中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
paraparaart.com ArtDirector

変革の時代が育んだ強靱な美意識

2018-04-14 | 本の紹介

ジョルジュ・サンド(George.Sand)の実名はアマンティーヌ・オーロール・リュシール・デュパンと言います、1804年・パリで生まれ1876年・ノアンで亡くなりましたので19世紀を代表する作家のひとりと言っていいのです。作家名ジョルジュ・サンドが男性名称であり、自立して活動するための一手段であったことはよく知られていますが、その活動への批判や誤解も少なくはなかった。
わたしが歴史をふりかえる時、判断材料に事欠かない好みの時代を参考にします、19世紀フランスとイタリア・ルネサンス期ですが、いずれも魅力あふれる時代と言えます。加えて、わたしが判断基軸に置くのは個々の『美意識』です。
ジョルジュ・サンドには、変革の時代が育んだ強靱な美意識があります。それが最も象徴的に表われたのが『スピリディオン』だと想います。『スピリディオン』が書かれたのはマヨルカ島の修道院とされていますが、閉鎖的な空間に身を置き、多くの時間を費やしたこの物語は、いくつかの課題を残して終わっています。ジョルジュ・サンドの『異色作』、そうわたしは想っています。
ジョルジュ・サンドについて、おおまかに知りたい人は河出書房新社から出ている『ジョルジュ・サンド』がお薦めです。もっと深く知りたい人は、昨日のFBで紹介した藤原書店のジョルジュ・サンド・セレクションがお薦めです。

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ジョルジュ・サンド(George.Sand)著『スピリディオン(Spiridion)』の紹介

2018-04-13 | 本の紹介

「男装の麗人」「ショパンの恋人」で知られるジョルジュ・サンド(George.Sand)、この人の書簡を若い頃によく読んでいたことをFBに載せたことがあります。70年代、この人の飜訳本が少なく仏日事典を傍らに置いて、かなり苦労して読んでいました。考えてみれば、19世紀フランスを縦軸に西欧文化を視ることの意味をその苦労を通して知ったのです。時代の推移に安易に流されないように『視点』の基準をどこに置くか・・・。

ジョルジュ・サンドの『スピリディオン(Spiridion)』に衝撃を覚えた、優れた作家が時代をリードすることを再確認した、大げさではありません、「フランス革命」の予兆がここにもあったのです。若い頃は見逃していたのですが、「再読」して明瞭に理解できたのです。そう言えば、符合するキーワードがこの物語には多く隠されている・・・亡くなった修道士、その遺体のそばに置かれたメモ、ジョルジュ・サンドが理想としていた社会、そして「ジョルジュ・サンド」名に隠された意志、これらの記号が意味するものとは・・・。
2004年~ジョルジュ・サンドセレクションが藤原書店から出ています。巻2に『スピリディオン(Spiridion)』が収められています。

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チルチルの単身赴任と言ったところですか・・・

2018-04-02 | ビジネス

事務所で寝泊まりするようになってから3日目、わたしではありません、こねこのチルチルですが、もうずいぶん悪戯してくれてます。

動作は敏捷で、すぐに見えなくなります。チルチル・ミチルのミチルはみゆ(MIYU)と留守番、さしあたりチルチルの単身赴任と言ったところですか・・・。

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わたしたちは良くない政治指導者を選んでいるのかも知れない

2018-03-16 | 政治・経済を考える

朝刊を何気なく見ていて、『中日春秋』に目が止まった。エスプリの効いた文章に頷きながら・・・普通の人たちが大きな力を持つことで失うモノを考えてみた・・・『誰も信じられなくなる』こと、これほど辛いことはない・・・『政治的しくみ』や『行政のあり方』、『民主主義』をもう一度考える時なのかも知れない。

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絵本『ひとりぼっちのこねこ』を紹介します

2018-03-13 | 本の紹介

もう一冊、猫を扱った絵本『ひとりぼっちのこねこ』を紹介します。猫は最も身近な動物です、我が家でも三匹の猫がいます。そのしぐさが話題になりやすい生き物です・・・しかしながら、よく知っているかというとそうでもありません。絵本『ひとりぼっちのこねこ』は、ハッピーエンドでは終わりません・・・子どもを対象にした絵本では極めて珍しいのです。野原に捨てられたこねこ、夜が明けます、すぐに母猫を探しますが・・・。子どもたちが遊んでいます・・・こねこを見つけしばらく遊んでいましたが、子どもたちはそれぞれのおうちにもどります・・・。優しい娘さんが、こねこを抱いておうちにもどりますが、即お母さんにしかられます。しばらくして、こねこを野原に返しにきます・・・優しい娘さんの気持ちはよくわかります・・・でも、こねこの気持ちがわかりますか・・・。こねこはその夜、母猫の優しさを想い浮かべています・・・。この絵本は、ハッピーエンドでは終わりません・・・。挿絵を描いているのは、井本蓉子さん(金沢美術工芸大学出身)です。我が家の三匹の猫、すべて野良出身です、警戒心が強く人になれるに相応の時間がかかります。

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絵本『いたずらこねこ』

2018-03-07 | 本の紹介

旧金沢美術工芸大学(現歴史博物館)から香林坊へと坂を下りて行くと、しばらくして福音館書店がありました。学生の頃、この書店で数冊の絵本を買いました。その一冊が、この『いたずらこねこ』です。卒業して地元の教員になりましたが・・・この職業はわたしには向いていないことを知り、1年で辞表を出してしまったのです・・・4年あまりの放浪記を経て、教育現場に戻ることになるのですが・・・。
美術教師のわたしが最初の授業で使ったのが、この絵本『いたずらこねこ』です。こねことカメの出会いを描いただけの絵本ですが、この一冊にわたしたちがこの社会に生きる術(すべ)が秘められている・・・わたしはそう思ったのです。

