FIFA制裁の恐れも 北朝鮮女子の入国問題
2月6日に東京で開幕する東アジア選手権を巡り、北朝鮮女子チームの入国に民主党政権が反対し、大会のホスト役である日本サッカー協会が困惑している。スポーツへの政治介入は国際サッカー連盟(FIFA)による制裁の対象となる恐れがあるためだ。協会の活動が禁止され、W杯南アフリカ大会に影響が出る可能性もある。発端は拉致問題を担当する中井国家公安委員長が昨年12月10日、北朝鮮女子チームの入国に関し、「制裁がかかっている段階」として反対したことだ。外務省人物交流室によると、北朝鮮国籍保有者の入国を原則禁止する追加制裁が実施された2006年10月以降、スポーツの北朝鮮代表団による入国申請はゼロ。今回申請すれば初のケースとなる。すでに麻生内閣から入国を認める内諾を得ていた日本協会は、改めて外務省や文科省を通じて政府に状況を説明。北朝鮮協会からは抗議文も届いたが、日本協会は「打つべき手は打った」(幹部)と、政府の最終決定を待つしかない状況だ。FIFAは、憲章第3条で「人種、性、言語、宗教、政治などによる国家、個人、グループへの差別」を禁じ、第17条では「第三者による影響を受けない独立した運営」を加盟協会に義務づけている。過去には、政府の管理下に置かれたイラクやイランなどの協会を資格停止とした例もある。このため、北朝鮮協会がFIFAに訴えれば、「最悪の場合、W杯に出場できなくなる」と日本協会幹部は懸念。協会が乗り出している18、22年のW杯招致活動も「W杯予選を突破した全チームの入国を保証することが前提。反したら招致活動も停止だ」としている。外務省によると、こうした懸念は、閣僚にも伝えられているという。日本協会では査証発給に要する時間を考慮し、きょう5日が「最終リミットだ」(幹部)として、早急な政治判断を求める声も上がっている。(読売新聞/青柳庸介)
日本は未だスポーツ後進国なのか、スポーツを政治の道具にしてはいけない、これは「国際常識」です。確かに「拉致問題」は日本にとって最重要政治課題です、しかしながら「スポーツ交流」がその解決を妨げるものではない。日韓サッカー交流が、これまでの二国間の厚い壁を取り除いた経緯を見てもわかることではないか。日朝間にも、サッカー選手同士の交流も既にあるわけですし、このことに国民のわだかまりはあまりありません。中井国家公安委員長の個人的な考え?で、スポーツ交流が妨げられるとすれば、そのことのほうが時代錯誤でもあり大きな問題に他ならない。
(追記)北朝鮮チームの入国許可へ=2月の女子サッカー大会-政府 千葉景子法相は5日午前の閣議後の記者会見で、2月に東京で開かれる東アジア女子サッカー選手権決勝大会に出場する北朝鮮チームの入国を許可する方針を明らかにした。政府は日本人拉致事件などを理由に、北朝鮮に制裁措置を実施中で、関係者の入国を認めていない。法相は会見で、スポーツ活動は、制裁措置と切り離して判断する必要があるとの考えを示した。北朝鮮チームへの対応について、中井洽拉致問題担当相は入国に反対する意向を示していた。平野博文官房長官と中井氏が同日午前に協議して、特別に入国を許可することを決めた。(jijicom)