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『日本以外全部沈没』

2007年01月27日 | 映画(な行)
『日本以外全部沈没』
監督:河崎実
出演:小橋賢児,柏原収史,松尾政寿,土肥美緒,寺田農,村野武範,藤岡弘、,
   ブレイク・クロフォード,キラ・ライチェブスカヤ,デルチャ・ミハエラ・ガブリエラ他

小松左京の『日本沈没』をパロった筒井康隆原作の小説を映画化。
人をナメているとしか思えないこのタイトルに、
企画があの叶井俊太郎氏とくれば、そそられるに決まってます。

2011年、天変地異が起こる。
まずアメリカ大陸が海の底へと沈む。
続いて中国大陸、ユーラシア大陸、アフリカ大陸が沈没。
数週間後、日本以外の陸地という陸地がすべて沈没。
難民となった外国人が世界中から日本へと押し寄せる。

アカデミー賞俳優もやってくるが、ちやほやされたのは最初だけ。
これだけ外国人が溢れては、外国人タレントの需要が下がり、
一生遊んで暮らせるほどあったはずのドル紙幣も今や価値なし。
ホームレス生活を余儀なくされる。
その妻の元人気女優は体を売って日銭を稼ぐが、
客からもらった「うまい棒」をめぐり、夫と大喧嘩。

彼女と同じく、外国人女性たちは街角に立って客を取るか、
日本人家庭で家政婦として働くしか生きるすべがない。
生活が保障されているのは日本人だけ。
各国の大統領や首相までも、日本の首相に媚びへつらうしかない。
どんどん傲慢になってゆく日本人に、外国人たちの反感は増す一方で……。

ヒドイです。原作者の筒井氏も特別出演されていますが、
いいんですか、こんなヒドイ作品に仕上がってて。
ものすごい低予算、短期間で撮られたそうですが、
だからってこんな作品を世に出してエエんかいなと思うぐらい、ヒドイ。
アカデミー賞俳優が過去の作品について
「あの作品に出演したのは人生の汚点だ」という台詞がありますが、
本作はまちがいなく出演者の汚点になると思われます。

ちょっとだけ興味を引かれたのは、寺田農演じる田所博士。
これはスタンリー・キューブリック監督作、
『博士の異常な愛情』(1964)のパロディーでしょうが、
これまた中途半端にパロっていて、単なるイカレたエロ親父となっています。

結局、本作で素晴らしかったのはタイトルだけ。
そのタイトルに騙されました。
久々に唖然呆然のシロモノでしたが、騙されたなぁと思うとき、
騙されてしまう自分を好きになれるのが超駄作のいいところ?

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