夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『七回死んだ男』と『恋はデジャ・ブ』(その2)

2009年01月27日 | 映画(番外編:映画と読み物)
『恋はデジャ・ブ』(1993)はアメリカの作品で、
主演のビル・マーレイは、本国では大人気のコメディ俳優。
日本ではいつまで経ってもマイナーですが、彼の出演作はどれも楽しい。
特に『恋はデジャ・ブ』はピカイチ。愛すべき作品です。
それが『七回死んだ男』のあとがきに登場します。
著者の西澤保彦氏は、『恋はデジャ・ブ』から着想を得たそうな。
『七回死んだ男』を読んだあと、再鑑賞しました。

ローカル局の気象予報士フィルは、
ペンシルヴェニア州の田舎町パンクスタウニーへ、
毎年2月2日におこなわれる聖燭節の祭りを取材するため、
女性プロデューサーのリタ、カメラマンのラリーとともにやって来ます。
冬眠中のウッドチャック(リス科の哺乳類)を引きずり出して
春の到来時期を占うというこの祭りに、住民は大盛り上がり。

しかし、フィルは、恒例の取材に嫌気がさしています。
エスプレッソもカプチーノも通じないようなド田舎で、
たいして親しくもなかったイケてない知人に声をかけられ、
物乞いにすがられて、水たまりに足をとられる。
こんな町からは一刻も早く出たいと、
投げやりに取材を終えるやいなや帰途につきますが、
吹雪で足止めを喰らって、もう1泊することに。

ところが、翌朝目覚めると、
ラジオから昨日聞いたのとそっくり同じフレーズ。
出会う人がフィルにかける言葉も、水たまりにはまるのも、
何から何まで昨日と同じ。

やがてフィルは、自分にだけ再び2月2日がやって来ていることを知ります。
そして、何夜眠ろうが、起きればまたもや2月2日。

悪夢のような体験だと思いつつ、
明日起きればまた今日なら、二日酔いもしない。
気に入った女性の趣向を徹底的に聞き出しておいて、
ナンパすることも可能。
現金輸送車の警備員にいつ隙が生まれるのかもわかるから、
大金の入った袋をくすねることもできます。

こうして、しばらくはあきらめて2月2日を過ごしますが、
町の住人全員の経歴を把握してもまだ終わらない2月2日。
いったいいつになったら2月3日はやって来るのか、
フィルは次第に焦り始め、自殺をも試みるようになります。
けれど、車ごと炎上しようが、教会のてっぺんから飛び降りようが、
翌朝は2月2日の自分。

『七回死んだ男』を読んだとき、『恋はデジャ・ブ』を観ていたがゆえ、
デジャ・ブ(既視感)というのか、懐かしさをおぼえました。

まとめきれなかったので、もう少し続けます。

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