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旅行大好きバサミのブ・ロ・グ

オルフェウスの窓

2009-07-25 07:28:25 | 本と雑誌

友達から借りたオルフェウスの窓18巻

確か、学生時代に夢中になって読んだよな

本当、またまた魅了されてしまいました

それも昔とはまた別の魅力を感じた

本当にすばらしい本だ

3回も読んだけれど、読むたびに新たな発見があった

20世紀初頭のレーゲンスブルクの音楽学校で知り合った3人の若者の運命を、第一次世界大戦やロシア革命という史実を織り交ぜながら描いてある。物語は大別すると4部構成になっており、物語の舞台もレーゲンスブルク→ウイーン→サンクト・ペテルブルク→レーゲンスブルクと目まぐるしく変転する。

ストーリー

第1部(1904~1905)

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母親の自分を捨てた男への復讐心のために、女の子であるにもかかわらず生れ落ちたその日から男として育てられたユリウスは、父親とすでに死去していた正妻との間に男の子が無かったため、生まれ育ったフランクフルトを離れ、15歳でレーゲンスブルクに、フォン・アーレンスマイヤ家の次期当主として実母ともども迎え入れられる。その邸が在るレーゲンスブルクの音楽学校(男子校)へ少女であることを隠し通う様になった彼女は、そこで同じ日に入学した奨学生のイザークや、どこかつかみどころのない不良学生ではあるがヴァイオリンの腕では教師からも一目おかれるクラウスと親しくなる。3人がそれぞれ出会った場所は、昔から学内でギリシャ神話のオルフェウスとエウリディケの悲恋の物語になぞらえた不思議な言い伝え(その窓にたった男性は階下を見下し最初に視界に入った女性と必ず恋に落ちるが、その恋は必ず悲劇に終るという)がまことしやかに言い伝えられる「オルフェウスの窓」と呼ばれる窓であった。

成長期を迎えたユリウスは、男に扮して周囲の目を欺くことで日々緊張を強いられる。そのような中で、ユリウスはどうなるか…。

第2部(1905~1919)

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周囲の期待を一身に受け、ウィーンの音楽学校に転校したイザーク。風変わりな学生・ラインハルトに翻弄され、また助けられながら、次第に自分の音楽を確立させていく。しかしラインハルトは義母と不倫の関係にあり、それを知った義母の連れ子ヴォルフガングに射殺されてしまう。

やがて、イザークは新進ピアニストとして華々しいデビューを飾り、順調に名声を高めていく。そんな折、イザークはロシアの新進バイオリニストアナスタシアと出会い、ウィーンの人々の間でも2人の関係が取りざたされるようになる。しかし実はアナスタシアはロシアの革命家の支援者で、海外公演を隠れ蓑として海外の同志との連絡役をつとめていた。一方、ひそかにウィーンへ渡り、陰ながらイザークを応援していた娼婦のロベルタは、アナスタシアが落としたメモを偶然拾ったためにスパイとして逮捕されてしまう。だがロベルタは、イザークとアナスタシアの幸福を考え、アナスタシアの罪をかぶろうとする。アナスタシアはどうすべきか悩むが、良心の呵責に耐えられず自ら警察に出頭。ロベルタは無実が明らかになり釈放されるが、アナスタシアはシベリア流刑となる。

ロベルタの自分を思う気持ちに感動したイザークは、周囲の反対を押し切ってロベルタと結婚する。しかし、生まれ育った環境や価値観の異なる二人は時を重ねるにつれすれ違うばかりだった。第1次世界大戦での敗北によって、オーストリア・ハンガリー帝国は崩壊し、新生オーストリアは急激なインフレーションに見舞われる。そんな折、イザークは指の酷使がたたって指が動かなくなってしまう。ピアニストとしては再起不能と診断され、イザークは自暴自棄になって急速に転落していく。ロベルタはイザークの手術代を捻出するために、偶然再会した昔のサロン仲間に身体を売り,そのことがイザークにばれて激しく責められるが、ロベルタは一言の弁明もせずにイザークの元を離れる。その後息子ユーベルを出産、危篤状態に陥ったロベルタは、彼女の友人の知らせを受けて飛んできたイザークと最期の言葉を交わし、そのまま息を引き取る。

