中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
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本の紹介『Elize Polko(エリーゼポルコ)』

2017-08-25 | 本の紹介

海外の古書店を訪れながら・・・その空気感に浸りながら『美しい本』を探していると・・・あるのです、わたしが見つけないといつまでも隠れている本が・・・。

『Elize Polko(エリーゼポルコ)』初版は1890年ですから、かなり古い本です。メルヘンチックな音楽の本ですが、装幀や書体も凝った作りで、しかも三方金で見た目も美しく、2冊揃った姿はまさにファンタジーです。


『Le Roman de La Rose(薔薇物語)』 レオノール・フィニのカラーリトグラフがおしゃれ

2017-08-25 | 本の紹介

『美しい本』を手にする至福の時・・・ふりかえって想うことも多いものです。懸命に探してもなかなか出会えなかったりするのですが、とんでもないところで、偶然に出会うこともあります。硝子越し(公的資料館)で見かけた時が、最も哀しいときです。
FBやブログで『本の紹介』をしているのですが、わたしの企画で紹介することもあります。中でも、繰り返し紹介している『美しい本』があります、わたしの『お気に入り』です。
『Le Roman de La Rose(薔薇物語)』、13世紀寓意物語にレオノール・フィニのカラーリトグラフが12葉が入っています。この本の魅力は、木版画(1485年制作)や花文字があしらわれ、インクナブラを意識した装幀になっています。しかも、ラナのベラム紙使用・三方金・表裏総革・限定出版と申し分ない仕様になっています。フランスの粋を示した1冊だと、わたしは思います。


WALTER CRANE(ウォルター・クレイン)

2017-08-22 | 本の紹介

WALTER CRANE(ウォルター・クレイン)
ILLUSTRATIONS TO SHAKESPEARE'S TEMPEST(シェイクスピア作テンペスト;J. M. Dent & Co.1893年刊 )ILLUSTRATIONS TO SHAKESPEARE'S TWO GENTLEMEN OF VERONA(シェイクスピア作ヴェローナの二紳士;J. M. Dent & Co.1894年刊 )  
19世紀末には、優れたイラストレーターが活躍したのですが、
ウォルター・クレインもそのひとりです。クレインは、ダラスタイプ写真製版の技術を開発したダンカン・C・ダラスの求めに応じて、シェイクスピアの戯曲3作に挿絵を提供した。ダラスタイプとは、感光剤を塗布したゼラチン紙にネガを乗せ、太陽光に当てて感光させた後、数時間水に浸すと、光に当たらない部分、つまり印刷されない部分が膨れ上がり凹凸逆の版ができる。これを石膏・樹脂で順次型取りし、最後に電解メッキ槽に浸して金属製の原版(凸版)を作るというものだった。いささか煩雑なプロセスに思えるが、自分のペン画の線がよく再現されたとクレインは序文で述べている。クレインは、各作品に扉絵と8点の挿絵を描き、それぞれの挿絵を縁飾りで囲み、台詞の一部を手描きで挿入した。・・・いずれも650部刷られ、600部だけ販売された。
ウォルター・クレインは、ウイリアム・モリスとタペストリーのデザイン・制作などの仕事をしています。


ケルムスコット・チョーサー原寸ファクシミリ版

2017-08-20 | ちょっと遠出しました

しばらく外出していましたので、このページを更新することができませんでした。長期の外出には、いくつかの狙い持って出かけるのですが、必ずしも充分な成果を得られるとは限らないものです。若い頃は、インターネットの時代ではありませんから、成果のない「無駄な時間」のほうが多く、旅先で途方に暮れることがありましたが、近頃は余裕を持って「そらす」こともできるのです。よくしたもので、帰ってから朗報が入りました。旅先での本命は外したものの、『THE KELMSCOTT CHAUCER』『 The Works of Geoffrey Chaucer 』 が手に入りました。ケルムスコット・チョーサー原寸ファクシミリ版(イギリス・フォ リオソサエティ 2008年版)、19世紀末 ウィリアム・モリス、 ケルムスコット・プレス版「チョーサー著作集」(木版画挿絵 バーン・ジョーンズ)の原寸ファクシミリ版です 。