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南英世の 「くろねこ日記」

空母の導入

空母化される護衛艦「いずも」


安倍内閣は5年ぶりに防衛大綱を見直し、空母の導入に踏み切った。
歴代内閣は、日本は専守防衛に徹するため憲法9条に違反する空母は保有しないことを国是としてきた。しかし、ついにここにきて空母を保有することを決定した。

思えば、1991年の湾岸戦争をきっかけに、自衛隊を海外に派遣し、じょじょに自衛隊の活動範囲を広げてきた。日本の有事でもないのにアメリカと軍事行動を共にできるようにし、地球の果てまで自衛隊を送り込めるようにした。2014年には集団的自衛権の行使を限定的ながら容認する閣議決定を行い、2015年にはそれに伴う安全保障関連法を成立させた。

この間の政府の安全保障政策を、私は「だるまさんが転んだ」という比喩で生徒に説明してきた。

「だるまさんが転んだ」

「だるまさんが転んだ」

国民が反発の声を上げないのをいいことに、少しずつ安全保障政策の舵を右に切る。最初はごくわずかな変化でも、鉄道の線路のポイントを切り替えるように、4半世紀もすればずいぶん憲法の精神からかけ離れたところまで来てしまった。そして、ついに空母の保有宣言である。

先日、空母を保有することを正当化するための防衛大臣の発言を聞いてオッたまげた。
なんと「災害派遣に有効」とのたもうたのである。
聞いた瞬間、わが耳を疑った。
いったい、戦闘機を載せてそれがどんな「災害派遣に有効」だというのか。
バカも休み休み言え。
それならば、もっと正々堂々と、いまの国際環境の下で攻撃型の空母の保有が「こうこうこういう理由で必要だ」と正直に言ったほうがなんぼかましだ。国民をバカにするのもいい加減にしてほしい。
でも、世論の反応を見ていると今ひとつ反対の盛り上がりに欠ける。新聞だけが空騒ぎしている感じを抱くのは私一人か。

「だるまさんが転んだ」

日本はまた一歩前に進んだ。
次は何を言い出すのやら・・・
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