中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
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「恋する手紙」(ヴォイスサークル金沢)を観る

2012-10-28 | 金沢を歩く

「恋する手紙」(ヴォイスサークル金沢)を観る

ヴォイスサークル金沢の活動は、幾度か観ている。「秋の朗読公演・恋する手紙」といったタイトル、サブタイトルが~世界でたった一人のアナタへ~とある。なんとなく足が重いが、事情があって観に行くことにする。金沢の郊外に、この会場はあります。場所が分かりにくく、多少時間を要したものの、開演時間にはなんとか間に合った。喫茶「なんの木」が、本日の会場です。ほぼ満席(30人ほど)です、コーヒーにケーキ付きの「朗読公演」、いつもと趣向が違うのです。わたしにはありがたい、「趣向」です。若い人たちの声で聴く、高村光太郎や茨木のり子の詩が新鮮に響いてくる、不思議なものです。これまでのイメージにないことに、ハッとさせられたのです。わたしたちは、何気なく生きていますが、時折ふりかえって思い返すこと(何を)も必要ですね。この会場の喫茶店、オーナーが手作り家具の職人ということで、テーブルも椅子もすべて無垢の材を使ったオリジナル、コーヒーカップも皿ももちろん作家ものでした。このようなことができるのも、金沢の街だからこそのエネルギーです。

 


石原慎太郎さんの無自覚と危うさ

2012-10-26 | 政治・経済を考える

【東京】石原慎太郎東京都知事(80)は25日記者会見し、都知事を辞任して、近く行われるとみられる衆院選に出馬すると表明した。ナショナリストとして知られる同知事は、尖閣諸島の領有権問題を日本の最大の政治課題に押し上げようとしている。石原氏は、都知事としての任期を2年余り残して辞任を決断した理由について、1つには政府が尖閣諸島のインフラ整備に後ろ向きであることを挙げた。石原氏は今年4月に突然、都が尖閣諸島を民間所有者から買い取ると発表、その発言がきっかけとなり、政府が都と所有者との譲渡交渉に介入し同諸島を買い上げた。その結果、中国で反日デモが相次いで発生し、デモ隊の一部が暴徒化するなど対日感情が悪化している。石原氏は会見で、政府が尖閣諸島の魚釣島に船だまりと灯台を建設するよう「監督して」いきたいと述べた。政府は同諸島にいかなる建造物も建設しないとしている。同氏はまた、平和憲法の改正にも言及した。人気の高い橋下徹大阪市長が率いる、大きな影響力を持つ「日本維新の会」との連携の可能性もある。石原氏も会見で、日本維新の会との連携に前向きな姿勢を示したが、石原氏と橋下氏の間には原子力発電などの問題で大きな意見の隔たりがある。(WSJ記者: Toko Sekiguchi)

石原慎太郎さん、都知事を辞任して国政に復帰するらしい。「尖閣諸島の領有権問題」を背景に保守派をまとめようとしているのだが、わかりやすい立ち位置ではあるが、「危うい」と言わざるを得ない。日本の「右傾化」を注視している国は多い、ウオールストリートジャーナル記事が指摘している、グローバル経済にも多大な影響をもたらしている。ヨーロッパ経済が低迷している状況下、アジア経済が世界を牽引すると見られていた、ところが日中の「険悪化」がその期待を打ち砕いた。石原慎太郎さんの考え方には同意すべきことが多々ある、しかしながら、その政治手法には同意しかねる、余りにも幼稚である。この人の「無自覚」に呆れると同時に、今回の行動には「危うさ」すら覚える。日本の経済基盤(方向性)を揺るがしかねないことを、この人は知らなさすぎる。政治家としての視点がずれていることに気づいていない、資質としては致命的である。

     


細野豪志さん「消えた年金問題を起こした自民党政治の反省がない中で、政権に返る資格はあるのか聞きたい」

2012-10-21 | 政治・経済を考える

民主党の政調会長は20日、静岡県御殿場市で講演し、自民党総裁が首相だった2007年に表面化した年金記録漏れ問題に関し、「消えた年金問題を起こした自民党政治の反省がない中で、政権に返る資格はあるのか聞きたい」と述べた。「安倍総裁は体調を壊したことを謝る(だけ)という話ではない」とも指摘した。(jijicom)

