南英世の 「くろねこ日記」

温暖化は人間の活動のせいか?

世はあげて、地球温暖化の原因は大気中の二酸化炭素の増加が原因だという。しかし、そのことを証明できる人間は、はたして地球上に何人いるのか? 

そんな疑問に一石を投じようとしたのが『気候変動の真実』(スティーブンE.クーニン著 日経BP 2022年7月第1版第3刷発行 定価 2420円)である。

著者は元カリフォルニア工科大学の副学長を務め、アメリカでもっとも著名な科学者の一人である。これだけの経歴がありながら、あえて「気候危機説は捏造だ」と主張したのは、科学がゆがめられ、政治利用されていることに我慢がならなかったからである。

この本の原題は

”Unsettled”(決着はついていない)

である。多くの科学者の研究が、政府やマスコミによって長い伝言ゲームのように捻じ曲げられて一般市民に伝えられている。本当に地球の温暖化が人間の活動によるものなのか。気候の専門家でさえ、マスコミの報道にいくぶん困惑していると著者は書いている。

地球温暖化問題が決着していないとする理由は以下のとおりである。

第一に、地球の温暖化が進んでいるといっても、本当にそれが人間の活動によるものなのか。CO2が原因だと言われているが、海流の影響はどうなのか? 気候に影響を与える最も大きな要因は雲であるが、それについて気候モデルはどういうふうに扱っているのか?

第二に、ハリケーンや竜巻、洪水、干ばつなどというとすぐ「異常気象」と結びつけて語られるが、過去の記録は質が悪く、さかのぼれる年数も短い。本当に異常と言えるのか?

第三に、そもそも気候は自然変動が大きい。海面上昇一つ取り上げても、過去40万年のなかで現在は完新世間氷期であり、これが始まった1万2000年前から海面はすでに約120m上昇している。問題は、この海面上昇に人間の活動がどれほど影響を与えているかである。


 さらに、過去5億年の中で考えると、CO2濃度が今よりもっともっと高かった時期があり、人間の影響は小さいと考えられる。

 

要するに、科学は気候の何十年後がどうなるかを予測するレベルには達していない。これが著者の言う結論である。

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