互いに「初対面」のこねことカメが出会うことで、こねこはカメの特徴を知ることができる・・・体の大きさや知能レベルの差では言い表せることのできない『恐れ』を感ずるこねこ、ある程度の面倒くささを当然のように『いなすこと』ができるカメ・・・これは人と人が出会うことと同様、良くも悪くも多くのことを知ることができる社会、夢や理想もそこから育っていくのですから・・・好奇心と探究心があれば『なんとかなる』と楽観視してきたわたしですが・・・そうでもないのも現実です。この絵本『いたずらこねこ』の最終ページ、カメはオアシスである水たまりに戻り(ここだけがカラー)、こねこは塀の陰からカメを注視しています。物語の起点は、『出会い』から始まるのです。


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芸術文化誌『QEDART』創刊号が3月1日に発刊されました

2018-03-02 | ビジネス

芸術文化誌『QEDART』創刊号が3月1日に発刊されました。
昨日、中日新聞社からの取材があり・・・発刊までの経緯と内容についての詳細な説明をしたのですが、充分に伝わったかどうか少し心配でしたが・・・本日朝刊を見て、大筋が正確に書かれていることに安堵しました。
『QEDART』創刊号発刊記念に、扱った書籍を展示すること(3月企画)を考えています。
『QEDART』創刊号はyahoo!ストア『月映書房』から購入できます。

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George Sand(1804-1876)ジョルジュ・サンドの書簡集

2018-02-21 | 本の紹介

George Sand(1804-1876)ジョルジュ・サンドの書簡集・・・わたしがジェノバの古書店で購入した書簡集です。

ジョルジュ・サンドの書簡(手紙)は多く、2万通以上あるとも言われています。自立した女性の代表でもあるジョルジュ・サンドは、恋多き女性でもあり、小説以上に手紙を書いていたのです・・・むろん、詩人や音楽家の友人も多く、芸術について書かれた手紙もありますが・・・。ジョルジュ・サンドの死後、再評価されたこともあり、『書簡集』が繰り返し出版されることになります。わたしの手許にある『書簡集(全6巻)』は、カルマン・レヴィ書店が1882-84年に刊行したもので、これが最初の『ジョルジュ・サンドの書簡集』になります。2013年に藤原書店から飜訳本が出ましたが、これを読むと同時に、あの頃の苦労と情熱・・・当時まだ若いわたしが、伊和事典を横にこの全集を「つまみ読み」していたことを懐かしく思い出しました。

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雑誌『QEFDART Vol.1(創刊号)』を3月1日に発行することになりました

2018-02-15 | ビジネス
  1. 雑誌『QEFDART Vol.1(創刊号)』を、3月1日に発行することになりました。Yahoo!ストア『月映書房』から(送料込みで500円)にて販売しております。内容(テーマ)は「美しい本へのこだわり・19世紀末~出版文化の起点」で、わたしの手許にある書籍を軸にまとめました。FBで話した内容とあまり変わりませんし、いずれ『月映書房HP』にて公開いたします。これを機会に、ビジュアル冊子を出版していきたいと思っています。
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『Mozart, Zwolf Gedicthe』「モーツァルト12の詩」

2018-01-27 | 本の紹介

『Mozart, Zwolf Gedicthe』「モーツァルト12の詩」
Verlag M. Munk社 1914年刊
ユーゲントシュティル時代のウィーンの書籍で、挿絵画家ハインリッヒ・レフラー(Heinrich Lefler 『Mozart,Zwolf Ged
icthe(モーツァルト12の詩)』です。


レフラーは、ウィーン宮廷劇場で歌劇「フィガロ」の舞台衣装や美術なども手がけており、詩人で作詞家でもあるRichard.Spechtのモーツァルトの楽曲「後宮からの誘拐」「フィガロの結婚」「魔笛」「ドン・ジョヴァンニ」などをテーマにした12の詩篇に、ロココ風な華麗な挿絵を提供しています。本文・挿絵ともにコーティングされた上質紙に印刷され、表紙は、厚紙一枚に丸くくり抜いた包み紙をかぶせ、12点の挿絵は、右頁の金枠のなかにメダイヨン風に印刷され、詩は黒と水色の二色刷りです。
この本の魅力はレフラーの挿絵にありますが、鏡のような楕円枠の中にオペラそのままの情景が描かれています。
挿絵画家ハインリッヒ・レフラーは、巧みな構成力と優れた表現力(感性)とで舞台の陰影を演出しています。
『一期一会』とよく言われますが、古書との出会いもそれは同じです。この本は、紙の状態が悪く、一度はためらいもしましたが、挿絵の美しさに惹かれて購入しました。もちろんそれ以降、このような本に二度と出うことがありません。
このウィーンのMunk書店からは、同様に「ハイネ・アルバム」「シェークスピア・アルバム」「ワーグナー・アルバム」などが刊行されていますが、特にウィル・ポガニー挿絵の「パルシファル」やレフラー・ウルバン共作の「アンデルセン・カレンダー」、そして本書『Mozart, Zwolf Gedicthe』は稀少です。

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