バージニア労働者

アメリカで働くってどんな感じ?アメリカの企業で働く統計アナリストの労働ブログ。アメリカ生活小話や猫も登場。

The Last Miracle

2013年02月03日 | 猫の話

ミディを見守ってくださった皆さんへ。


多くの皆さんに大変暖かいコメントやメールをいただき、心から感謝しています。
私は実はこのまま1月31日のことはもう触れないでおこうかとも思っていましたが
「ミディを心配してくれていた人にはミディの最期のことも知ってもらうべき。」という
ハニバニの言葉に背を押され、ここで1月31日のことを書いておくことにしました。


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あの日は私とハニバニは偶然にも休暇をとっていました。

というのもあの朝ハニバニが内視鏡の検査があり麻酔をするので帰宅するときに
誰か運転する人が必要だったので、私も休暇をとったのです。

ミディの体調は前日と全く変わらず、大変疲れてはいましたが
5時ごろにエサも食べました。

急変したのが6時半ごろ。

トイレは1階にも設置してあり、そのトイレをミディも使っていたのに
2階に上がってきてそこのトイレを使いました。

ちょうど2階にいたハニバニが、ゲストルームのベッドの下で寝そべっていた彼女の
今までにない呼吸の乱れに気がつき、私も気になって彼女を見に行きました。
名前を呼んだら反応して鳴いてくれて、安心したのもつかの間、その直後に体調は急変しました。

鳴きながら転がり始めたミディ。
その鳴き方がとても辛そうに聞こえたのと、逃げようとする彼女の後ろ足が彼女を支えていないことは
見てすぐにわかりました。

大丈夫だよとは、とてももう言っていられない状況でした。
今までずっと私たちが躊躇していた日が来たのだと思いました。

しかしその朝はハニバニと私は8時半には病院に到着していなければならず
本当に最悪な状況が最悪な時に起こったという感じでした。

それからは苦しいのとパニックで逃げようとする彼女を怪我させまいと
彼女の体を抱いて、ハニバニと私は交代で出かける準備をし、
獣医は朝7時半から開いていたけどとにかく彼女から少しでも早く苦痛を取り除いてあげたいと
開院前から病院のドアを叩き続けました。

私たちの緊急ぶりに、病院のスタッフがすぐにドアを開けてくれ
事情を知っているとナースの一人が「ドクターJにすぐに連絡をとります。彼女が到着するのは9時だけど
痛み止めをミディに打っておくからケイエスさんたちの用事を片付けてください。」と言ってくれ
私たちはそのままハニバニの検査が予定されていた病院に向かいました。

車の中で私は、これは大きな賭けだと思いました。
ミディはもう私たちが戻るまでに一人ぼっちで旅立つかもしれない。
だけどドクターJが守っていてくれるかも知れない。

それからすぐにドクターJから電話があり、今はミディは痛み止めを打ってもらって
パニックと痛みから解消はされて落ち着いてはいるけど、ミディは後ろ足に
血栓が発症しているからものすごい痛みがあったはずだと説明してくれました。

そしてドクターJは「ケイエスあのね。私はもう今日が限界だと思うんだけど。」と言い、
「私たちもそれを承知でミディを連れて行きました。」と泣きながら言いました。
「ミディはきっと2人が到着するのを待ってくれるから、ハニバニさんが麻酔から覚醒したら
病院に戻っておいで。」と言ってくれ、私は電話を切りました。

数時間後、ハニバニの検査は無事に終わりハニバニも麻酔から覚醒し病院を出て
すぐにミディのもとへ戻りました。

それから大きなソファがある部屋へ案内され、
そこでミディに対面し、「好きなだけ時間をとっていいよ」と、
私とハニバニとミディだけにしてもらってそれからしばらくは私とハニバニが交代で
ミディを抱きかかえながら、今までミディにもらった楽しい日々に感謝して
私たちがどれだけ彼女を愛しているか、それからミディはこの先ずっとうちの家族なんだということを
ミディに言いました。

私は大粒の涙がぼとぼとと彼女の頭に落ちていくのを見ながら
ああ、彼女は水に濡れるのが大嫌いだったなと、そういうことも思い出しながら
もっと涙が溢れました。ミディが突然『ニャン』と鳴いたので
ハニバニが「頭を濡らすなって文句言ってるよ」と言い、そうだねと少し笑いました。

そしてこちらの合図でドクターJが部屋に入ってきて
「早すぎる決断でもなく、遅すぎた訳でもなく、とにかく間に合ってよかったね。」と言ってくれ、
私たちも、ミディの体調が急変したのが偶然にも私たちが仕事をしてる間でなく2人とも家にいた時で、
しかも私たちが戻ってくるまで待っていてくれたことは
彼女と過ごした奇跡の1ヶ月の中の本当の奇跡だったなと、心から感謝しました。

そしてドクターJは私の腕の中のミディの頭にキスをして「本当に良い子だったね」と言い、
丁寧な処置でミディは旅立ちました。

ずっとミディの顔を見ていたハニバニが「すーっと眠るように逝ったよ」と泣きながら言って
彼にもミディを抱かせてあげて、私たちは病院を後にしました。

ミディは数週間後、姿を変えてうちに戻ってきます。


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あれから数日たちました。

私たちは1日ごとに、ミディの旅立ちと引きかえに戻ってきた『普通の日常』を取り戻しつつあります。
私は突然の「ゲリラ豪雨」にまだ襲われますが、ミディのことを笑ってハニバニと話せるようになりました。

私が更新し続けたミディとの最後の1ヶ月のブログの写真をハニバニと見ながら
彼女と楽しく過ごした奇跡の証を残すことができて本当に良かったと思っています。

私たちは、彼女にやってやれることの全てをやったので、
後悔は全くありません。ただ今あるのは淋しさです。

彼女は小さかったけど、存在感はとても大きくて、彼女のこの大きなお城はがらんとしてしまいましたが
これからまたハニバニ、フリちゃんと一緒にその淋しさを埋めていけると思います。

ミディに付きっ切りだったときに、フリちゃんにとても淋しい思いをさせたので
これから当分は彼女を思い切り甘やかそうと思っています。

フリちゃんは「お姫様2号」から「お姫様1号」に昇格しました。
繰り上がり昇格だけどね。


のんきに寝てるお姫様1号。


私とハニバニもミディとのたくさんの思い出を胸に、これからまた普通の日常を過ごして行きます。

これはハニバニからの皆さんへの言葉です。

My wife and I thank you for your kind words. Middy maybe gone but she will never be forgotten. We will always love her and treasure her memories.

Death leaves a heartache no one can heal, Love leaves a memory no one can steal

If tears could build a stairway, and memories a road, I'd walk right up to Heaven And bring Middy home again.

(妻と僕から皆さんのメッセージに感謝します。ミディは旅立ってしまったけど、忘れ去られることはありません。
僕たちはこれからも彼女を愛して、彼女との思い出を宝物にして行きます。
死は痛みを残し、誰にも癒せるものではありませんが、愛は誰にも奪うことができない思い出を残してくれます。
もし涙が階段となり、思い出がそこに道を作るなら僕は今すぐにでも天国にいるミディを家につれて帰るでしょう。)


心配して遠くからミディを見守ってくれたみなさん、本当にありがとうございました。
私とハニバニからお礼を申し上げます。


Special thanks to:
Solo_Pinさん
友人のエムと裕二郎さん
りんちゃん
みゆ

毎日の元気玉とサポートに感謝します。
心からありがとう。




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ブログはちょっと休みます。
次回からはまたお仕事ブログで復帰しますのでまたよろしくお願いしますね。



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いつもありがとう。
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