「大学詣で」や雇用形態変更も…
企業の学生争奪
読売新聞
5月16日(金)17時58分配信
写真:建物の構造について、先輩社員(左)から説明を受ける椎名さん(左奥)らポラスの新入社員(埼玉県越谷市で)
景気回復を受けて大学生の就職率が94・4%と
3年連続で改善し、「売り手市場」に
なりつつある就職戦線。
建設や流通、外食業界などでは、
新規採用の目標数に満たなかった企業も多い。
来年3月卒では学生の“争奪戦”が
さらに厳しさを増すと見られ、
企業側は大学の説明会に参加したり、
研究室に足しげく通ったりするなど、
対策を迫られている。
「3社から内定をもらったが、
丁寧に相談に乗ってくれた会社に決めた。
新人教育が充実していて、やる気が出る」。
今春、東京都内の女子大を卒業し、
住宅メーカー「ポラス」(埼玉県越谷市)に就職した
椎名美結さん(23)は意欲を燃やす。
同社グループには今春、大卒約100人が
入社したが、採用目標人数を約2割下回った。
そのため、人材育成を強化し、
学生にアピールしようと、これまで担当者任せ
だった新人教育のマニュアルを作成。
入社後の研修も充実させた。
同社の石田茂人事部長は
「2020年の東京五輪を前に、
建設業界はどこも人が足りない」と語る。
来年3月卒の採用は「先行逃げ切り」を狙い、
前年より約2週間早い内々定をすでに出しているが、
大手企業に流れてしまうケースもあり、
楽観はできないという。
建築土木系の学科がある大学には、
大手ゼネコンから中小建設会社まで、
多くの企業が足を運んでいる。
日大工学部(福島県郡山市)が
昨年2月、今春卒の学生向けに開いた
就職セミナーには、前年より
50社以上多い556社が参加。
ロビーまで企業ブースがあふれた。
今年2月の来春卒向けセミナーでは、
さらに増えて738社に。持ち込まれる求人も、
3年前に比べて3割増えた。
就職指導の担当教授は
「訪ねて来る企業の数も、
回数も増えた」と驚く。
リクルートホールディングスが
今年2~3月に調査した来春卒の求人倍率は
1・61倍で、前年の1・28倍から急上昇した。
全業種で、求人数が2~3割増えているといい、
岡崎仁美・リクルートキャリア就職みらい研究所長は
「再来年3月卒からは、経団連のルール変更で
採用時期が繰り下げられる。
中小企業には一層厳しくなるだろう」と分析する。
流通、サービス業なども人手不足感が強く、
雇用形態の見直しを検討するところも出ている。
牛丼チェーン「すき家」を展開する
「ゼンショーホールディングス」(東京都港区)は、
今春の新入社員数が目標を約100人下回った。
今後は今年6月に全国7地域に分社を設立し、
地域ニーズに合った雇用を研究、募集していくという。
4月から基本給を1万円アップした
「王将フードサービス」(京都市)も、
新入社員が目標より2割足りなかった。
是枝秀紀人事部長は「給料さえ良ければ
人が集まるという時代ではなくなった。
調理に限定した正社員枠を設けるなど、
雇用を多様化しないと、人材が集まらない」
と話している。
最終更新:5月16日(金)17時58分
読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140516-00050110-yom-sociより
このような景気のいい話は、
都市圏(おもに東京周辺)の大学の話で、
地方の中堅以下の私立大学には
無縁の話のようだ。
記事によると理系の建築・土木の
学部・学科の話がでていたが、
地方の建設業者の場合、
採用および事業拡張に踏み出せない企業も多いと聞く。
この景気が一過性のものと見ているからだ。
経営者のマインドが消極的な地方にあっては、
学生の「売り手市場」とはいかないだろう。
まだまだ、冬の時代は続くが、
わたしたちは、首都圏に出て行くように就職指導をして、
‘キャリアをつんで、いずれ戻ってくれば’と説得するしかない。
