雨の夜と下弦の月

毎日を静かに、穏やかに生きていきたいと思う日々。
そのわりにはジタバタと暮らすワタクシの毎日を綴っております。

本当に特別な日。

2012-08-09 20:05:34 | …and so on
今日8月9日は、長崎の原爆忌です。
ワタクシは長崎生まれなので、小学校・中学校・高校とも、この日は夏休みの登校日になっていました。
上京するまでそれが当たり前だと思っており、8月9日を夏休み登校日にするのは長崎県内だけだと知って驚いた記憶があります。
小さい頃から、長崎県民は8月9日を本当に特別な日だと思って、原爆の悲惨さを教わっているのです。

11時2分が、長崎市に原爆が投下された時間です。
長崎にある原爆資料館(小学校の社会科見学で必ず行きます)には、11時2分で針が止まった時計が展示されています。
県内にある、時を知らせるサイレンや、お寺や教会の鐘が11時2分に一斉に鳴らされます。
それを聞きながら黙とうをするというのも、長崎の子供たちにとってはごく当たり前の光景でした。
学校で「平和教育」の授業を受け、「原爆許すまじ」という歌を歌うのも当たり前だと思っていた気がします。

社会人になってからは8月9日は覚えていても、11時2分という時間に黙とうをする機会が減りました。
なるべくその時間に黙とうしようと思うのですが、仕事をしていると、なかなかそういうわけにもいきません。
今日も直前まで覚えていたはずなのに、ふと時計を見るとすでに11時9分になってしまっていました。
またできなかったなと思いつつも、心の中で、あの日犠牲になられたすべての方のために祈りました。

原爆体験が風化していくと言われるようになって久しいですが、少なくとも広島・長崎に生まれた人間は忘れないと思います。
広島の平和の灯、原爆ドーム、長崎の平和記念像…。
小さい頃からそれらのモニュメントの意味を教わりながら、広島・長崎の子供たちは育っていくのです。