パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団
放送局:NHK/BS2 (放送終了)
放送日:2008年2月12日(火曜日)
時間 :午前10時55分~11時50分
<mimifukuから一言>
昨年の11月に来日したギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の、
演奏会の模様です。
場所は、
東京有楽町の国際フォーラムAホール。
5000席以上の客席を誇る巨大ホールで吹奏楽が奏でる音楽は、
どのようなものなのか?
実はこの11月3日の昼は、
東京でモーター・ショーを見に行ってた日で「ぴあ」でこのコンサートは、
当日券を売り出すとの情報を得ていたのですけど、
残念ながら行くことはできませんでした。
昨年の3月にNHK-FMで放送された、
1961年の日本公演(下記に資料あり)が耳に残っていて、
行きたかったのだけど幕張から有楽町までの距離が躊躇させ手しまいました。
でも、
放送の情報に嬉しいなのmimifukuでした。
<mimifuku的評説。>
第1曲目の「ローマの謝肉祭」は精彩の欠いた平板な演奏だったと思う。
大きな会場独特の現象で、
ホールの空調なのか観客の熱気がもたらす湿度不足なのか、
原因は分からないが大きなホールでは最初の20~30分位は、
音に伸びがなく聴こえる事があるがその感じなのだろうか?
第2曲目の「ダフニスとクロエ」は、
パントマイムのフルート・ソロのあたりから徐々に表現力が豊かになり、
模範となるような演奏だったと思う。
フランス人らしい?
決して“がなり立てることのない”演奏スタイルはギャルド流。
第3曲の「カルメン」のアルカラの竜騎兵は楽しく聴けた。
しかし有名な闘牛士(第一幕への前奏曲)は押さえすぎた演奏で、
バランスの悪いものに感じた(編曲が悪いのかも?)。
第4曲の「ボレロ」は各独奏者の技術力が遺憾なく発揮されていた。
ピッチの合わない部分もあったが吹奏楽での表現は興味深く聴けた。
ただし管楽器では音のユラギの表現が難しく、
オーケストラで表現される抑揚感が不足することは仕方のないことだろう。
吹奏楽と言うと“うるさい”といったイメージがあるが、
ギャルドのサウンドは抑制の取れた職人気質な演奏であったように思う。
1961年に来日した折に“絹のような滑らかさ”と表現されたサウンドは健在。
それと軍楽隊であるにもかかわらず多くの女性が在籍し、
ソロ・パートにも優れた演奏を聴かせてくれ時代の変遷を感じる演奏会だった。
【放送された曲目】
1. 序曲「ローマの謝肉祭」 作品9 ( ベルリオーズ作曲 /デュポン編曲 )
2. 「ダフニスとクロエ」 組曲 第2番 ( ラヴェル作曲 /ブラン編曲 )
3. 「カルメン」組曲 第1番 から
アラゴネーズ
アルカラの竜騎兵
間奏曲
闘牛士 ( ビゼー作曲 /デュポン編曲 )
4. ボレロ ( ラヴェル作曲 /デュポン編曲 )
吹奏楽 : パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団
指 揮 : フランソア・ブーランジェ
~ 収録:2007年11月3日, 東京国際フォーラム ホールA ~
*このコンサートに行かれた方のブログの紹介。
→ http://buglers-holiday.way-nifty.com/maya/2007/11/post_7872.html
→ http://nasso.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_c699.html
→ http://24hirofumi.at.webry.info/200711/article_3.html
【資料:ギャルド1961年東京公演】
1 序曲「ローマの謝肉祭」(作曲:ベルリオーズ)
2 ハンガリー狂詩曲第2番(作曲:リスト)
3 大空(作曲:須摩洋朔)
4 交響詩「はげ山の一夜」(作曲:ムソルグスキー)
5 交響詩「ローマの松」全曲(作曲:レスピーギ)
6 「アルルの女」組曲 第2番より(作曲:ビゼー)
<田園曲>
<間奏曲>
<ファランドール>
7 ボレロ(作曲:ラヴェル)
8 歌劇「ウィリアム・テル」序曲(作曲:ロッシーニ)
指揮:フランソワ・ジュリアン・ブラン少佐 (1,2,5,6,7,8)
:須摩洋朔 (3,4)
演奏:ギャルド・レプュブリケーヌ吹奏楽団
<1961年11月11日(土)東京文化会館でのライブ録音>
放送:NHK-FM 「今日は一日吹奏楽三昧」 (放送終了)
2007年3月21日(水・祝)午後1時~翌日午前1時
当事世界最高の吹奏楽団(軍楽隊)と言われた、
「ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団」が、
1961年に初来日した時の東京文化会館での演奏会の模様が放送された。
当時のギャルドの編成はサクソルン属と呼ばれる楽器が多くあり、
現在の編成とは異なっていた。
サクソロン属とはアドルフ・サックスが考案したリードで奏でる金管楽器郡で、
ソプラノ~コントラ・バス(高音~低音)までの領域に分かれている。
現在のギャルドの編成は木管楽器が主流のために、
オーケストラのアレンジ曲にかかるサックス群に対しての、
重要な役割は減ってきている。
また、
この時の来日時には日本全国でコンサートを開催。
11月12日には台東体育館で開催されていた、
全日本吹奏楽コンクール全国大会に出演し特別演奏を披露した。
この1961年の来日は、
その後の日本の吹奏楽のレベル向上に多大な影響を与えたと言われる。