細野豪志さん「消えた年金問題を起こした自民党政治の反省がない中で、政権に返る資格はあるのか聞きたい」は、同感できる。現政権にも課題は多いが、自民党政権に早晩戻していいのかと言えば、そう簡単な話でもない。日本の行政システムが、麻痺し機能しなくなった要因は多い、地方自治を含めた政治のあり方だけではない、わたしたちの意識(認識)自体が問われかねない状況なのだ。細野豪志さんが指摘しているのは、とりあえず「政治」だけでも機能させたい、でなければ「日本の危機」は拡大するばかりだと言っている。

既成政党が、合意できるものを優先審議し決めていくことが、少なくとも選挙前にすべき、それが政治の常識です。政治が、大切にすべきは「常識」です。安倍晋三さんは、過去にその常識を外した方です、信頼を得るにはこれ以上「常道」を外さないことです。

 


「革新的ベンチャービジネスプランコンテストいしかわ」を見る

2012-10-19 | 金沢を歩く

「革新的ベンチャービジネスプランコンテストいしかわ」を見る

昨日、「革新的ベンチャービジネスプランコンテストいしかわ」を見にいく。石川県・県庁近くで「革新的ベンチャービジネスプランコンテストいしかわ」(少々長いタイトル)があり、立ち寄ってみる。金沢市でもそうですが、県レベルでも地場産業の活性化(育成)に意欲的です、これもその試行錯誤のひとつです。若い人たちの試みと熱意が伝わってくる、ベンチャービジネスを取り巻く周辺状況は難しい、そういった壁を突破するには相当なエネルギーが不可欠、若さ(可能性)にその要素があります。県や市がどれだけ良質なバックアップ(プラス)ができるか、それも成否の鍵になります。県内金融機関も識者も揃っている、この試み(会場)から育った企業も多い。しかしながら、注目度は低いように思われます、評価したい「試み」だと思います。

 


細野豪志政調会長の言葉は明快である

2012-10-15 | 政治・経済を考える

民主党の細野豪志政調会長は14日午前、フジテレビの番組で、東日本大震災の復興予算が「全国防災事業」として被災地以外にも充てられていることについて「被災地のみに使う方向性を明確にすべきだ」と述べ、今後は被災地の事業に限定する考えを強調した。復興予算に関し、細野氏は「2011年は日本経済が生死の境をさまよい全国に予算を付けざるを得なかった」と指摘。その上で、党行政改革調査会でも予算の精査を行う方針を示した。また次期衆院選マニフェスト(政権公約)については「30年代に原発ゼロを目指すことは党の方針だ。それを明記することになると思う」と語った。(jijicom)

細野豪志政調会長の言葉は明快である。「2011年は日本経済が生死の境をさまよい全国に予算を付けざるを得なかった」と指摘した、「30年代に原発ゼロを目指すことは党の方針」であることにも言及、明快に答えることが求められている、あとは実行あるのみである。民主党で頑張っている人材は多く、成長もしている。細野豪志さんは、土俵際で踏ん張っている政治家の一人でもある。比べて、官僚たちの呆れ果てた姿は何たることか、前政権と組める喜び(天下り先への先行投資)が透けて見えるではないか。自民党は「復興」「災害対策」「成長」を記号に、「赤字国債」を乱発するつもりでいる、公明党は「選挙格差(違憲状態)」を容認し早急に「選挙」をしたいご様子、これでいいのか。寒い季節での「選挙」は、国民にとっても厳しい、政治家が国会ですべきこと(課題)は多い、それをやらないで「選べ」といわれても・・・。


