夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

ちょっと休憩。連合赤軍って……

2009年12月29日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
「今年観た映画50音順」も残すところ〈わ行〉のみとなったので、
ちょっと休憩いたしまして。

『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2007) を観ました。
昨年の公開映画ですが、劇場がごく限られていたのと、
190分という大長編であることから、
観るのを先延ばしにしてしまっていた作品です。

今年は今日までに291本の映画を観ましたが、
その中でいちばん体力も気力も消耗したのが本作かと。今もぐったり。

本作は、連合赤軍が、山岳ベースを経由して
あさま山荘へ至るまでの過程が描かれています。
あまりに強烈だったので、観たあとにウィキペディアなどで
連合赤軍について読みあさりました。

若松孝二監督渾身の一作で、
制作費を捻出するために監督の自宅を抵当に入れ、
撮影に使えば解体を余儀なくされるであろうことを覚悟のうえ、
別荘をあさま山荘として使用したそうです。
また、出演者に緊迫感を持たせるため、マネージャーの帯同禁止、
メイク等も俳優本人がおこなったそうな。

連合赤軍を美化しているとの批判もあったようですが、
私にしてみれば、これで美化かよ!?です。
いささかでも、理想を追求したこんな若者たちがいたんだと思えたら、
美化だと言えるのでしょうが、ただただ恐ろしいだけでした。
連合赤軍の2トップ、森恒夫と永田洋子にカリスマ性は感じられず、
彼らのやり方に疑問を抱く者が複数いたんだから、
みんなで抵抗すればなんちゅうことなかったのになぁなんて、
単純に思ってしまいます。

原田芳雄のナレーションにはしばしば救われました。
メンバーの説明を淡々とこなすだけのその声で落ち着けるというのか。
おかげで、連合赤軍のメンバーの名前をほとんど覚えてしまいましたけれど。

ところで、今月号の『映画秘宝』では、ゼロ年代(2000~2009年)のベストテンを特集しています。
その上位に顔を出している『オールド・ボーイ』(2003)と同じく、
この『実録・連合赤軍』は、「もう一度観たくはないけれど、
一度は観ておくべき作品」のような気がします。

一昨日から「自己批判」と「総括」という言葉が大嫌いになりました。
唯一人、いまだ逃亡中の連合赤軍メンバーが、
あさま山荘でクッキーをつまみ食いした坂東というのがなんだかなぁ。

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