企業の学生争奪
読売新聞
5月16日(金)17時58分配信
写真:建物の構造について、先輩社員(左)から説明を受ける椎名さん(左奥)らポラスの新入社員(埼玉県越谷市で)
景気回復を受けて大学生の就職率が94・4%と
3年連続で改善し、「売り手市場」に
なりつつある就職戦線。
建設や流通、外食業界などでは、
新規採用の目標数に満たなかった企業も多い。
来年3月卒では学生の“争奪戦”が
さらに厳しさを増すと見られ、
企業側は大学の説明会に参加したり、
研究室に足しげく通ったりするなど、
対策を迫られている。
「3社から内定をもらったが、
丁寧に相談に乗ってくれた会社に決めた。
新人教育が充実していて、やる気が出る」。
今春、東京都内の女子大を卒業し、
住宅メーカー「ポラス」(埼玉県越谷市)に就職した
椎名美結さん(23)は意欲を燃やす。
同社グループには今春、大卒約100人が
入社したが、採用目標人数を約2割下回った。
そのため、人材育成を強化し、
学生にアピールしようと、これまで担当者任せ
だった新人教育のマニュアルを作成。
入社後の研修も充実させた。
同社の石田茂人事部長は
「2020年の東京五輪を前に、
建設業界はどこも人が足りない」と語る。
来年3月卒の採用は「先行逃げ切り」を狙い、
前年より約2週間早い内々定をすでに出しているが、
大手企業に流れてしまうケースもあり、
楽観はできないという。
建築土木系の学科がある大学には、
大手ゼネコンから中小建設会社まで、
多くの企業が足を運んでいる。
日大工学部(福島県郡山市)が
昨年2月、今春卒の学生向けに開いた
就職セミナーには、前年より
50社以上多い556社が参加。
ロビーまで企業ブースがあふれた。
今年2月の来春卒向けセミナーでは、
さらに増えて738社に。持ち込まれる求人も、
3年前に比べて3割増えた。
就職指導の担当教授は
「訪ねて来る企業の数も、
回数も増えた」と驚く。
リクルートホールディングスが
今年2~3月に調査した来春卒の求人倍率は
1・61倍で、前年の1・28倍から急上昇した。
全業種で、求人数が2~3割増えているといい、
岡崎仁美・リクルートキャリア就職みらい研究所長は
「再来年3月卒からは、経団連のルール変更で
採用時期が繰り下げられる。
中小企業には一層厳しくなるだろう」と分析する。
流通、サービス業なども人手不足感が強く、
雇用形態の見直しを検討するところも出ている。
牛丼チェーン「すき家」を展開する
「ゼンショーホールディングス」(東京都港区)は、
今春の新入社員数が目標を約100人下回った。
今後は今年6月に全国7地域に分社を設立し、
地域ニーズに合った雇用を研究、募集していくという。
4月から基本給を1万円アップした
「王将フードサービス」(京都市)も、
新入社員が目標より2割足りなかった。
是枝秀紀人事部長は「給料さえ良ければ
人が集まるという時代ではなくなった。
調理に限定した正社員枠を設けるなど、
雇用を多様化しないと、人材が集まらない」
と話している。
最終更新:5月16日(金)17時58分
読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140516-00050110-yom-sociより
このような景気のいい話は、
都市圏(おもに東京周辺)の大学の話で、
地方の中堅以下の私立大学には
無縁の話のようだ。
記事によると理系の建築・土木の
学部・学科の話がでていたが、
地方の建設業者の場合、
採用および事業拡張に踏み出せない企業も多いと聞く。
この景気が一過性のものと見ているからだ。
経営者のマインドが消極的な地方にあっては、
学生の「売り手市場」とはいかないだろう。
まだまだ、冬の時代は続くが、
わたしたちは、首都圏に出て行くように就職指導をして、
‘キャリアをつんで、いずれ戻ってくれば’と説得するしかない。