見出し画像

南英世の 「くろねこ日記」

女性天皇は是か非か

「これまでの125代におよぶ天皇のうち、約半分が「側室」(第2夫人、第3夫人など)の子と見られているという。戦後は側室という制度はない。過去400年間では側室の子どもではない天皇は109代の明正天皇、124代の昭和天皇、125代の前天皇(今の上皇陛下)の3人のみ」。

有識者会議の委員の一人だった古川貞二郎元官房副長官が以下のような言葉を述べている。
「私はね、不本意ながら、本当に日本の象徴天皇制は自然消滅するのね、そういう言葉は使いたくないけれど、そういう可能性が高いんじゃないかというふうに心配しますですね。これは。というのはお一人。いずれ悠仁親王殿下おひとりになられる。」

ここでは男系の伝統にこだわれば皇室が途絶えるのではないか、という視点から女性天皇問題が論じられている。しかし、「日本国民統合の象徴」である天皇に女性を認めないという女性蔑視の思想がある限り、日本社会における女性差別はなくならない、という視点もあってもいいのではないか。東大入学式における上野千鶴子氏の指摘を待つまでもなく、日本社会はまだまだ男性中心の考え方が強い。

その一方で、女性天皇を認めたとしても問題があることを指摘するのは、3年前に100歳でこの世を去った三笠宮崇仁親王である。
「女帝自体も大変だし、けれども今度は一般の人が配偶者になるということはこれは大変で、戦後、華族制度がなくなりまして、華族制度をなくすということは、いわば、天皇制の外堀を埋められたようなこと・・・。今になって考えますとね、だから女帝になっても、配偶者になる方がいないんじゃないかと思うんですね。今の日本人では・・・。
理屈では当然、女帝であってもしかるべきだけれども、 現実問題としては、果たしてそれがどうなるのか。女帝おひとりで終わっちゃうのも困りますしね、これはともかく大きな問題だと思いますね」。
慧眼である。

現在、世界で王室を持つ国は約27か国。
(ヨーロッパ)10か国
イギリス
オランダ
ベルギー
スペイン
デンマーク
ノルウェー
スウェーデン
モナコ
リヒテンシュタイン
ルクセンブルク大綱国

(中東)7か国
サウジアラビア
カタール
アラブ首長国連邦
クウェート
オマーン
バーレーン
ヨルダン

(アジア)7か国
日本、
タイ
マレーシア
カンボジア
ブルネイ
ブータン
トンガ

(アフリカ)3か国
モロッコ
スワジランド
レソト


憲法学的には、天皇の地位は「主権の存する日本国民の総意に基づく」とされている。つまり、国民の総意が認めれば廃止も可能としている。象徴天皇制といかに向きあうか。側室制度が認められない今、改めて考える必要がある。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日常の風景」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事