傷心のイザークは心の故郷、レーゲンスブルクへと舞い戻る。そこで彼は、ロシアへと姿を消したはずのユリウスに再会する。

第3部(1905~1917)

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物語はいったん時をさかのぼり、アレクセイ・ミハイロフ(クラウスの本名)の幼少期、舞台はロシアへと移る。

仲間の裏切りによって革命家だった兄を失ったアレクセイは、兄の恋人であったアルラウネの熱心な教育を受けてメンシェビキの革命家となるが、レーニンの人柄やその思想に感化をうけ、ボリシェビキへと転向する。

そのころ、アレクセイを追ってドイツからやってきたユリウスがロシアへと足を踏み入れる。しかしお尋ね者のアレクセイの名を口にしたために、アレクセイを追うロシア陸軍の指導者の1人、ユスーポフ侯の館に軟禁されてしまう。

宮廷で権勢を振るうラスプーチンと対立したユスーポフ侯は、ラスプーチンの差し金で、不十分な装備での反乱軍討伐を命じられる。しかし持ち前の英知でユスーポフ侯は見事討伐に成功し、さらに反乱軍を支援していたアレクセイも逮捕され、シベリア流刑となった。アレクセイは、他の革命家たちとともに極寒のシベリアで長く厳しい年月を耐え忍ぶが、軍隊内に入り込んだ仲間のスパイの手引きでついに流刑地を脱走する。一方、事故で記憶喪失となってしまったユリウスはメンシェビキに拉致されるが、監禁場所から脱出したところでアレクセイと再会。ユリウスはかつてアレクセイを愛した記憶すら失くしていたが、2人は初めから愛を育みなおしていく。

やがてユリウスはアレクセイの子を身ごもるが、革命運動は急速な盛り上がりを見せており、妊娠中であるユリウスの身を案ずるアレクセイは自らの生家にユリウスを預ける。しかし、資産家の令嬢でアレクセイに横恋慕するシューラの陰謀によってユリウスがドイツのスパイであるというデマが流され、アレクセイの生家は激怒した民衆に襲撃される。アレクセイの祖母や召使たちは皆惨殺され、ユリウスのみがユスーポフ侯の部下に助け出される。

同じ頃にロマノフ王朝が崩壊、共和制の臨時政府が樹立される。しかし帝政復活を諦めきれないユスーポフ侯は、自分の息のかかった部隊を首都に進駐させるため、地下に潜行するアレクセイをおびき出すことを考える。そして実行された作戦は、ユリウスにとってあまりにも残酷なものだった。

第4部(1923)

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エピローグ。最愛のアレクセイを目の前で惨殺され、お腹の子も死産。あまりのショックで廃人同然となってドイツへ帰還したユリウスを、姉のマリア・バルバラは温かく迎える。ユリウスの記憶を取り戻しアーレンスマイヤ家の謎を解くため、マリア・バルバラは、失意の中一人息子とともにレーゲンスブルクに戻っていたイザークと、音楽学校時代にユリウスの上級生だったダーヴィトに協力を申し出る。3人が懸命にユリウスの記憶を呼び戻そうとする中、ユリウスを付け狙う影が…。

読み終わったあとに残った疑問

1. ユリウスの姉アナロッテは本当に死んだの?

2.アントンに連れ去られた子供はどうなったの?

3.イザークとその子ユーベルのその後?

結末はあまりにもかわいそうすぎる

また、クラウスの祖母の惨殺、たくさんの関係者の死など、何のための革命なのか、悲しくなった

2は番外編があるのがわかった。まだ読んでないが、ぜひとも読みたい

  かつてザイデルホーファー家に仕えていたアントンは恋したイングリットの息子   キースを連れ去り、ギーゼルと名乗らせ人目を忍び暮らしていた。ある日ギーゼルが使いで訪れた音楽学校はあの「オルフェウスの窓」がある、あの聖セバスチャン音楽学校だった。立ち入り禁止となっていた塔に興味本位で登ってしまったギーゼルは「窓」からある少女を見かけ、恋に落ちてしまう・・・あのレーゲンスブルクを舞台にまた悲劇の窓の伝説は幕をあけたのだった。(作画 宮本えりか)


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