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南英世の 「くろねこ日記」

自民党総裁選と派閥

自民党には派閥がある。2001年の小泉内閣の「自民党をぶっ潰す」宣言で、だいぶ派閥の影響力は小さくなった。とはいえ、いまなお派閥は存在する。大きさ順に並べると次のとおりである。

 ① 細田派(94人)
 ② 麻生派(59人)
 ③ 竹下派(55人)
 ④ 岸田派(48人)
 ⑤ 二階派(44人)
 ⑥ 石破派(20人)

このうち、タカ派の代表は安倍首相のいる細田派(清和会)である。細田派は岸信介・鳩山一郎の流れをくむ保守の名門派閥である。岸は元皇学館大学総長を務めたこともあるということから、その思想は理解できよう。森喜朗もかつてはこの派閥に属した(当時は森派を名乗った)。

これに対して、ハト派の代表は岸田派(宏池会)である。自民党の中にあって、リベラルを看板とする。宏池会は、吉田茂の直系の弟子である池田勇人によって創設され、池田をはじめ大平正芳、鈴木善幸、宮澤喜一の首相を輩出した名門派閥である。

一方、田中角栄→竹下登→小渕恵三→橋本龍太郎の流れをくむのが、平成研究会で知られる竹下亘派である。この派閥も吉田茂に源流を持つ保守本流の名門派閥である。
このほか、2017年5月に少数派閥が合流し、59人に拡大した麻生派などがある。

自民党は55年体制の下で38年間政権を担当してきた。しかし、その中でハト派、タカ派、金権派など、毛色の違う派閥が交代で政権を担うことによって、派閥の中で実質的な政権交代を行なってきた。安倍内閣になってから、特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、安保関連法、共謀罪など右寄りの法律がかなり強引に作られてきた。

タカ派の次はハト派の出番と思いきや、岸田氏は9月の総裁選不出馬を表明してしまった。総裁選は安倍氏と石破氏の一騎打ちとなる模様だが、麻生派、二階堂派につづいて、岸田派も安倍三選支持を打ち出したことから、安倍氏が断然優位になった。
まあ、どっちが勝ってもタカ派色は同じだが・・・。いや、石破氏のほうがもっとタカ派かも。ちなみに小泉進次郎氏は無派閥を貫いている。
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