大学の授業にかかわる話題

授業日誌・キャリア・学びのスキルについて

強まるROE重視は株価形成をゆがめかねない

2014年08月30日 20時18分12秒 | 学習支援・研究
強まるROE重視は株価形成をゆがめかねない
エコノミックニュース
8月17日(日)13時52分配信

株価指数「JPX日経インデックス400」の構成銘柄入れ替えに伴い、

ROEが注目されている。しかし、
ROEは利益成長を伴わない企業でも、
人為的に引き上げることが可能だ。
ROE重視は度が過ぎると
正常な株価の形成をゆがめかねない。

日本経済新聞社と日本取引所グループ <8697> 、
東京証券取引所は共同で開発、
運営する株価指数「JPX日経インデックス400」の構成銘柄のうち
31銘柄を入れ替えると発表したことで、
ROE(自己資本利益率)についての関心が再び強まっている。

JPX日経400は、構成銘柄の選出に資本効率性を示すROEなどを用い、
投資魅力の高い400銘柄で構成しているのが特徴。
毎年8月に定期的に構成銘柄を見直すとしており、
今回が初めての入れ替えとなる。
ROEは純利益を株主資本で割った値で、
資本効率を示す数値とされる。
3期平均ROEがマイナスとなったソニー <6758> などの指数からの除外が決まり、
ROEが時価総額に代わる投資指標として
重みを増したことを印象づけた。

しかし、ROEは利益成長を伴わない企業でも、
人為的に引き上げることが可能だ。
利益剰余金を吐き出して、
株主資本をそぎ落とす一方、
多額の借入金で事業資金を賄って利益を出せば、
理論上はROEがいくらでも大きくなる。

たとえ大幅減益でも、減益率より
株主資本の減少率が大きければ、
ROEは大きくなる。

昨年から「リキャップCB」の発行が相次いでいる。
カシオ計算機 <6952> 、日本ハム <2282> 、
ヤマダ電機 <6392> が発行しているが、
まさにROE重視の流れを反映したものだ。
新株予約権付社債(転換社債=CB)の発行と
自社株買いを組み合わせたのがこの手法。
市場に流通する株式数が減り需給の引き締まりにつながる。
CB発行で負債を増やすと同時に自社株買いで
株主資本を圧縮する結果、資本効率が向上してROEの上昇につながる。
CBは、普通社債と異なり
金利ゼロでも発行できるメリットもある。

利益剰余金の一部を自社株買いにまわせば、
株主資本が減少するとともに1株あたり利益も増えROE向上に貢献する。

年金基金のような長期投資家にとって
好ましいのは、長期的に成長していく企業だろう。
しかし、ROEを重視すれば、
利益剰余金で次世代の成長に向けて設備投資する企業よりも、
自社株買いでROEを引き上げる企業の方が高く評価されることになってしまう。
ROE重視は度が過ぎると
正常な株価の形成をゆがめかねない。

(編集担当:久保田雄城)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140817-00000004-economic-biz

法人減税の財源捻出へ

2014年08月30日 00時34分43秒 | 学習支援・研究
もうけた企業ほど税負担軽く 
政府導入検討 
法人減税の財源捻出へ

SankeiBiz 8月29日(金)7時7分配信


法人税減税をめぐる代替財源候補(写真:フジサンケイビジネスアイ)

政府は28日、2015年度の税制改正で、
もうけた企業ほど
税負担が軽くなる仕組みを導入する方向で検討に入った。
来年度から実施する法人税の実効税率引き下げの代替財源捻出に際して、
赤字企業も対象となる「外形標準課税」の強化などで、
赤字を放置すると増税になり、
利益を増やした企業は減税になる制度の実現を目指す。
税制面から企業の“稼ぐ力”の強化を後押しし、
実効税率引き下げ後の大幅な税収減を防ぐ狙い。

現在35%程度の実効税率について
政府は来年度から数年で20%台に下げる方針を打ち出しており、
具体的な下げ幅や財源については政府、
与党が秋以降に本格化させる税制改正作業で詰める。
ただ、実効税率を1%引き下げると約5,000億円の税収減になるため、
その穴をどう埋めるかが焦点となっている。

政府は税率引き下げの財源をめぐり、
企業の稼ぐ力を高める税構造の改革に着手。
2つの有力案に絞り込まれつつある。

決算の赤字を翌年度以降の黒字から差し引く
「欠損金の繰り越し控除制度」について、
毎年度の上限額を減額することで赤字企業の恩恵を小さくする。
欠損金の繰り越し控除は現行では
最大9年にわたって赤字を繰り越せ、
大企業では各年度の黒字額の80%までを差し引ける。
同制度に伴う法人税の減収分は12年度で
2.3兆円。限度額を60%や50%に下げる案がある。

地方税の法人事業税の一部として導入される外形標準課税の強化も柱となる。
政府内では、所得に応じて黒字企業に課税している
法人事業税の「所得割」(14年度の税収で2.2兆円)を減税する一方、
赤字企業も対象で、従業員の賃金を中心に課税される外形標準課税の中の
「付加価値割」(同0.4兆円)を増税する案が有力。
黒字企業だと税負担が減り、赤字だと負担増になるため、
収益力強化に向けた改革につながる効果が見込まれるという。

政府税制調査会(首相の諮問機関)は、
6月の法人税改革の提言の中で、
法人税改革の目的として
「収益力改善に向けた企業の取り組みを後押しする変革」を挙げた。

研究開発減税など政策減税の見直しも俎上(そじょう)に上っているが、
将来の収益の源泉である研究開発投資の優遇制度縮小は、
日本企業の競争力をそぎかねない。
秋以降の政府・与党の議論では、
欠損金の繰り越し控除の縮小や
外形標準課税の強化が中心となる見通しだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140829-00000503-fsi-bus_all