大学の授業にかかわる話題

授業日誌・キャリア・学びのスキルについて

大学生の就職内定状況

2023年11月17日 17時59分44秒 | キャリア支援
大学生就職内定率74.8% 
10月時点、コロナ前の水準に
2023/11/17
14:53共同通信
大学生就職内定率74.8% 10月時点、コロナ前の水準に

厚生労働省

厚生労働、文部科学両省は17日、
2024年春の卒業予定で就職を希望する大学生の10月1日時点での内定率が、
前年比0.7ポイント増の74.8%だったと発表した。
1996年の調査開始以降では4番目に高い。
厚労省の担当者は「人手不足を背景に企業の採用意欲が高まり、
新型コロナウイルス禍前の水準に回復した」としている。

大学生の内定率は、
全国の国公私立62校の4770人に電話や面接で調査した。
男子73.9%(1.2ポイント増)で女子75.8%(0.1ポイント増)。
文系75.0%(1.5ポイント増)、理系73.7%(2.9ポイント減)だった。

統計の採り方で科学的な方法と思う。
ただ地方の一部の私立大学は、
依然として厳しい状況と実感している。
首都圏の有名私立大学と地方の中小私立大学では、
内定率に差が出ていると感じる。

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なぜ「嫉妬」する

2016年03月19日 19時28分43秒 | キャリア支援
なぜ、エリートほど激しく「嫉妬」するのか?
02月23日 15:20
プレジデントオンライン

なぜ、エリートほど激しく「嫉妬」するのか?



(プレジデントオンライン)
PRESIDENT Online スペシャル 掲載


■嫉妬心のネガティブとポジティブ
他人の成功や幸せに直面にすると、
僕たちは「嫉妬」という複雑な感情を抱きます。
この感情は、専門分野では
「社会的比較ジェラシー」と呼ばれていて、
学校の成績や出世の順番など、
相手との「社会的な比較」のなかで生まれるようです。

強い「ジェラシー」が生じると、
多くの人はそれを「ウザい……。
こいつ死ねばいいのに」などといった
マイナスのネガティブな感情に
変えてしまいます(下方比較)。しかし、
一部のポジティブな人は
「スゴいな。自分も頑張ろう!」といった
プラスの感情に変えることができ(上方比較)、
複雑な競争社会の中でも
良好な人間関係を築いていけるというのです。

この、嫉妬心のネガティブと
ポジティブの境目はなんなのでしょうか。

ある研究によると、この
「社会的比較ジェラシー」なるものは
誰に対しても生じるわけではなく、
自分が関心を寄せる分野で、
自分と類似性の高い身近な他者が
少しだけ優位な場合に最も
経験するものだといいます。

「類似性の高い身近な他者」が
“少しだけ優位な場合”というのがポイントで、
例えば、全国的に活躍する
ぶっちぎりにすごい成功者などに対しては
あまり嫉妬心が起きません。一方で、
自分と同じ会社の身近な同僚の
ちょっとした仕事の成功には、
はげしく嫉妬してしまうということです。

これは、なんとも面倒くさい話です。

■境目は「自尊心」
そもそも、僕たちはなんで「他者の優位」に対して
嫉妬してしまうのでしょうか。

海外のある研究によると、
「他者の優位」は自分の「自尊心」というものを
激しく脅かしてしまうようです。
つまり、嫉妬心は自分を守ろうとする
“防衛反応”の一種だというのです。

そして、その嫉妬心が「死ねばいいのに」
といったマイナスのものになるか、
「僕も頑張ろう!」というプラスのものになるかにも、
「自尊心」が大きく関わっています。
簡単にいうと、自尊心が低い人は、
「他者の優位」に対して拒否や攻撃といった
ネガティブな行動を起こしやすく、
一方で自尊心が高い人は、
挑戦的でポジティブな行動を
起こしやすいというわけです。

さて、嫉妬による行動をポジティブにも
ネガティブにも変える「自尊心」とは、
一体どのようなものなのでしょうか?

