リストの晩年の曲です。 多くの人がリストに抱く高度な演奏技術を要する煌びやかなピアノ曲とは印象が全く違って、削ぎ落とされて深く暗く、調性もなくなりかけて無調音楽に向かっていきます。
1883年の2月、ヴェネツィアに旅行中だったワーグナーが、リストの娘でワグナーの妻だったコジマに看取られてパラッツォ・ヴェンドラミン・カレルギで亡くなりました。 この曲はリストがその少し前に彼に招かれてパラッツォ・ヴェンドラミン・カレルギに滞在したときに書かれた、ワグナーの死を予感した作品とも言われています。
パラッツォ・ヴェンドラミン・カレルギは今でも大運河のほとりにあり、カジノで有名ですが、一部はワーグナー博物館になっているそうです。
テルミンで弾きやすいとは言い難い曲で音程も難しいのですが、どうしても弾きたくなったのが昨年の後半でした。
まずはピアノパートの打ち込みに時間がかかり、テルミンを練習し始めてからもだいぶん長いことかかりました。
もっと受け入れられやすい曲をどこからかカラオケを借りて来てどんどん弾いていけばこんな苦労はしなくてもいいのだろうとは思いますが、それはわたしのやりたいことではないのかなあと思っています。
気の済むまで曲をなでくり回して、やがては自分のものになる(おこがましいのですが)という感覚です。
ホームレコーディングだけに徹する4年間で、よりいっそう内向きになっているのかなとは思いますけれど。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます