「PAIN」 、直訳すると「痛み、傷み、苦しみ」となるのでしょうか?
"人の愚かしさと哀しさ"を、これでもかと、表現した
「夜会VOL.8 問う女」(1996)のテーマ曲。
以下は、本公演は観れなかったので、あくまで映像版を観ての感想と記述です。(映像版発売は、1997)
"人の愚かしさと哀しさ"って、「夜会」全ての裏テーマだと勝手に思ってるんですが、中でも一番ストレートにそれを表したのが、この「問う女」のような気がします。
「問う女」は、「夜会」の中で唯一リアルな日本の物語です。
神話や輪廻転生や二重人格などの非日常は、出てきません。
(ここから、完全ネタバレになります。
ご注意下さい。)
身も蓋もないまとめ方をすると、綾瀬まりあ(中島みゆき)というアナウンサーの愚かさが、結果的にタイ人のジャパユキさん"ニマンロクセンエン"(森上千絵)の命を奪ってしまうという物語だと、私は思っていました。
そのリアル(?)な愚かさ故に、「夜会」のなかで、一番苦手な演目でした。
デフォルメされた醜態が、痛々しくて、居心地悪くなるんです。
だから、DVD で買い直したのも一番最後で、包装したまま置いていました。
今回、DVD の封を切って、十何年か振に観賞しました。
観ながら、自分の記憶力のなさに、呆然。(*_*)
記憶違いや思い違いが、てんこ盛りで唖然。?(・_・;?
まず、"まりあ"と"ニマンロクセンエン"が、初対面でゴンドラに乗り込んだと思い込んでいました。
出逢いは、どしゃ降りの雨の中なんですね。
そう言えば、雨の中のロケシーンを見て、みゆきさん大変だなあと、思ったのを思い出しました。
この前にあった台風のシーンも、このどしゃ降りのシーンも、映像版に加わったロケシーンの過酷なこと、、、(^^;)
雨の中、男の裏切りで傷つき、したたかに酔った"まりあ"が、"ニマンロクセンエン"に
「私のそばにいてくんないかなあ?」
そう言って、金を払いホテルに連れてきてしまうんですが、このホテルのシーンが、記憶から抜け落ちてました。(--;)
下着姿の森上さんと、下着姿がチラッと見えるみゆきさん、お二人の身体を張った演技を忘れていたなんて、、、(^^;
シャワーを浴びて酔いが覚め、この状況にドギマギしながら、ドタバタするみゆきさんのコミカルな演技は、みものですね。
で、もうひとつ正直に書くと、今回、見直した時にも大きな思い違いをしていまして、このシーンで歌われる歌を歌詞を変えた
「PAIN」 だと思っていたんです。
しかし、ブログを書くのに、歌詞カードを良く見直せば、
「RAIN」
となっていました。
「PAIN」 と同じメロディ、同じ歌い出しですが、
『♪抗う水には 行く手は遠い
崩れる水には 岸は遠い』
の次は、
『♪見えるだろう、心の中には
決して必ずしも綺麗な花だけ咲きはしない』
となり、最後も
『♪ただ流され行く心に 言葉はいらない』
となります。
テレビを観て、はしゃいぎながら、歌う"まりあ"。
しかし、我に返り、我が身を見つめ直すように歌われる2番の
『♪心の中には
決して必ずしも綺麗な花だけ咲きはしない』
が、胸を打ちます。
「RAIN」の演技と歌唱は、見事だと思いました。
そして、歌いながら眠りにつく"まりあ"を、そっと撫でながら、片言で口ずさむ"ニマンロクセンエン"の優しさと最後に見せる哀しい表情に、胸を締め付けられました。
このシーンの"ニマンロクセンエン"の演技は、本当にお見事だと思います。
もうひとつ白状すると、"ニマンロクセンエン"を演じているのは、本物のタイ人女優さんだと思っておりました。(^^;
しかし、"ニマンロクセンエン"は、森上千絵さんという富良野塾出身の女優さんです。
ビデオで観た時は、みゆきさん以外ほとんど、注意して観てなかったんだなあと、つくづく思いました。(--;)
このシーンで、第1幕が閉じたようです。
(中島みゆき研究所様の記録を参照させていただきました)