自尊心(self-esteem)とは、自分を
大切にできる気持ちのことをいうのですが、
「“ありのまま”の自分を受けいれる力」が
関係していると考えられています。
この“self-esteem”については、
日本のある研究者が説明に用いた
「自己肯定感」という言葉がよく使われるようになりました。

これは単に、“自分に自信がある”
というような意味ではありません。

自尊心や自己肯定感は、
「社会的に評価されたり
認められたりしているという『条件』がなくても、
自分の存在には価値があると感じられること」、
つまり自分の「無条件肯定」といいかえることができます。
例えば、学校での成績が低かったり、
会社でのポジションが低いなど
「社会的比較」における条件は悪くても、
信頼できる昔からの友達がいたり、
家族に愛されていたりという人は、
自分の存在そのものを認めることができ、
高い自尊心を持てているようです。

■エリートは自尊心が低い!?
「無条件肯定」の真逆にあるのが、
「条件付き肯定」です。それは、
自分が社会のなかでどれくらい有能な力を持っているのか、
といった社会的比較の指標のなかで、
自分の価値を“条件的”に認めることです。
僕たちは学校で、テストでいい点数をとるとほめられ、
勉強が苦手な場合でも
スポーツでいい順位をとれば評価されてきました。
それは、社会人になっても変わることなく、
常に比較されながら「条件付き肯定」を奪いあう戦いを
くりひろげています。

そんな社会的条件の階段を上りつめたのが、
俗に「エリート」と呼ばれる人たちです。
なんと彼らは、「自分は社会的に有能だ」
という実感や強い自信は持っていても、
自尊心や自己肯定感は低いということが多いようなのです。

なぜなら、「エリート」と呼ばれる人たちは
常に“高い条件”で社会的に認められてきたために、
人生の中で「無条件の自分」の価値を意識したことが少なく、
「条件を失う」ということが
とんでもなく危険なことだと感じてしまうようなのです。
そして、身近なところに自分よりもさらに条件的に
優れた人間が現れると、
自分の存在価値や自尊感情が脅威にさらされて、
ネガティブな嫉妬心に火がつき、
時には攻撃的な態度に出てしまうのです。

社会に出て仕事や活動をしていれば、
「社会的比較」や「条件」は永久につきまといます。
それ自体は仕方のないことだと思います。
しかし、嫉妬のたびに相手を拒否したり
攻撃したりしていては、人間関係は不調になり、
当然仕事もうまくいきません。

どこにいけば、社会的条件抜きの
“ありのまま”の自分に出会うことができるのか?

どうすれば、「無条件の自分」を認め、
自尊心を高めることができるのか?

そして、どうすれば、自分より条件的に優れた人間を歓迎し、
健全なコミュニケーションをとることができるのか?

挨拶ひとつ取っても、
所属や肩書の説明が必要な(気がしてならない)
「条件だらけ」の都会で働くビジネスマンにとっては、
とんでもなく難しい問題なのかもしれません。

(若新雄純=文)

http://news.goo.ne.jp/article/president/bizskills/president_17453.html?page=1

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新卒の一括採用からはみ出した学生の採用

2016年02月23日 00時14分21秒 | キャリア支援
マニアック人材の「アンティーク」と「ガラクタ」の境目

01月26日 15:20
プレジデントオンライン

マニアック人材の「アンティーク」と「ガラクタ」の境目
マニアック人材の「アンティーク」と「ガラクタ」の境目
(プレジデントオンライン)
PRESIDENT Online スペシャル 掲載

新卒の一括採用からはみ出した
若者向けのマニアックな就職サービス
「就活アウトロー採用」。
そこに集まる若者たちの価値は
「アンティーク」のようなものである――。
前回の鼎談(http://president.jp/articles/-/17016)に続いて、
NPO法人キャリア解放区の納富順一代表と若新氏が、
アンティークとして輝ける人と
そうでない人について意見を交わした。

