コーヒー各社乱戦 高価格、コラボ店舗…
コンビニと差別化加速
フジサンケイビジネスアイ
2014年5月10日(土)08:21
表:国内のコーヒー消費量
1杯1000円近い高価格帯のこだわりコーヒーを提供したり、
別の業態とコラボレーションする新たな取り組みが
コーヒーチェーンなどで活発化している。
低価格を武器とするコンビニエンスストアの
いれたてコーヒーが爆発的にヒットする中、
差別化を図る動きだ。コーヒーの国内消費量は
現在、中学生以上が1人当たり1週間に平均で
10杯強を飲む計算だが、それをもう1杯増やそうと
各社の乱戦がさらに激しさを増してきた。
1杯800円超の「ハワイコナ」のコーヒーは、
通常のスターバックスコーヒー店とは違い、
手でお湯を差し入れるハンドドリップ方式で
丁寧にいれられる。東京・二子玉川の住宅街の外れにある
「インスパイアード バイ スターバックス」は
メニューとともに雰囲気も通常のスタバ店舗とは異なり、
大きな窓で開放的な店内は明るく、
テラス席もある。おなじみのダークグリーンの看板もない。
機械で抽出するコーヒーも限られた店舗にしか導入されていない
最新鋭のコーヒーマシンが使用され、
エスプレッソは豆を選ぶこともできる。
価格は400~500円程度からと若干高めの印象だが、
「特に高く設定しているのではなく、扱っているものが違う」
(スターバックスコーヒージャパン広報)ためだ。
オフィス街や繁華街の従来店舗と異なり
「近隣住民にくつろげる空間を提供する」というコンセプトで
住宅街に出店するインスパイアードは
都内で3店舗に増え、人気を集めている。
タリーズコーヒージャパンは今年2月、
東京・表参道にオープンした旗艦店に産地別のコーヒーを
専門のアドバイザーが客の好みを聞きながら提供する
「シングルオリジン」カウンターを設置した。
1杯580~800円と高めだが、
「1杯当たりの豆の量は他店の倍以上。
生産者の情熱を感じてほしい」(同社広報)。
来客数も順調に伸び、同様の店舗を増やす検討も進めているという。
コーヒー卸大手のキーコーヒーは4月、
3種類の新コンセプト店を一気に開店した。
川崎市・武蔵小杉にはチョコレートケーキなどで有名な
「トップス」と、独自のコーヒー豆熟成方法
“氷温熟成”をネルドリップで提供する
キーズカフェのコラボ店「キーズカフェ トップス」の
1号店をオープンした。
また、キーコーヒー傘下のイタリア料理チェーン、
イタリアントマトによる新業態カフェ「ファリ・ブール」の初の
店舗を東京駅八重洲地下街にオープン。
ハンドドリップコーヒーにキッシュや
タルトを豊富に取りそろえた。カナダ発のカフェ
「ブレンズコーヒー」のフランチャイズ展開に向けた
モデル店もグループ会社が東京・田町に出店。
エスプレッソの表面にミルクで絵を描く
“ラテアート”の模様を客に合わせて作るのが特徴だ。
キーコーヒーの小沢信宏取締役は
「グループの飲食ノウハウやリソースを有効活用し、
他企業のブランドとの連携で価値を高めることができる」と、
同様の店舗を拡充する方針を示す。
コンビニコーヒーの躍進もあり、コーヒーの国内消費量は
13年に前年比4.3%増の約44万6,000トンと
過去最高を記録。帝国データバンクによると喫茶店を経営する全国1,097社の
12年度の売上高合計は前年度比4.3%増と2年連続で伸びた。
「業種・業態の垣根を越え、さまざまな場所で
コーヒーが提供され、飲用する機会が増えてきた」(小沢氏)
高価格帯のこだわりコーヒーやコラボ店舗などの増加も、
低価格コーヒーに対抗するというよりは、
「国民的飲料になってきた」(業界関係者)という
コーヒー人気の高まりを機に、
新たな提案で一層の需要を開拓しようという各社の思惑が強い。
増えたといっても日本人のコーヒー消費量は
1人当たり年間3キロ強で欧米よりも大幅に少なく、
需要拡大の余地は大きい。
米国では、コーヒー豆の産地やいれ方に徹底的にこだわる
「サードウエーブコーヒー」の台頭が著しい。
その筆頭格で、グーグル傘下のベンチャーキャピタルなどが出資する
「ブルーボトルコーヒー」が近く東京に進出する見通しだ。
焙煎(ばいせん)所を併設し、焙煎したてのコーヒーを提供する
こだわりぶりで、業界では「黒船襲来」ともささやかれる。
次々と新たな刺激が加わる競争を通じ、
コーヒー市場の拡大は当面続きそうだ。
(池誠二郎)
http://news.goo.ne.jp/article/businessi/business/fbi20140509000.htmlより