自分の愚かな過ちに気付き、動揺して職場放棄をした、"まりあ"は、金を払って、"ニマンロクセンエン"を連れ出し、運命のゴンドラに乗り込みます。
(雪の中のロケに、半袖の森上さん、本当に過酷なロケだこと)
ゴンドラの中で、楽しげに歌われる
「あなたの言葉がわからない」
その曲名通り、中々通じない"言葉"。
"まりあ"は、言葉の通じないない"ニマンロクセンエン"に、自分の犯した過ちをぶちまけます。
そして、過ちをを証明する手紙を"ニマンロクセンエン"に読ませようとして、押し付けるんです。
しかし、字の解らない彼女はその手紙で鶴を折ってくれて、息子と写した写真を見せてくるのです。
心が通じあい、楽しげな二人。
しかし、一転、ゴンドラは事故を起こしてしまい、"ニマンロクセンエン"は、帰らぬ人となります。
この急展開に、最初ついていけなかったんですよね。
「2万6千円というお金は、あなたにとって大きなお金ですか?、些細なお金ですか?」
最後の放送で、事故のことを、"ニマンロクセンエン"のことを、HIV のことを必死で語る、"まりあ"の言葉が突き刺さってきます。
「言葉」について語る"まりあ"の言葉が、刺さります。
みゆきさんの演技が、胸に迫ります。
愛しげにハガキを抱きしめ、機材やスタジオを眺める"まりあ"。
職場から去る"まりあ"が、歌い上げる
「PAIN」 。
噛み締めるような歌い出しから、我が身を省みながら、ドラマチックに歌い上げていきます。
『♪誰からも傷つけられず
身を守るため傷つける』
後悔に打ちのめされながら、己の過ちを受け入れ、それに立ち向かう覚悟を込めた絶唱。
『♪ただ流され行く木の葉に つづられた言葉を』(問う女)
そして、決意を秘めた旅立ち。
苦手だと言いながら、胸と目頭が熱くなりました。
当たり前ですが、良かったです。
食わず嫌いというか、変な思い込みで、長い間見直さなかった、己の不明を恥じました。
スミマセンm(__)m。
みゆきさんの声といいながら、ほとんど「問う女」の感想になってしまいました。
最初、「月ーWINGS」 の
「PAIN」 について、書こうと思ったのですが、元々の「夜会」版も見とこうと、軽い気持ちで再生したんです。
しかし、自分の思い込み違いに気づくとともに、しっかりハマってしまいました。
「夜会」なので、当たり前と言えば、当たり前なんですが。
で、ひとまとめにして書いていたんですが、やたら長くなるので、二つにわけることにしました。
この次に、「PAIN」 (月ーWINGS)をUPします。
そちらも、お読み頂ければ、幸いです。
これだけでも、長々とお読み頂き、本当にありがとうございます。(^^)
では、また(^-^)
"人の愚かしさと哀しさ"を、これでもかと、表現した
「夜会VOL.8 問う女」(1996)のテーマ曲。
以下は、本公演は観れなかったので、あくまで映像版を観ての感想と記述です。(映像版発売は、1997)
"人の愚かしさと哀しさ"って、「夜会」全ての裏テーマだと勝手に思ってるんですが、中でも一番ストレートにそれを表したのが、この「問う女」のような気がします。
「問う女」は、「夜会」の中で唯一リアルな日本の物語です。
神話や輪廻転生や二重人格などの非日常は、出てきません。
(ここから、完全ネタバレになります。
ご注意下さい。)
身も蓋もないまとめ方をすると、綾瀬まりあ(中島みゆき)というアナウンサーの愚かさが、結果的にタイ人のジャパユキさん"ニマンロクセンエン"(森上千絵)の命を奪ってしまうという物語だと、私は思っていました。
そのリアル(?)な愚かさ故に、「夜会」のなかで、一番苦手な演目でした。
デフォルメされた醜態が、痛々しくて、居心地悪くなるんです。
だから、DVD で買い直したのも一番最後で、包装したまま置いていました。
今回、DVD の封を切って、十何年か振に観賞しました。
観ながら、自分の記憶力のなさに、呆然。(*_*)
記憶違いや思い違いが、てんこ盛りで唖然。?(・_・;?
まず、"まりあ"と"ニマンロクセンエン"が、初対面でゴンドラに乗り込んだと思い込んでいました。
出逢いは、どしゃ降りの雨の中なんですね。
そう言えば、雨の中のロケシーンを見て、みゆきさん大変だなあと、思ったのを思い出しました。
この前にあった台風のシーンも、このどしゃ降りのシーンも、映像版に加わったロケシーンの過酷なこと、、、(^^;)
雨の中、男の裏切りで傷つき、したたかに酔った"まりあ"が、"ニマンロクセンエン"に
「私のそばにいてくんないかなあ?」
そう言って、金を払いホテルに連れてきてしまうんですが、このホテルのシーンが、記憶から抜け落ちてました。(--;)
下着姿の森上さんと、下着姿がチラッと見えるみゆきさん、お二人の身体を張った演技を忘れていたなんて、、、(^^;
シャワーを浴びて酔いが覚め、この状況にドギマギしながら、ドタバタするみゆきさんのコミカルな演技は、みものですね。
で、もうひとつ正直に書くと、今回、見直した時にも大きな思い違いをしていまして、このシーンで歌われる歌を歌詞を変えた
「PAIN」 だと思っていたんです。
しかし、ブログを書くのに、歌詞カードを良く見直せば、
「RAIN」
となっていました。
「PAIN」 と同じメロディ、同じ歌い出しですが、
『♪抗う水には 行く手は遠い
崩れる水には 岸は遠い』
の次は、
『♪見えるだろう、心の中には
決して必ずしも綺麗な花だけ咲きはしない』
となり、最後も
『♪ただ流され行く心に 言葉はいらない』
となります。
テレビを観て、はしゃいぎながら、歌う"まりあ"。
しかし、我に返り、我が身を見つめ直すように歌われる2番の
『♪心の中には
決して必ずしも綺麗な花だけ咲きはしない』
が、胸を打ちます。
「RAIN」の演技と歌唱は、見事だと思いました。
そして、歌いながら眠りにつく"まりあ"を、そっと撫でながら、片言で口ずさむ"ニマンロクセンエン"の優しさと最後に見せる哀しい表情に、胸を締め付けられました。
このシーンの"ニマンロクセンエン"の演技は、本当にお見事だと思います。
もうひとつ白状すると、"ニマンロクセンエン"を演じているのは、本物のタイ人女優さんだと思っておりました。(^^;
しかし、"ニマンロクセンエン"は、森上千絵さんという富良野塾出身の女優さんです。
ビデオで観た時は、みゆきさん以外ほとんど、注意して観てなかったんだなあと、つくづく思いました。(--;)
このシーンで、第1幕が閉じたようです。
(中島みゆき研究所様の記録を参照させていただきました)
自分の愚かな過ちに気付き、動揺して職場放棄をした、"まりあ"は、金を払って、"ニマンロクセンエン"を連れ出し、運命のゴンドラに乗り込みます。
(雪の中のロケに、半袖の森上さん、本当に過酷なロケだこと)
ゴンドラの中で、楽しげに歌われる
「あなたの言葉がわからない」
その曲名通り、中々通じない"言葉"。
"まりあ"は、言葉の通じないない"ニマンロクセンエン"に、自分の犯した過ちをぶちまけます。
そして、過ちをを証明する手紙を"ニマンロクセンエン"に読ませようとして、押し付けるんです。
しかし、字の解らない彼女はその手紙で鶴を折ってくれて、息子と写した写真を見せてくるのです。
心が通じあい、楽しげな二人。
しかし、一転、ゴンドラは事故を起こしてしまい、"ニマンロクセンエン"は、帰らぬ人となります。
この急展開に、最初ついていけなかったんですよね。
「2万6千円というお金は、あなたにとって大きなお金ですか?、些細なお金ですか?」
最後の放送で、事故のことを、"ニマンロクセンエン"のことを、HIV のことを必死で語る、"まりあ"の言葉が突き刺さってきます。
「言葉」について語る"まりあ"の言葉が、刺さります。
みゆきさんの演技が、胸に迫ります。
愛しげにハガキを抱きしめ、機材やスタジオを眺める"まりあ"。
職場から去る"まりあ"が、歌い上げる
「PAIN」 。
噛み締めるような歌い出しから、我が身を省みながら、ドラマチックに歌い上げていきます。
『♪誰からも傷つけられず
身を守るため傷つける』
後悔に打ちのめされながら、己の過ちを受け入れ、それに立ち向かう覚悟を込めた絶唱。
『♪ただ流され行く木の葉に つづられた言葉を』(問う女)
そして、決意を秘めた旅立ち。
苦手だと言いながら、胸と目頭が熱くなりました。
当たり前ですが、良かったです。
食わず嫌いというか、変な思い込みで、長い間見直さなかった、己の不明を恥じました。
スミマセンm(__)m。
みゆきさんの声といいながら、ほとんど「問う女」の感想になってしまいました。
最初、「月ーWINGS」 の
「PAIN」 について、書こうと思ったのですが、元々の「夜会」版も見とこうと、軽い気持ちで再生したんです。
しかし、自分の思い込み違いに気づくとともに、しっかりハマってしまいました。
「夜会」なので、当たり前と言えば、当たり前なんですが。
で、ひとまとめにして書いていたんですが、やたら長くなるので、二つにわけることにしました。
この次に、「PAIN」 (月ーWINGS)をUPします。
そちらも、お読み頂ければ、幸いです。
これだけでも、長々とお読み頂き、本当にありがとうございます。(^^)
では、また(^-^)