■「アンティーク」か、それとも「ガラクタ」か

【若新雄純】前回話したように、
「就活アウトロー採用」で出会う若者は、
商品で言うなら、「アウトレット」というよりも
「アンティーク」に近いイメージなんですね。
社会にうまく合わせていくことが苦手で、
就活からはみ出したり、
会社で上司と衝突したりしますが、
それは彼らの能力やスペックが劣っているからではありません。
彼らは、自分が納得できないことには反発するけれど、
納得さえすれば仕事にも前向きに取り組み、
組織にいい刺激を与えられる存在になります。
つまり、大半の企業にとっては「ガラクタ」かもしれませんが、
そこに価値を見出す企業にとっては
「アンティーク」のような存在になれるんです。

では、どんな人が「ガラクタ」で終わらずに
「アンティーク」のような価値を発揮できるのか。
マニアックな若者と企業を多数マッチングさせてきた納富さんは、
どのように感じていますか。

【納富順一】社会に対して感じるズレや違和感、
その現状に向き合い、腹をくくってやっていける人が
「アンティーク」として輝ける人でしょうね。

オットー・シャーマー博士が提唱する「U理論」では、
「内省」によってUの字を描くように内面深くに降りていき、
その後、葛藤しながらも自分の内面から沸き起こる力に気づき、
再び浮上することで真の自分に至ると言います。
アウトロー採用の若者たちも、
社会とのズレや違和感を覚えている時点で、
「内省」はできていると思うんです。
感受性をすべて押し殺して、
“商品”になることが求められる一般的な就活に対して、
「これっておかしくないか?」と感じることのできる彼らは、
人間らしいと言えます。

ただし、内省するだけでは「アンティーク」にはなれません。
内省の後に「覚悟」のようなものが必要なんです。

【若新】それはつまり、自分の複雑さ(コンプレックス)と
共に生きていく覚悟ですね。
「僕はこんな人間である」ということを受け入れながら、
「こんな僕でも受け入れてくれる会社や社会があるなら、
一肌脱いでがんばろう」という覚悟。

■「自己分析」の勘違い
【若新】ただ自分と向き合ったからといって、
個性的な自分を完璧に受け入れてくれる社会が
待っているわけではありません。
自分を知れば、自分にぴったり合う社会があるのではなくて、
自分が社会とどれくらいズレているかを知るだけです。
就活における「自己分析」の勘違いは、
「自分分析すると自分にぴったりな業界や会社が見つかる」
と信じて疑わないことなんじゃないかと思うんです。

必要なのは自己分析ではなく「自己対話」ではないでしょうか。
自己と対話したり、内省したりすると、
「自分はなんでこうなんだろう」「自分はダメだな」
「この部分はなかなか直せないな」と思ったりしますよね。
そして社会を見て、「こんな自分は社会とこんなにズレている」
ということがわかる。社会とのズレを理解したうえで、
「ここはがんばって改善してみよう」とか、
「この部分は変えられないから、あきらめよう」
とか思うことが「覚悟」です。もしくは、
「手放す」とか「あきらめる」ということかもしれません。
社会に対する覚悟やあきらめを持って、
現実に向き合っていく。
このプロセスが重要なんです。

【納富】同感です。就労経験のない若者は、
自分の全てを受け入れてくれる会社を探そうと
完璧主義に陥っている人がとても多い。
極論ですが、自分にとって大切な価値観を守るためなら土下座だってできる、
という状態であれば、選択肢はぐっと増えるはずです。
もちろん企業に媚びる必要はありません。
芯を残しながらも少しだけ柔らかくなるといいなと思います。

【若新】社会とは、個人個人にカスタマイズされているものではなく、
どちらかといえば大衆向けにカスタマイズされています。
自分のことを知れば知るほど、
社会との妥協点や折り合いをつけないといけないはずなんです。