これは単なる「逆戻り現象ではない」

2012-10-12 | 政治・経済を考える

 復興予算の膨張に歯止めがかからない。政府は2011年度からの「5年間で19兆円」との大枠を示したが、13年度予算の概算要求を含めると、3年間で22兆円に達する見込みだ。概算要求には不適切使用と指摘される予算が含まれており、国民に臨時増税を課す一方で、復興を名目に予算獲得に走る各府省庁の思惑が見え隠れする。11年夏に政府が決定した復興基本方針では「5年で少なくとも19兆円」が被災地の復旧・復興に必要な予算と見積もられた。その財源を捻出するため、政府は所得税や住民税などを臨時増税し、10兆5千億円をまかなうことにした。だが、政府が示した予算の大枠は11年度からの3年間だけで天井を突破する見通し。11年度と12年度の復興予算は計約18兆円。13年度は4兆円超の概算要求が各府省庁から出されている。一方、衆院決算行政監視委員会で野党理事が関係省庁から聞き取り調査した結果、復興予算に対して「不適切使用」との指摘が相次いだ。さらに、こうした事業の多くが来年度予算でも概算要求されていることが本紙の取材で明らかになった。国が財政支出の縮減を続ける中、ある官僚は「復興予算は別枠で、いくらでも要求できるので、各省とも予算獲得に知恵を絞っている」と明かす。11年度分の復興予算は今夏の決算段階で約1兆円が「不用」と判断された。さらに5兆円は使われておらず、翌年度に繰り越しされた。復興に直接関係しない事業に予算を付け、使い切れないケースも出ている。(中日新聞)

綱渡りをしている政府(内閣)と目に余る省庁(官僚)+利権復活事業の実態(横暴さ)が見えてくる。復興財源を捻出するため、政府は所得税や住民税などを臨時増税し、10兆5千億円をまかなうことにした。にもかかわらず、省庁の概算要求には不適切使用と指摘される予算が含まれていることが明らかになってきた。各府省庁の思惑がどうあれ、前政権(自公政権時代)と変わらない事態になっていることに、驚き呆れる。既に現政権に見切りを付け、前政権返り咲きをお膳立て(宴会準備)しているかのようにも見える。そうです、「コンクリートから人へ」といった「シミッタレ政権」から「人からコンクリートへ」といった「フトコロ政権」への「先行投資」なのかもしれない。自民+財界+官僚+地方自治の強固な連帯意識が生まれようとしている。これは単なる「逆戻り現象ではない」、官僚(中央)支配が地方に拡散する前触れかもしれない、分散統制型国家になる可能性があるのかもしれない。霞が関からは、国民ほんらいの姿が見えていないのかもしれない。

 


「邦銀が日本国債の主要な買い手となっている」

2012-10-10 | 政治・経済を考える

国際通貨基金(IMF)は10日、最新の世界金融安定性報告(GFSR)を発表した。「2008年の金融危機以降、邦銀が日本国債の主要な買い手となっている」とした上で、国債保有に伴うリスクが銀行システムに集中する状況は、地銀・中小銀行を中心に高まる見通しで、「日本の金融安定にとって主要な懸念要因だ」と警告を発した。IMFは、このような懸念に対処するため、「日本は財政不均衡の是正と、国債市場が銀行システムを不安定化させるリスクの削減に向けて、包括的な戦略が必要だ」と強調。国内を活動拠点とする銀行の最低自己資本比率を、国際的に事業展開する銀行により近づけたり、リスクの重要度との関連を高めたりする対策などが考えられるとした。(jijicom)

世界の経済は、急速にグローバル化(拡大)し、結果、機能不全に陥っている。危機的状況はヨーロッパだけではない、中国を軸とする新興国経済にも陰りを増してきていることが、世界の不安材料になっている。悪いことには、視界ゼロのまま、走り続けないと、ドミノ倒しになる恐れがあるからだ。もともとアメリカのリーマンショックが発端なのだが、それ以降の「過剰な金融緩和策」に問題がある。行き場のなくなった大量の資金が地球の周回軌道を漂っている、この「不健全さ」に問題がある。「邦銀が日本国債の主要な買い手となっている」「日本の金融安定にとって主要な懸念要因だ」と警告、言うまでもない、問題のシワヨセが日本の「金融リスク」になっている。これは、日本の金融機関の体質でもある。日本の「赤字国債」がいつまでも減らない要因も、この体質にある。これまでの「成長路線」が生み出した「体質」と言ってもいい、財政は健全でなければならない、国の財政も民間金融機関も毅然とすべき時かもしれない。

 


使用済み核燃料の再利用への疑惑

2012-10-10 | 科学・環境を考える

「NUMOアンケートへの疑念」(中日新聞記事)

