夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『美女と野獣』

2017年05月02日 | 映画(は行)
『美女と野獣』(原題:Beauty and the Beast)
監督:ビル・コンドン
出演:エマ・ワトソン,ダン・スティーヴンス,ルーク・エヴァンス,
   ケヴィン・クライン,イアン・マッケラン,エマ・トンプソン他

TOHOシネマズ伊丹にて。
そうだわ、いつも伊丹で映画を観るときは、こうして休日の朝イチから出かけるか、
平日の終業後に向かうかのどちらかだったから、
10時を過ぎると付近がババ混みになるのを知らなかったんだわ。
この日も朝イチの回だから、全然混まず、駐車場ガラガラ。
出やすい位置を確保して、4階のTOHOシネマズのフロアへ。

ディズニーで育った世代でもないので、ディズニーに執着はありません。
親に連れて行ってもらう映画といえば“東映まんがまつり”でしたから。
それでもまぁ『101匹わんちゃん』などは記憶にはあるかなぁ。

余談ですが、親が連れて行ってくれた映画でもっとも印象に残っているのは
以前も書いたことがありますが、『失はれた地平線』(1937)です。
その次が『メリーゴーランド』(1974)、そして『ブラックホール』(1979)。
と思って調べたら、このしょぼしょぼだった『ブラックホール』って、
ディズニー製作の『海底二万哩』(1954)の宇宙版を狙っていたのだとか。
やはりディズニーには敵わないということですね。(^^;

そんな話はさておき、字幕版ながら小さいお子さん連れの親御さんいっぱい。
吹替版のほうは満席で、仕方なく字幕版という向きもあるようです。

イケメンだけど自己チューで傲慢な王子。
ある夜、情けを求めて城にやってきた老婆を嘲笑い追い返す。
途端に老婆は魔女となり、王子に呪いの魔法をかける。
外見に囚われて人間の内面を見ようとしない者はこうしてやると。
王子は毛むくじゃらの醜い野獣に。
仕えていた者たちも全員、城の家具や調度品へと姿を変えられてしまう。

それから時が経ち、王子の存在も城の存在も人びとから忘れ去られる。
王子は城に籠もったまま、調度品たちと過ごす日々。

一方、田舎の小さな村で父親モーリスと二人暮らしの女性ベルは、
村一番の美人と噂されてはいたが、
読書好きで進歩的な考えを持つ彼女に誰もついていけない。
ただの変人扱いされて悲嘆する娘をモーリスが元気づける。

ある日、モーリスは愛馬フィリップを駆って出かけるが、道に迷ってしまう。
狼に襲われかけて逃げ込んだ先には見知らぬ城が。
その周辺だけは季節外れにもほどがある雪が舞っている。
暖を求めて城内に入ったところ、ティーカップに話しかけられてびっくり。
慌てて退散するが、城の庭に咲くバラの花をベルへの土産にと一輪手折る。
それに気づいて激怒した王子は、モーリスを捕らえて監禁する。

帰らぬ父を心配して、フィリップの先導により城に辿り着いたベルは、
モーリスの身代わりとなって囚われの身となることを選ぶのだが……。

これを観に来ている客のほとんどがキャストに興味はないでしょうが、
のっけから私が可笑しかったのは、王子役のダン・スティーヴンス
ベルの来城に調度品たちが「ゲストやゲストや」と大喜びで歌いまくります。
ダン・スティーヴンスといえばちょっと面白かった『ザ・ゲスト』(2014)。
そのときは彼のほうがゲストで、一家を乗っ取る話でした。
最後は『シャイニング』(1980)ばりに怖かったから、
ゲストはアンタのほうやんかと誰にもわからないツッコミ(笑)。

ベルとの結婚を目論むナルシストにルーク・エヴァンス
調度品のうちのひとつ、コグスワースにイアン・マッケラン
おっ、ゲイ度が高いじゃないですかとウキウキしたりもして。

コグスワースと仲良しのルミエールにはユアン・マクレガー
ポット夫人のエマ・トンプソンのイギリス英語にはいつも心が和みます。

話としては何か目新しさがあるわけでもないのでこんなもの。
読む本に不自由することのなかった野獣と
読みたくても本を手に入れることが困難だった美女が
本を介して急接近するのは新しいといえば新しいけれど、
私にとってはキャストが楽しい1本でした。

しかし同じ『美女と野獣』でも、『美女と野獣』(2014)とはずいぶん趣がちがう。
お国柄なのかしらん。

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