【納富】アウトロー採用に集まる若者たちも、
自分たちを受け入れてくれない社会が悪いとか、
就活システムが悪いとか、たとえ
それが事実だとしても、その段階で立ち止まったままの人は
企業から採用されません。問題は
すべて自分が引き起こしているのだと気づき、
社会と向き合っていける人だけが、
「アンティーク」のように光り始めます。

■「アンティーク」は歩み寄る

【若新】自己対話や内省が大事だと言いましたが、
内省するにしても、1人でやるのは容易ではありません。
1人で内省していると、考えていることが
正しいのかどうかもわからないから、不安ですよね。
ですから、内省には「場」が必要だと思うんです。
内省する人同士が、お互いの不安や悩みを共有することで、
「このことで悩んでいてもいいんだ」と
自分の悩みを認めることができる。
アウトロー採用のプロセスが、若者たちが
安心安全な場であると感じてもらったうえで、
若者同士あるいは企業の担当者とオープンに
話し合える自己開示の場を設けているのは、
そのような狙いからです。

そこで、「こんな自分を受け入れてくれる」という会社が
現れたときに、「この会社のために自分はコミットしよう」と
覚悟を決められるかどうかは、本人次第ですよね。
妥協ではない、自発的な「歩み寄り」ができるか。

【納富】そう思います。本人が自分で一歩を踏み出さない限り、
周りがその人の覚悟を作ってあげることはできませんからね。
アウトロー採用の若者の場合、
入社してからも価値観の違いから周りと衝突することが多いので、
「これが自分で選んだ道」という腹くくりが必要だと思います。
それがないと、入社後の摩擦や
辛いことに耐えられないでしょうから。

覚悟は自分で作るものですが、一方で、
社長や人事担当者など企業側の呼びかけも大事でしょうね。
アウトロー採用に集まる若者にとって、
一歩を踏み出すのは怖いことなんです。
画一的な就活のやり方はおかしい、間違ってる、
自分は自分に正直に生きるんだと強がっていても、
周りがどんどん内定を決めていく状況に、
大きな不安と焦りを感じています。
そんな彼らに、「不器用さも含めて君のことを受け入れるよ。
一緒に働こう」と声をかけてくれる企業が現れれば、
一歩を踏み出しやすくなります。
必要とされるありがたさをかみしめ、
「自分を拾ってくれた恩返しをしたい」と
覚悟を決めて働き始める若者は多いですね。

【若新】摩擦とお互いの歩み寄りの中で
感謝をちゃんとかみしめられるかどうか。
マニアックな人材として輝くということは、
普通の人以上に自分と向き合い、
そして社会と関わり合うことが必要になってきますね。
アンティークであるということは、
決して孤高の存在になるということではないんですね。

(納冨順一、若新雄純=談、前田はるみ=構成)

http://news.goo.ne.jp/article/president/bizskills/president_17211.html?page=1

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バイト敬語

2016年02月09日 10時53分54秒 | キャリア支援
「よろしかったでしょうか」という言い方は社会人失格!
01月21日 11:20
プレジデントオンライン

「よろしかったでしょうか」という言い方は社会人失格!
『「きちんとしている」と言われる「話し方」の教科書』
(矢野 香著・プレジデント社)
(プレジデントオンライン)
PRESIDENT Online スペシャル/PRESIDENT BOOKS 掲載


入社3年以内に大きな差がつき、
将来の道が分かれる時代になった。
こんな時代だからこそ「きちんとしている」と、
ミドルクラスだけでなく、エグゼクティブ、
トップ層に評価されることの重要性が年々高まってきている。
では、“きちんとしている”“できる社員”と言われるための
最低限のポイントは何だろうか。
エグゼクティブ、トップ層向け「スピーチコンサルタント」として活躍する
元NHKキャスター17年のキャリアを持つ矢野香。
「信頼を勝ち取る」話し方、
行動の仕方を5回にわたってお届けする。