わたしたちは、ほんとうのことを知りたいと思っている。日本語は曖昧な言語ではある、それでも、気持ちが伴えばほんとうのことは伝わるものです。「フクシマ原発事故」以降、中日新聞の調査報道には感心するばかりです、知りたいことが適時載せられている。「核の再利用」にしても、「95%再利用」と言えば、わたしたちは「そうか使用済みの核燃料の95%(ほとんど)が再利用できるのか」と思い込んでしてしまう。わたしたちは、数値に騙されることが多い、全く逆の認識を抱いてしまうことがある。わたしたちは、できるだけ楽観的(プラス思考)でありたいと思っている。そこが盲点になる、言葉巧みに誤魔化そうとする、悪意ではなく「役割・仕事」だから始末に悪い。この記事は、「騙されないで」と言っている。日本も、日本語も難しい領域に入っているのかもしれない。

 


藤田嗣治の孤独

2012-10-09 | 美術を考える

藤田嗣治の孤独

「古書店・月映書房」をオープンしてから、わたしに話しかけてくる人が増えたような気がする。問いかけには丁寧に答えているつもりですが、意味合いが多少ずれているのかもしれないと思うことも多い。

或る日、分厚い画集を眺めながら、如何にも不思議そうにしている人がいる。しばらくすると、何気なくわたしに聞いてくる「このFOUJITAは日本人だよね」と・・・わたしは、とりあえず「ええ、そうですよ」と答える・・・「ふうん、そうなの、有名なの」と重ねて聞いてくる。場合にもよりますが、「藤田嗣治(レオナール・フジタ、1886-1968)は、モディリアニらとともにエコール・ド・パリの代表的な画家である」ことなど、できるだけ簡潔に伝える。裸婦に代表される「乳白色の肌」の優美な表現や愛くるしい「猫たち」など、その画家独自の魅力は自分自身の目(感性)で確かめて欲しい、そう思うからできるだけ「簡潔」に・・・。しかしながら、この人の不思議は、「名前の知らない画家が、フランス語のしかも分厚い画集になっていること」にあったのです。

考えてみれば、「藤田嗣治」をみんなが知っていると思う方がおかしい。絵にそれほどの関心がなければ、知らない方がむしろ普通かもしれない。藤田嗣治は晩年(戦後)、フランスに帰化し、日本には二度と帰ることのなかった画家でもある。細くて美しい線描を見れば、これほど日本的技量を備えた画家はいないことが容易にわかる。日本とフランスを行き来していた藤田嗣治に、何があったか・・・。興味があれば、それはすぐにわかることです。・・・わたしは、藤田嗣治の孤独を強く感じます。フランス版FOUJITAの画集には、それ相応の「事情」があるのです。

 


自民党・公明党を軸に官僚や経済団体がヨリを戻しつつある

2012-10-08 | 政治・経済を考える

   「中日春秋」(中日新聞コラム)に「日本の官僚は本当に賢い。もちろん、その前に「ずる」という接頭語がつくのではあるが。一見、分かりにくい法律や行政文書の中に短い文言を忍び込ませ、我田引水の解釈をすることなど朝飯前だろう▼被災地の再建とは無関係の事業まで、復興予算が使われた実態が次々に明らかになってきた。核融合エネルギーの研究費に約四十二億円、調査捕鯨事業に二十三億円、東京の国立競技場の補修に三億三千万円…。被災地以外の官庁の庁舎改修にも、巨額の費用が投じられたようだ」とある。民主党政権に陰りが見られるようになり、自民党や公明党が声高に「解散」を迫り、さらに追い打ちをかけるように、官僚たちの傲慢さが巷の話題になり始める。いずれも、「口元過ぎれば熱さ忘れる」である。経済団体もアカラサマに、民主党を見限り自民党に擦り寄り始めた。「あの頃が良かった」とでも言うように、自民党・公明党を軸に官僚や経済団体がヨリを戻しつつある、磁石に吸い寄せられるように・・・手土産を持ち寄り「宴会」でもするかのように、満面の笑みをたたえながら・・・ほんとうにこれでいいのか。3年前と変わらない「あの頃」に戻してもいいのか、ほんとうにいいのか。「行政改革」にはそれ相応の時間がかかることがわかった、地方自治も含めて手付かずの課題は山済みのままである、このまま放置していいのか。3年間で諦めるのは、早すぎないか。