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南英世の 「くろねこ日記」

大学で講義


 昨日、教員志望の大学生に講義をする機会を得た。教員として日頃心がけていることを「教育実践特講」として話してほしいという依頼であった。校務に支障が出ないように授業がない日に講義の日時を設定してもらい、休暇を取って出かけた。

 教室に入ると、もうすでに学生が待機していた。ほとんどは公民の教員免許取得を希望しているという。現職の教員(指導教諭)を前に、みんな興味津々の顔をしている。事前に、どんなことを聞きたいかという質問用紙が配られており、それに応える形で講義を進めた。聞きたいこととしてあげられていたのは次のような内容である。

・なぜ教員になったのか。
・人前に出ると緊張してうまく話ができないが、どうしたらいいか。
・政経の授業はすぐ眠くなる。おもしろくするためにどういう工夫をしたらいいか。
・指導教諭ってどんなことをするのか。
・学生時代にやっておいた方がいいことは?
 そのほか「給料はどのくらいか?」といったストレートな質問もあった。ほほえましい。

 本質を教えること、そのためには専門書をたくさん読むこと、覚えようとしないで考えることが大切であること、などを話した。学生が興味を持ちそうな題材を取り上げ、多くの写真も準備した。そうした努力もあってか、講義中、学生たちの痛いほどの視線が感じられた。全体としてはまずまず成功だった(ように思う)。


 講義が終わった後の感想からは、学生一人ひとりが何かをつかんでくれたことが読み取れてうれしかった。とくに、「面接の極意」を話したことについては多くの学生が大変参考になったと書いてくれていた。なかには「さすがスーパーティーチャー、おもしろかったです」と書いてくれた感想もあり、社会儀礼としてのお世辞の部分を割り引いたとしても、うれしかった。短時間ではあったが、持っているすべてをぶつけて講義を行った。

 夜は、学生たちとの懇親会があった。予想外に多くの学生が出席をしてくれた。もっと聞きたいことがあったのかもしれない。一人ひとり話してみると、実にいい子たちである。出身地は沖縄、京都、岡山、和歌山などいろいろである。学生たちの出身地にまつわる話をするのも楽しかった。久しぶりに学生たちと飲み交わし、30年ほど昔、大学に勤めていた時代に戻ったような気がした。こうした体験は高校では味わえない。
それにしても、今回の企画をし私を招いてくださったT先生の学生一人ひとりをグリップする力が素晴らしかった。見習わなければ。
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