「バイト敬語」によくある間違いとは
社会人になりたての人は、
基本的な話し方のスキルを身につける必要があります。
なかでも重要なのは、敬語のスキルです。
新入社員は誰でも、敬語を使わなければいけないということは知っています。
「えっ、会社では敬語を使わないといけないんですか?」
と言う人はいません。ですが、
敬語だと思って使っている言葉が間違っていることが多いのです。

よくある間違いが、バイト敬語です。
「よろしかったでしょうか」「こちらが資料の方になります」など。
本人は丁寧な言い方だと思って使っているけれど、
日本語として間違っている敬語があります。
このような、アルバイトで習ってしまった誤った敬語を、
バイト敬語と呼びます。

バイト敬語以外で間違って覚えている人が多い敬語には、
二重敬語があります。
「お越しになられる」といったものです。
これらは、避けたいものです。

大学で学生と話していると、学生がよく間違っているのは、
「れる」「られる」を付ければすべて敬語になると思っていることです。
たとえば、彼らは「先生、今日の午後は研究室におられますか?」
と言うのです。「いらっしゃいますか」という言い方を知らないようです。
言い換えを学ぶのが面倒なので、
すべて「れる」「られる」で
済ませてしまおうとするのかもしれません。

学生のうちは「れる」「られる」を付けるだけでも通用するかもしれませんが、
社会人になったなら、敬語の言い換えを学んでください。
言い換えができるだけで、きちんと
敬語は話せる人だと思ってもらえます。

では、どのように敬語を学べばいいかというと、
ロールモデルを見つけてマネすることです。
ロールモデルは、同じ職場の先輩や、
課長や部長でもいいでしょう。

日本語の勉強と思うと嫌になってしまうかもしれませんが、
職場でよく使う言葉をマネして覚えるだけなら難しくないはずです。
敬語は英語のように、「敬語」という
別の言葉を習得するつもりで聞いて覚えること。

正しい話し方をなるべく早く身につけるには、
同行させてもらえるものは全部同行させてもらって、
観察することです。
アポを取るときはこういう言い方をするのか、
とか、商談のときはこいのような言い方をするのか、
とか、英会話と同じように慣れていくことです。

× よろしかったでしょうか → ○ よろしいでしょうか
× こちらが資料の方になります → ○ こちらが資料です
× おられますか? → ○ いらっしゃいますか

----------

[きちんと会話のルール]敬語は、英会話と同じように慣れることが大切
----------

※本記事は書籍
『「きちんとしている」と言われる「話し方」の教科書』
(矢野 香著・プレジデント社)からの抜粋です。

(スピーチコンサルタント 矢野香=文)

http://news.goo.ne.jp/article/president/bizskills/president_17137.html

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DeNA創業者 南場智子のDNA 私の仕事哲学

2016年02月04日 14時33分50秒 | キャリア支援
DeNA創業者
南場智子のDNA 私の仕事哲学 
~『不格好経営』のその後~




世界的な経営コンサルティング会社で圧倒的な成果を出し、
起業した会社をわずか9年弱で東京証券取引所1部に上場させ、
現在は遺伝子検査サービスの普及に、果敢に挑む。
さぞドライな人柄だろうと思いきや、
著書で明かされた通り、素顔はチャーミング──。
当代きっての女性名経営者が、
すべてのビジネスパーソンに自筆のエールを送ります。

初出:『日経ビジネスアソシエ』 2015年8月号
第1回 「給料をもらって仕事をしている自覚がないのか」

入社1年目の社員を集め、
1人ずつ自分の1年を振り返ってもらったことがあります。
1人の女性社員が「こんな仕事を任されて
モチベーションが上がり、その後
こんなことでモチベーションが下がり...」
と自身のモチベーションの変遷を発表しました。
我慢して最後まで聞いていた私に
「給料をもらって仕事をしている自覚がないのか」
と厳しく問われ、後で泣いていたようです。

