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中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
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劇団・ジョキャニーニャ『T.AKIRA』 金沢市民芸術村PIT2に『演劇』を観に行く

2018-09-21 | 金沢を歩く

金沢市民芸術村PIT2に、『演劇』を観に行く予定です。劇団・ジョキャニーニャ『T.AKIRA』、鶴彬(川柳)のイメージを借りて今をどう切り取れるか・・・わたしはそこを観たい。 

演劇は、時代をストレートに反映する・・・戦争を背景に翻弄されたひとりの若者の生死に関わるのは難しい、この劇団には「イナシとユーモア」を操る技量が備わっている・・・なとかなるだろう。
 『鶴彬全集』の著者・一叩人さんに会ったことがある、手製の封筒に「鶴彬(一叩人)通信」がかなり届いた。画家でもあった一叩人さんの熱意を、わたしは懐かしく思い出すのです。


2017/02金沢美術工芸大学卒業制作展

2017-02-25 | 金沢を歩く

2017/02金沢美術工芸大学卒業制作展、今年も魅力あふれる数多くの作品を観ることができました。新しい試みができる世代、その制作意欲に触れることは、わたしたちにとっても大切なことです。近年、油画専攻にアニメーションや映像作品が目につく、おそらく多くの場合『独学』になるのかも知れませんが、もともとこの世界(視覚芸術)は裾野が広く未知数と言っていい、ジャンルの垣根を乗り越えて自由に表現してみるのもいいのではないか・・・そう思います。
絵画作品のなかで、永井ちなみさんの作品に惹かれました、繊細な色彩表現とそのやわらかさに感性の高さを覚えたのです。細部の心が宿る・・・ではありませんが、繊細さを失わなければ、いつでもいい作品が生まれます。

田中裕梨さんの『書体デザインと装幀』に視点を向けた作品、17~19世紀の美しい本を数多く見てきたわたしにはうれしい展示でした。デジタルbookでは表現できない『装幀の魅力』を知ってほしい、そういった願いからこの展示を評価したい。いくつかのユニットを連続して組み合わせると、不思議な女のイメージが・・・作者の名前を忘れてしまいましたが、記憶に残ります。わたしもユニットや記号を使ってデザインしていた時期がありましたから・・・。それから、芸術学の湯佐明子さんのレポート、19世紀の画家ウオーターハウスの『シャロットの姫』を扱った論文も楽しく読ませていただきました。


『ビアズリーと日本』を観ました

2016-08-29 | 金沢を歩く

石川県立美術館に行ってきました。展覧会『ビアズリーと日本』を観ました、わたしが若い頃から興味を抱いていた『挿絵黄金時代』の作品を多数観ることができました。ビアズリーの作品だけでなく、日本の若き版画家、恩地孝四郎・田中恭吉・藤森静雄(月映の版画家たち)や、小林かいち・橘小夢・山名文夫などほとんど忘れられた人の作品まで観ることができました。まさに、至福のⅠ時間でした。

帰りに、新しく改装された『別館』にも立ち寄りました。この辺りが、わたしたち美大生(現歴史博物館が校舎だった頃)密会の場所でしたが・・・美しく整備されましたね。


一杯のコーヒが昔の味を想い起こさせる

2016-06-20 | 金沢を歩く

先日、金沢を散策しました。普段通らない道を歩くつもりでしたが、なかなかに暑い、暑い暑いとつぶやきながら、やはり喫茶店に何気なく入ってしまう。

『謎屋珈琲店』、普通の珈琲(ブレンド)を注文する。涼しくなると落ち着いてきます、客の少ない店内をぶらぶらする、何気なく質問などしてみる。答えが五月雨式に返ってきますが、わたしにはよくわからない。一杯のコーヒが昔の味を想い起こさせる、この味は『ラテン小唄』だ・・・これもおそらく意味不明。


金沢美術工芸大学『卒業制作展』の会場を訪れました

2016-02-29 | 金沢を歩く

金沢美術工芸大学『卒業制作展』の会場を、訪れました。若い人たちの発想はいつも新鮮で希望にあふれています、これらの作品に触れることはわたしたちにとっても喚起される何かがあるのです、大切な場でもあるのです。

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わたしたちもそうでしたが、創作の分野は多分に『独学』の要素が強く、教えられて得られるものは少ない、それ故の『独創』がこの時期の魅力といっていいのです。

