夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『二流小説家 シリアリスト』

2013年06月28日 | 映画(な行)
『二流小説家 シリアリスト』
監督:猪崎宣昭
出演:上川隆也,片瀬那奈,平山あや,小池里奈,賀来千香子,でんでん,
   高橋惠子,戸田恵子,本田博太郎,伊武雅刀,武田真治他

前述の『言の葉の庭』とハシゴ。
平日23:00終映の回を観るのは翌日の体調に差し障りがありそうでツライですが、
夜な夜な映画を観に行けるのもしばらくお預けになるため、ここは気合いで。

ところで、先月、「ひさしぶりに読んだ海外ミステリー」を書いたところ、
アラ還のお姉様がジェフリー・ディーヴァーの本を数冊、
そして本作の原作本を送ってきてくださいました。
前者にはまだ手をつけていませんが、これは映画を観る前に読もうかと。

なにせ鬼門(笑)の『このミス』ランキング1位作品です。
しかも本作については原作が海外ミステリーだというのに日本人キャストで映画化。
茶番になりそうな雰囲気がアリアリですが、
もしかすると『このミス』については読んでから観るべきなのではという気がして。

書きたいものだけでは身が立てられず、
アダルト雑誌の官能小説でなんとかやりくりしている小説家の赤羽一兵(上川隆也)。
以前には母の旧姓と写真を借りてヴァンパイア小説を書いたこともある。
(なぜかヴァンパイア小説は女性作家でなければ売れないらしい。)
家賃も思うように払えず、おじの好意に甘えて家を借りている。
姪の亜衣(小池里奈)がしょっちゅうやってきては、「二流小説家」とからかう。

そんなある日、拘置所から一通の手紙が届く。
差出人は呉井大悟(武田真治)、12年前の連続猟奇殺人の犯人で、死刑判決を受けた男。
これまで事件についてまったく語ろうとしなかった呉井が、
なぜか二流小説家の自分を指名、告白本を執筆してほしいと言う。

世間を騒がせた男を独占取材して告白本を出版するとなれば、
一流小説家への道が開かれるにちがいない。
そう考えた一兵が拘置所へ面会に出向くと、呉井は条件を提示する。
呉井にファンレターを寄越した女性3人に一兵が会いに行き、
彼女たちと呉井を主人公に仕立てた官能小説を書いてくれれば、
告白本の出版を許可するというのだ。

12年前の事件の遺族らは、一兵の執筆に断固反対。
事件の担当者だった刑事の町田(伊武雅刀)もやってきて、やめておけと忠告するが、
元カノ(黒谷友香)に偶然再会した一兵は、いい格好をしたくて引き受けてしまう。

ところが、呉井が選んだ女性3人に会いに行った直後、
その3人が次々と惨殺される。しかも12年前とまったく同じ手口で。
呉井の無実を信じる女性弁護士の前田礼子(高橋惠子)は、
真犯人はほかにいるはずだとして死刑判決に待ったをかけるのだが……。

非常に読み応えのある原作で、それを全部詰め込もうとすると無理があります。
原作に忠実であろうとした頑張りは窺えるので、読んでからだと楽しめる点はたくさん。
ただ、死刑執行のシーンなど、見せなくてもいいものも見せすぎの感。
なんというのか、そのせいで品がなくなってしまい、
わざわざ映画にしなくても、なんたらサスペンス劇場でよかったかなぁと。

呉井に関しては原作のイメージとはずいぶん違います。
原作ではずる賢くももっとシンプルな男だったのが、
血が美しいとか芸術的だとか熱弁をふるわれてもドン引きなのでした。

ま、でも、楽しかったです。
唖然呆然ともしなかったし、鬼門だった「このミス」、クリアということで。(^o^)

それにしても、48歳の上川隆也の母親役が51歳の賀来千香子って、
吉永小百合と仲村トオルのツーショット以上にアンマリじゃないでしょか。(^^;

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