その後その社員はまぶしいほどたくましく成長しましたが、
「モチベーション」という言葉を
若い人から聞くたびに違和感を覚えます。
もちろん体調やパーソナルな事情で、
仕事に向けてテンションを上げにくい時もあるでしょう。
でもそれは口にしてはいけないことではないでしょうか。
打席に入ったプロ野球の選手が、
「今日はモチベーションが上がらないなぁ。打つ気が起きない...」
などと言ったらプロ野球人生は終わりです。
ビジネスパーソンもほかの職業も、
報酬をもらっている以上、その厳しさを持つべきと考えます。
これがプロフェッショナリズムの基本です。

マネジメントとなると、
もう少し現実的なアプローチが必要となります。
なんだかんだ言って、モチベーションの高いチームの方が、
低いチームよりも成果を出しやすいのが現実です。
リーダーは、チームの士気を高めて
成果を出していかなければなりません。
ただ、個人に求められるスタンスとして、
私はこのプロフェッショナリズムの基本を
とても重視しています。

1999年に、私は日本一のネットオークションを作ろうと
DeNAを立ち上げました。ところが
失策に次ぐ失策で最後発の参入となり、
その後あらゆる作戦を全力で実施し他社を追いかけましたが、
〝ヤフオク〟だけは超えられず、
惨敗を喫したことは拙著『不格好経営』に書いた通りです。

その後この会社が沈んでしまわないように、
黒字化後はさらに発展するように、
成功の確率を1%でも高めるようにと、
次々と新しい事業を立ち上げました。

「よく途中で投げ出さなかったね。
どうやって気持ちを強く持ち続けたのか」
という質問を受けることが多いのですが、
正直そんなことを言っていられる立場ではなかったです。
とにかく責任を全うしなければという意識以外には何もなく、
事業一つひとつに個人的な思い入れがあるとか
ないとかに関係なく、全力を尽くしてきました。

このように「想い型」ではなく「責任感型」。
そう自分を分類しきっていた私に転機が訪れます。
ものすごい無責任退任をやらかしたのです。

上場企業の社長が自身の健康を理由に
退任したことは聞いたことがありますが、
家族の病気が理由というのは聞いた記憶がありません。
それぞれ何らかの個人的な事情を抱えつつ、
それを表に出さずに踏ん張っていらっしゃる。
そのキャパが私にはありませんでした。

2年間現場から退いたことで得たことも失ったこともありますが、
一番の大きな変化は、ヘルスケア事業に対する
とてつもなく強い「想い」が芽生えたことです。

健康なうちからリスクを予想して手を打つ社会を築こうと、
復帰後まずは遺伝子検査サービス「MYCODE」を立ち上げました。

「想い」により突き動かされる事業リーダーがいいのか、
冷静な責任感型がいいのか、単純な答えはないと思います。
事実、この事業はまだ成功とは言えない状態です。
それに私自身、以前と異なる姿勢で仕事をしているわけではなく、
プロフェッショナリズムについては、
これまでと同じ厳しい水準を持って仕事に臨んでいます。

ただ、この年にして「これが私のライフワークになるのかな」
と思える事業に出会えたのは幸せでした。
この事業をやろうと社内で声がけをしたら、
同じように強い想いを持つメンバーが次々と集まってきました。
「想い」はマグネットのような働きをするのでしょうか。
そして人々の健康を扱う事業をするうえで、
こういった私たちの「志」は大切にしていきたいとも思っています。

前置きが長くなりました。
アソシエに連載を、と依頼された時、
あれこれアドバイスするのは好きではないので、
この想いのこもったMYCODE事業の立ち上げの
すったもんだを綴ってみようと考えました。
いろいろな主人公が登場します。
読者の皆さんが置かれたそれぞれの立場から、
何らかのメッセージを汲み取っていただけたら幸いです。

http://dena.com/jp/article/business/2016/01/14/002694/

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