コンビニと差別化加速
フジサンケイビジネスアイ
2014年5月10日(土)08:21
表:国内のコーヒー消費量
1杯1000円近い高価格帯のこだわりコーヒーを提供したり、
別の業態とコラボレーションする新たな取り組みが
コーヒーチェーンなどで活発化している。
低価格を武器とするコンビニエンスストアの
いれたてコーヒーが爆発的にヒットする中、
差別化を図る動きだ。コーヒーの国内消費量は
現在、中学生以上が1人当たり1週間に平均で
10杯強を飲む計算だが、それをもう1杯増やそうと
各社の乱戦がさらに激しさを増してきた。
1杯800円超の「ハワイコナ」のコーヒーは、
通常のスターバックスコーヒー店とは違い、
手でお湯を差し入れるハンドドリップ方式で
丁寧にいれられる。東京・二子玉川の住宅街の外れにある
「インスパイアード バイ スターバックス」は
メニューとともに雰囲気も通常のスタバ店舗とは異なり、
大きな窓で開放的な店内は明るく、
テラス席もある。おなじみのダークグリーンの看板もない。
機械で抽出するコーヒーも限られた店舗にしか導入されていない
最新鋭のコーヒーマシンが使用され、
エスプレッソは豆を選ぶこともできる。
価格は400~500円程度からと若干高めの印象だが、
「特に高く設定しているのではなく、扱っているものが違う」
(スターバックスコーヒージャパン広報)ためだ。
オフィス街や繁華街の従来店舗と異なり
「近隣住民にくつろげる空間を提供する」というコンセプトで
住宅街に出店するインスパイアードは
都内で3店舗に増え、人気を集めている。
タリーズコーヒージャパンは今年2月、
東京・表参道にオープンした旗艦店に産地別のコーヒーを
専門のアドバイザーが客の好みを聞きながら提供する
「シングルオリジン」カウンターを設置した。
1杯580~800円と高めだが、
「1杯当たりの豆の量は他店の倍以上。
生産者の情熱を感じてほしい」(同社広報)。
来客数も順調に伸び、同様の店舗を増やす検討も進めているという。
コーヒー卸大手のキーコーヒーは4月、
3種類の新コンセプト店を一気に開店した。
川崎市・武蔵小杉にはチョコレートケーキなどで有名な
「トップス」と、独自のコーヒー豆熟成方法
“氷温熟成”をネルドリップで提供する
キーズカフェのコラボ店「キーズカフェ トップス」の
1号店をオープンした。
また、キーコーヒー傘下のイタリア料理チェーン、
イタリアントマトによる新業態カフェ「ファリ・ブール」の初の
店舗を東京駅八重洲地下街にオープン。
ハンドドリップコーヒーにキッシュや
タルトを豊富に取りそろえた。カナダ発のカフェ
「ブレンズコーヒー」のフランチャイズ展開に向けた
モデル店もグループ会社が東京・田町に出店。
エスプレッソの表面にミルクで絵を描く
“ラテアート”の模様を客に合わせて作るのが特徴だ。
キーコーヒーの小沢信宏取締役は
「グループの飲食ノウハウやリソースを有効活用し、
他企業のブランドとの連携で価値を高めることができる」と、
同様の店舗を拡充する方針を示す。
コンビニコーヒーの躍進もあり、コーヒーの国内消費量は
13年に前年比4.3%増の約44万6,000トンと
過去最高を記録。帝国データバンクによると喫茶店を経営する全国1,097社の
12年度の売上高合計は前年度比4.3%増と2年連続で伸びた。
「業種・業態の垣根を越え、さまざまな場所で
コーヒーが提供され、飲用する機会が増えてきた」(小沢氏)
高価格帯のこだわりコーヒーやコラボ店舗などの増加も、
低価格コーヒーに対抗するというよりは、
「国民的飲料になってきた」(業界関係者)という
コーヒー人気の高まりを機に、
新たな提案で一層の需要を開拓しようという各社の思惑が強い。
増えたといっても日本人のコーヒー消費量は
1人当たり年間3キロ強で欧米よりも大幅に少なく、
需要拡大の余地は大きい。
米国では、コーヒー豆の産地やいれ方に徹底的にこだわる
「サードウエーブコーヒー」の台頭が著しい。
その筆頭格で、グーグル傘下のベンチャーキャピタルなどが出資する
「ブルーボトルコーヒー」が近く東京に進出する見通しだ。
焙煎(ばいせん)所を併設し、焙煎したてのコーヒーを提供する
こだわりぶりで、業界では「黒船襲来」ともささやかれる。
次々と新たな刺激が加わる競争を通じ、
コーヒー市場の拡大は当面続きそうだ。
(池誠二郎)
http://news.goo.ne.jp/article/businessi/business/fbi20140509000.htmlより