇よおまえは病んでいる」とでも訳できるだろうか…。わたしたち創造の世界に住み続けていると、一種の『病』に犯されているのではないかと想う時がある。ウィリアム・ブレイクは言う、「表れるのはヴィジョンである」と・・・。神でも人間でもない「象徴としての形」が紙の上に表れるのである、彼はそのイメージを丁寧にひとつひとつ定着しているにすぎない。ウィリアム・ブレイクは明確な線にこだわる、線を描くのは「素描以上の意味(哲学)」がなければならないと考えた。だからこそ、手続きの多い油彩を嫌い、淡白な水彩や銅版にこだわる。晩年(60歳後半)ウィリアム・ブレイクの挿絵(ダンテの神曲)は、幻想の物語以上の境地すら見せるのである。小さな虫に食いつくされていく「薔薇」、ウィリアム・ブレイクその人の姿だろうと、容易に想像できる。

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