夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『パリ、ただよう花』

2014年02月01日 | 映画(は行)
『パリ、ただよう花』(原題:Love and Bruises)
監督:ロウ・イエ
出演:コリーヌ・ヤン,タハール・ラヒム,ジャリル・レスペール,
   ヴァンサン・ロティエ,チャン・ソンウェン他

前述の『アイム・ソー・エキサイテッド!』のあと、
同じくテアトル梅田の、同じスクリーンの同じ席にて。
最後列の出入り口寄り、端っこの席です。

テアトル梅田では昨日にて終映、フランス/中国作品です。
『天安門、恋人たち』(2006)が中国では上映禁止となり、
そのせいで映画を撮ることすら禁じられていたのに、ゲリラ撮影に挑んで、
『スプリング・フィーバー』(2009)を制作したロウ・イエ監督。

そんなイエ監督の作品は、荒んだ風が吹くようで、
キム・ギドク監督の作品を思い出しますが、
力強さを感じる点で、私はギドク監督のほうが好きだなぁ。

北京からパリにやってきた中国人留学生のホア(漢字で書くと「花」)。
つきあっていたフランス語教師を追ってきたのに速攻でフラれ、
泣いてすがるも相手の別れの意志は強固。
呆然としながら街を歩いていると、建設現場で働くマチューと出会う。
強引に押し倒されて、以後も会うように。

ふたりが生きてきた文化もちがえば、受けてきた教育も異なる。
肉体関係から始まったと言っていいふたりだったが、
やがてマチューは激しい嫉妬に駆られ、ホアを束縛しようとする。
マチューに唐突にプロポーズされたホアは戸惑い……。

原作は『裸』というインターネット小説なのだそうです。
どこにも共感できるところはなくて、ただただツライ。

ネタバレですが、このマチューというのがどうしようもない男。
自分の友人にホアを誘わせた結果、ホアは負傷して帰宅。
ホアが友人にヤラせるかどうか賭けていたとのたまう阿呆。
逆ギレして殴るのは日常茶飯、きわめつけは妻子持ちでしたと。

そんな男からアバズレ呼ばわりされても愛していると言うホア。
別れる別れないをくり返しているふたりを見ているのはしんどくて。
ホアもマチューひとすじというわけではなく、
パリで部屋を提供してくれた友人や北京の元カレとヤリまくりだし。

唯一、元カレの言葉だけが胸を突きました。
喧嘩して彼女が出て行ったときに、腹を立てて追いかけなかったことを悔やみ、
彼女が幸せになりますようにとそればかり祈っていたという。

あなたたち、お互いといるときの自分のことが嫌いでしょ。
自分のことが嫌いなときの恋は続かないんだってば、と思ったりして。

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