骨粗鬆症とは、「骨強度の低下により骨が脆弱となり、骨折の危険性が高くなる骨の障害」と定義されます。ここでいう骨強度とは、骨密度と骨の微細構造や骨の基質蛋白により影響を受ける骨質とよばれるものにより決定され、骨密度70%、骨質30%で説明されると考えられています。わかりやすく言い換えると、「骨密度が低下したり骨質が劣化することにより、骨がもろくなり、腰背部痛、骨折、脊柱変形などをきたした疾患群」をさします。
一般的には、骨は力学的負荷に応じて強度が決定されますが、骨はカルシウムを貯蔵する器官でもあるため、カルシウム平衡をつかさどるホルモンなどによる制御も受けています。
骨はいったん形成された後も常に古い骨が吸収され、新しい骨に置き換わる骨リモデリング(再構築)により正常な強度が維持されています。健常成人でも年に約10%の骨基質が入れ換わることが知られています。 別の見方をすると、骨基質に埋まった骨細胞、骨形成を担う骨芽細胞、骨吸収を担う破骨細胞により骨は絶えず代謝されているとも言えます。
さて、加齢に伴う骨の変化はどうなっているでしょう。骨量は、20歳前後で最大となり、45歳以降は減少してきます。女性では、閉経以降1年間に2~3%低下し、60~65歳以上では減少率は0.5~1%と穏やかになります。男性では、65歳頃から女性と同様に年間0.5~1.0%の骨量が減少するといわれています。
骨粗鬆症の種類は、エストロゲン欠乏により骨吸収が亢進して起こる閉経後骨粗鬆症、骨生成が低下して骨密度が減少する老人性骨粗鬆症、慢性腎不全、内分泌疾患あるいは薬剤により起こる続発性骨粗鬆症などが知られています。
メカニズムとしては、エストロゲン欠乏や加齢、生活習慣病に伴う酸化ストレスの亢進により、(1)破骨細胞の活性化、(2)骨芽細胞機能の低下、(3)コラーゲン架橋の異常を生じ、骨強度の低下をきたすと考えられています。特にコラーゲン架橋の異常は、加齢や糖尿病などによる酸化ストレスによって増加する終末酸化産物の過形成によって生じるとされトピックになっています。
(2)につづく・・・
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