カナダ・エクスプレス

多倫多(トロント)在住の癌の基礎研究を専門にする科学者の自由時間ブログです。

日系カナダ人

2005年09月18日 | カナダ
トロントには、日系二世、三世としてカナダに永住してきた親戚がいます。今夜は久しぶりにこの親戚の家によばれ、皆で楽しい夕食会をもちました。一番親しくしているのは、ほぼ同世代のゲーリー夫妻というのですが、彼は戦後生まれの三世ですから、日本語はまったく話しません。ただ、奥さんが結婚後にカナダに移住した日本人ですので、我々が日本語で会話しているとき、彼はどうも話しの内容を半分以上は理解しているようです。今日は、95歳になるゲーリーの叔父さんがバンクーバーからやって来られました。ゲーリーのお母さんやこの叔父さんの世代は、第二次大戦中には、家財はすべてカナダ政府に没収され、ブリティッシュ・コロンビアの山の中での収容キャンプ生活を送るという、過酷な経験をされています。このことはまず会話にはのぼりませんが、忘れられない記憶であることは間違いありません。また、戦前はバンクーバー近郊で漁業で生活をたてていたそうです。一世の多くの日本人は自分の子供たち特に長男を、初等教育のために日本へ送っていたという話しは聞いたことがあったのですが、このゲーリーの叔父さんも小学校から中学まで、日本で暮らしたとのことで、日本語が大変達者でした。戦後カナダで生まれ育った日系カナダ人の二世、三世の人たちは、日本の文化の影響を享受されてはいるものの、カナダを祖国としてその一市民であることを誇りに思って暮らしています。カナダ政府が戦争中に日系カナダ人に与えた迫害と同じ過ちを二度と起こさないことを願うとともに、そういう状況に世界が陥ることが決してあってはいけないと思います。世界中の人々がいろんな国を自由に行き来でき、人々が様々な文化に出会える平和のありがたさを尊ぶとともに、各地で繰り広げられているテロや戦闘状態を見聞きするにつけ、世界の平和を心から願わざるをえません。

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