国際結婚 ~アメリカ編~

Hubby との出会い、Fiance Visa & GC 取得のプロセス、結婚生活など綴っています。

【ラッキーだった子供(Paolo)】

2009年03月15日 | 恵まれない環境の子供達
私の仕事は幼稚園のような設定で子供のグループセラピーをする仕事です。



私の仕事場である The Children's Center (以下 TCC)にはいろんな環境の2歳~
7歳の子供達が通って来ます - 虐待(身体的・性的・ネグレクト)を受けた子供達、
親に捨てられた子供達、親がドラッグ中毒の子供達、妊娠中に母親がドラッグを使用
したために問題を抱えた子供達、親が躾け方を知らない子供達、自閉症や ADHD
(多動症)などの障害を持った子供達、家庭の問題でアグレッシブまたは閉鎖的な
子供達など本当に様々です。



国際結婚とは何の関係もありませんが、その中から私が過去に TCC で出会った
子供達の何人かをご紹介します。何不自由なく幸せに育ってきて、今も贅沢に
幸せに暮らしている私達が知らないところで、こんなに苦しい思いをしている
小さな子供達がいるんだという現実も知って欲しいのです。そして今の私達が
どんなに贅沢で幸せな暮らしをしているのかということを感じて下さると嬉しい
です。




過去にもいろいろと TCC の子供達について記事を書いていますのでお時間のある方、
興味のある方はこちらから是非読んでみて下さい。

ただ、とても酷い想像もできないような虐待の内容を含む場合もあり
ますので、不快に感じる可能性があると思われる方はお読みに
ならないでください。



ではここから先が今回のお話です↓↓


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いつも私の仕事場の子供達の話をご紹介する時には暗い内容ばかりなので、今日は
ポジティブなお話をご紹介しようと思います  



今日の主人公は Paolo (仮名)、ヒスパニックの4歳の男の子です。



Paolo は初めて私と元パートナーの Kyle のグループにやってきた時は、州の機関に
よって親から引き離された子供達を一時的に預かる、クリスマスボックスハウスという
グループホームのような施設から職員に連れられて通って来ていました。



彼は両親からネグレクトを受けていたため、年齢の割りには身体の発育が遅れていて
同じ年齢の子供達に比べてずい分小さな子供でした。



そして前述の通り彼はヒスパニックの子供でスペイン語も理解できたのですが、絶対に
スペイン語を使おうとはしませんでした。 Kyle や他のバイリンガルのセラピストが
スペイン語で話しかけると、「僕はスペイン語は話せないんだ」 と言いながらも全ての
質問を理解していてはいるのに、英語で正しく答えるのです。



今思えば、彼が当時スペイン語を話したがらなかったのはスペイン語を話すことによって
両親と一緒に暮らしていた頃の辛い過去や環境を思い出すことを避けたかったのかも
しれません。



英語を話したがらなかったこともそうですが、その他の面でも Paolo はそれはそれは
頑固者でした(笑)



自分がこうと決めてしたことを私達に注意されたり直されたりすると小さな身体全体を
力いっぱい使って泣きながらしつこく抵抗するのです。そして私達があきらめないと
わかると長時間ふさぎ込んでしまうのです。



暴力を使ったり、悪い言葉を言ったりするようなアグレッシブな子ではなかったので
そういう意味では大変ではありませんでしたが、ひとつのことを教えるのに時間が
かかって大変でした。周りの大人達と Paolo の頑固さにあきれて顔を見合わせては
苦笑いしたものです










さて、そんな Paolo があることをきっかけに全く反抗したり反発したり
しなくなった
のです。










それはある家族との出会いでした。










Paolo はクリスマスボックスハウスを出ると同時に、里親に実の妹と共に引き取られて
行ったのです。



里親には他の記事にも書いたようにいろんな人がいて、お金目当てで子供を引き受ける
人達や自分の意思で子供達を引き取ったにもかかわらず虐待するような人達も残念ながら
たくさんいます。

でもこの里親は Paolo のことを自分の子供と同じようにかわいがって大事にしてくれた
のです

持って生まれた頑固さは最後まで発揮してくれましたが (笑)、この新しい家庭に引き
取られてからは Paolo は別人のように素直ないい子に変わりました。



そしてグループ内でも家庭でも問題を起こさなくなったので TCC にいる必要もなくなり
先週私達のグループを卒業して行ったのです。










Paolo は近い内にこの里親の家庭に正式に養子として
引き取られる予定です。










たくさん何も変わらずに将来が心配なまま送り出すケースもある中、Paolo の将来は
心配していません。こんな嬉しいことはありません  本来ならばこれが当たり前の
事であるべきではあるんですけどね。


子供達の健康な心の発育には、血や遺伝などよりも環境がどれだけ大事かを教えられた
ケースでした。






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