夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ジュリエットからの手紙』

2011年06月09日 | 映画(さ行)
『ジュリエットからの手紙』(原題:Letters to Julie)
監督:ゲイリー・ウィニック
出演:アマンダ・セイフライド,クリストファー・イーガン,ガエル・ガルシア・ベルナル,
   フランコ・ネロ,ヴァネッサ・レッドグレーヴ他

これもシネ・リーブル梅田にて。

不朽の名作、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』。
ジュリエットの生家とされる屋敷がイタリアのヴェローナにあります。
ちっとも知らなかったのですが、世界各地から訪れた女性たちが、
恋の悩みを綴った手紙を屋敷の壁に貼りつけて帰るのだそうで。
そして、市のボランティア団体に所属する女性たちが、
手紙すべてに返事を書いているとのこと。これだけですでに素敵な話。

原題は邦題とは逆の“Letters to Juliet”です。

ニューヨークの大手雑誌社に勤めるソフィ。
誌面作りのうえでネタの真偽を確認調査するのが彼女の仕事。
しかし、本当は記者志望。

婚約者であるビクターは料理人で、もうじきイタリアンレストランを開店予定。
開店後は忙しいからと、イタリアのヴェローナへ婚前旅行へ。

ところが、到着すると、ビクターはワインにチーズにと食材探しに夢中。
ヴェローナにひとりで残ったソフィが、「ジュリエットの家」を訪れると、
観光客が引けたころに、壁の手紙を回収にきた女性の姿が。

ボランティアの女性たちと意気投合したソフィは、
偶然、壁の奥深くに押し込まれていた50年前の手紙をみつけ、
自分も返事を書かせてもらうことに。

すると、数日後に、返事を受け取った相手の孫だという男性が乗り込んできて……。

ソフィが返事を送った相手は、イギリス人女性のクレア。
彼女は50年前にヴェローナを訪れ、現地の男性ロレンツォと恋に落ちました。
しかし、結局クレアは約束をすっぽかし、
それを詫びたい一心で、ジュリエットに手紙を書いたのでした。

心に抑え込んできた想いでしたが、ソフィからの手紙がきっかけで、
クレアはどうしても、ロレンツォにもう一度会いたいと考えます。

こうして、70歳を過ぎてなお美しい上品なおばあちゃん、クレアと、
これはまたとないネタだと飛びつくソフィ。←ちゃんと最初に了解を得ます。
余計なことをしてくれるなと憤りながらもつきあう孫のチャーリー。
珍道中気味の3人のロレンツォ探しの旅に癒されます。

同姓同名のロレンツォが何十人もいて、
行く先々で人違いのロレンツォがクレアに熱い言葉をかけるのも傑作。
ロレンツォだらけのため、笑えるエンドロールにもご注目。

栗のリゾットをはじめ、やたら美味しそうなものが出てくるなぁと思ったら、
監督は『エイプリルの七面鳥』(2003)の製作者でもありました。
今年の2月に脳腫瘍のため、49歳の若さで他界されたとのこと。
遺作となってしまった本作をぜひ。

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