夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ナイトクローラー』

2015年08月26日 | 映画(な行)
『ナイトクローラー』(原題:Nightcrawler)
監督:ダン・ギルロイ
出演:ジェイク・ギレンホール,レネ・ルッソ,リズ・アーメッド,ビル・パクストン他

この間の日曜日、高校3年のときの同級生たちと宴会。
高校卒業後25年が経つまでは一度も開催されなかった同窓会ですが、
以降はなんとなく毎夏集まるようになりました。
と言っても、このところはほぼ固定メンバーの10名程度。
メールアドレスがわかっている人全員に一応毎年知らせるものの、
出席であれ欠席であれ返事をくれる人は毎回同じ。
無視されるのは心が折れそうになりますが、最近は開き直り気味。(^^;

日曜日に宴席を設けたら、翌日からの仕事が気になる人が多いから、
昼宴会できるところをあちこちチェック。
梅田D.D.HOUSEの贔屓屋 北野阪急店ならば昼間でも飲み放題プランあり。
2時間3,100円のプランと3時間3,800円のプランで迷っていたら、
店長さんが裏技(?)を駆使して3,600円で3時間にしてくれるとおっしゃる。決まり!
15時半から3時間。長いかなぁと思ったけれど、あっというまでした。

この宴会が始まる前に映画を2本観たかったけれど、
例のごとく前日にアホほどお酒を飲んでいるため、早起きするのは断念。
せっかく出かけるのに1本だけなんてと思いつつも、
何が何でも観たかった本作をシネ・リーブル梅田にて。

ロサンゼルスで窃盗を働いて日銭を稼ぐ独身男ルイス。
盗んだフェンスを買い取ってくれる業者に持ち込み、
ついでに自分を雇ってほしいと言ってみるが、泥棒は要らないと一蹴される。

そんなある日、ルイスはたまたま交通事故現場に遭遇。
どこからともなく駆けつけた男たちが、ビデオカメラ片手に現場を撮影。
彼らは通称“ナイトクローラー”、ニュース映像専門のパパラッチだった。

誰よりもショッキングな映像を誰よりも早くカメラに収め、
すぐさまテレビ局に持ち込んで高値で売りつける。
その様子を目の当たりにしたルイスは、これこそ自分向きの仕事だと考える。
盗んだ自転車を売った金でビデオカメラと無線傍受器を入手。
助手にリックというホームレスの青年を雇うと、
見よう見まねでナイトクローラーとしての活動を開始するのだが……。

いや~、面白かった。

ジェイク・ギレンホール演じるルイスの不気味さと言ったら。
ビルドアップした肉体を披露している作品も多いですが、本作では「脱ぎ」なし、
やつれてギョロリと落ちくぼんだ目の、何を考えているかわからない男。
おそらく荒んだ暮らしをしてきたであろうことはその顔から察せられますが、
人生をあきらめたふうでもなく、野心がみなぎっています。
しかし、彼の口から発せられる言葉に、最初はこいつはバカなのか賢いのかと迷い、
途中からは彼の緻密な計画に乗せられて、その冷酷さに引き込まれます。

金になることなら何でもやる。こうでもしなきゃ辛い時代に生き残れない。
こんなにギラギラしていたら、もっと若いうちからなんとかなりそうなところ。
それともさんざん辛酸をなめているうちにこうなってしまったのか。
ものすごく嫌な話だけど、成功するための駆け引きのコツを皮肉に示しているようで、
非常に面白かったです。大満足。

女性ディレクター役のレネ・ルッソは、いつのまにか還暦を過ぎていたのですね。
本作のダン・ギルロイ監督の奥様だとは知りませんでした。
『リアル・スティール』(2011)の原案や『ボーン・レガシー』(2012)の脚本を書いている彼、
監督デビューは本作だそうで、56歳ながら今後が楽しみ。

余談ですが、茶屋町口から劇場へ向かう途中、新しくパン屋が開店しているのを発見。
なんと長年行きたくても行けなかった摂津富田の“ルート271”の支店ではないですか。
本作を観たあと、思わず列に並んでパンをいくつか購入。
同窓会にもパンを抱えて行くはめになってしまいました。でも嬉し。

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