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わたしが興味を抱いて見ていたのは、アニメーションと芸術学です。今年も、映像+アニメーションの世界に新しい可能性を見ることができました。『視覚デザイン』だけでなく『油』からも優れた試みを見ることができました。このような新しい時代感覚を大切にして欲しい、課題も多い世界だけに『やりがい』もあると思います。『芸術学』にも新しい視線が芽生えているのかも知れません、澁澤龍彦の小説から始まる『金魚』への熱い視線には、不思議な、領域を超えてしまいそうな『美意識』があります(阿部菜都紀さんの論文)。中川成美さんの絵本作家ル・カインに熱い眼差しを向けた論文も、丁寧に調べた制作過程を裏付けにその作家としての魅力を充分に言い得ています。『芸術学』を見ていると、若い人たちが(この混沌とした時代に)何に関心を持っているかがよくわかります。

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先日 金沢美術工芸大・卒業制作展を訪れました

2015-03-02 | 金沢を歩く

先日、金沢美術工芸大・卒業制作展を訪れました。

若い人の試みや感覚に接するのは、心地よいことです。想った以上に軽やかな雰囲気が、会場に漂っています。個人的な関心分野のアニメーション(映像表現)にしても、デザインにしても『軽やかさ」がここ数年の特徴ですね。

油画の卒業生で、映像表現していたのには驚きました。それがなかなかいいのです、ここ(油)は昔から自由な雰囲気がありましたからね。

彫金で目を惹いたのが、長尾佳奈さんの繊細で美しいな装飾です。時間を超えて増殖する宇宙を感じさせます。

視覚デザインで目を惹いたのが、坂川南さんの写真作品『誰が姿』です。パソコン処理をしたのかと思ったのですが、ほとんどが実写であることを知り、その完璧な仕事に驚いたのです。

それから、芸術学の五十嵐美里さんの『ドン・キホーテと死んだ騾馬についての一考察』、オノレ・ドーミエについて書かれた論文です。フランスの風刺画家として活躍していたオノレ・ドーミエの心情と、よく知られた物語「ドン・キホーテ」の一場面(イメージ)を重ね合わせて論じています。放置されて干涸らびた騾馬の骸には訳があるのです、山中に住む騎士の悲しい物語が隠されています。「ドン・キホーテ」の底流に流れる人間に悲哀にしても、オノレ・ドーミエの眼差しの先にある現実にしても、時代を超えて変わらないのです。


角田光代さんに鏡花文学賞(市民芸術村)

2012-11-19 | 金沢を歩く

角田光代さんに鏡花文学賞(市民芸術村)

わたしの金沢散策コースに欠かせない市民芸術村で、泉鏡花文学賞授与式がありました。前日の「唐組」の演劇を含めて、11月14日~18日「泉鏡花フェスティバル」はこの日で終わった。角田光代さんの短編集「かなたの子」は、生死の狭間に立つ「女の闇」を描いたものです。日本の厳しい風土に根ざした物語は、いずれも人々の悲しさを超えるものです、時代(歴史)を反映した「闇」は日常に潜むものかもしれません。鏡花文学賞はもう40回を数えます、多くの「成熟した」作家に「魅力ある光」を与えたと言えます。「成熟した」というのは、角田光代さんもそうですが、既に「直木賞」はじめ多くの文学賞を受けている作家であり、さらに視点を変えて「再確認」を試みるだけのことかもしれませんが、それはそれで「金沢らしい文学賞」だと言えます。「へねた(新鮮味のない)文学賞」だという人がいますが、そう見えなくもない。

 

 


黒い猫に擦り寄られ・・・

2012-11-05 | 金沢を歩く

昨日は晴れ日和、金沢の街を歩いていると、黒い猫に擦り寄られ・・・。
カメラを向けると、ポーズをとるではないか・・・撮られ慣れしていて嫌だなと思いつつも・・・撮ってしまう。
こういう生き物に弱いのです、わたしは・・・。
待ち合わせの場所に、微妙に、遅れてしまう。
歳を重ねるにつれ、生活規範がルーズになるのかもしれない・・・などと想う。
「ここに来るときにね、この黒い猫がね」と、デジカメを見せる辺は、昔と少しも変わらない、即「言い訳」をするのである。