梅と桃

2007-02-03 23:50:35 | ・花模様
本丸と二の丸を結ぶ坂の梅林坂は、
ふんわりと梅のよい香りが漂っていました。
ここの梅、始まりは太田道灌が植えたそうです。
青い空を背景に紅白梅がうれしそうでした。

皇居東御苑のこちらは桃華楽堂です。 
1966(昭和41年)今井兼次さん設計。
昭和天皇のお后さま、還暦記念の作品です。

おっと、そうだ、江戸城天守閣跡の石垣のみがある。
だだいま両国にある江戸東京博物館で、
これを見ずして語れない★江戸城展開催中です。
おもしろそう、お見逃しなく!!

早稲田大学ウォール125

2007-02-03 23:38:09 | ・アート・展覧会
昨年、早稲田大学芸術学校の講座で、早稲田キャンパスを訪れたとき、
建設中の工事のために設置された囲いの壁面に絵がありました。
デジタル化された絵がレイアウトされ、大きくて見応えがあります。
早稲田大学の歴史をたどる建物やキャンパス風景など50点。
大隈講堂や旧図書館など、どれもステキで味わい深いタッチです。

早稲田大学は今年2007年が創立125周年。
絵でたどる早稲田の歴史のこれら原画は芸術学校の藪野健教授によるものです。
なるほど先生ご本人アーティスト、絵描きさんの雰囲気そのままだなぁと、
お会いして、そう思いました。
ふつうなら工事のための単なる囲い壁にすぎない、そこに絵をレイアウトする。
みんなの眼に留まります。そのナイスなアイデアにも感心させられました。

東京駅で。

2007-02-03 23:23:43 | ・お気に入り空間・街並み
東京駅丸の内の中央口を出て歩いていると、 
若い男性が、イーゼルを立ててキャンバスに東京駅を写生していた。
私はそれを横目にみながら、信号を渡り、工事中の新丸ビルを抜けて、
前川さんの東京海上方面に向かった。お昼1時頃のことである。

スケジュール通りの予定を済ませて、夕方再び東京駅に戻ってきた。
駅正面の時計の針はちょうど6時をさしていた。
驚いたことに、お昼間にいた絵かきの彼がまだそこに居たのだ。
今度はスケッチに色を塗っていた。一日ずっと絵を描いていたのだ。
なんて素晴らしい時間だろう。

私は少しカンゲキしながら、オアゾの丸善に向かった。
いろいろ本をみて時間を気にせずにいたら、腕時計はもう8時だった。
2時間もいたのだ。書店は大きく広いのだから仕方がない。
外に出ると、夜になって風も冷たい。駅の北口に入るとき、ふと気になった。
さっきの絵かきさんはさすがにもう帰っただろうか。
確かめはしなかったけれど、きっとイイ絵が仕上がったに違いない。
東京駅はまた姿を変えるから、今の姿を絵に残しておくのは意味が深いと思う。
それにしても、対象物と真剣に向かい合い、たっぷりとした心で
絵を描くのはきっと気持ちが良いだろう。
私は再びそんなことを思いながら、電車の乗り場ホームへ急いだ。

1000の街ものがたり展

2007-02-03 00:40:13 | ・講演・セミナー・シンポ
竹中工務店GALLERY A4(Aの4乗)で、
安田泰幸スケッチ紀行の展覧会と講演会に参加しました。
とにかく圧巻、見事です。
「上手だなぁ。」と、じっと見入ってしまいました。
安田さんは大阪生まれで、京都教育大学特修美術科をご卒業、
ハガキによるスケッチの活動は30年ほど前からだそうです。
当時は、会社にお勤めしながら絵を描いていたので、
大きなスケッチブックではなく、ポケットに忍ばせられるサイズ、
つまりはハガキサイズをいつも持ち歩いていたというわけです。

安田さんの絵のタッチはスピーディな感じで、色使いはまろやかです。
対象物への真剣で奥深いまなざしがどれもうかがえます。
ちゃんとみていないと、あれだけは描き込めないですもの。
それぞれディテールも正確でしっかりとしています。
景色や建物の他にも訪れた先の食べ物、乗り物など、
とにかくワクワクするほどたくさんのスケッチ作品が並んでいました。
国内、海外問わず、私の知っている建物も好きな建物もたくさんありました。
東京駅など赤煉瓦シリーズや横浜の街並み、川に架かる橋など。
なかには芦屋アンリシャリパンティエのクッキー缶のスケッチまで。
かわいらしいクッキーの配列にさえもきっと心が奪われたのでしょうね。

ハガキは現地から実際に投函されたものもあり、スケッチ内容と記念切手の
組み合わせもやはり関連性があるようで、それを読み解くのも楽しいです。
実は私もよくやります。絵葉書や内容にあわせた切手を貼るのです。
安田さんは、絵を描くことを通して実は学んでいるのだと、
対象物を真剣に観察することは、自分の人生を見つめることになるのだと
お話しされていました。なるほどそうですね、納得です。

最後にステキなリルケの手記から一節を紹介してくださいました。
「一行の詩のためにはあまたの都市、あまたの人々、
あまたの書物を見なければならぬ。」
 

歴史家の重鎮・坂本勝比古先生の建物のお話も、安田さんのスケッチとあわせて、
丸の内、上野、横浜と実際に訪れているようで楽しかったです。
安田さんの絵は後世に対する貴重な資産であり、街を考え、都市空間を考え、
数多くの人々の生きざま、歴史、文化を読みとることができると語られました。
坂本先生は80歳を過ぎていらっしゃいますがお元気です。
どうぞお風邪などお召しになりませぬように。
またぜひどこかで建築に関するお話をうかがわせてください。
銀行協会保存に関して、先生が三菱地所に掛け合ったエピソードも興味深かった。

良い絵と時間、ありがとうございました。私も何か観るものに対して、
心に絵を描くほどに、よりしっかりとより深くまなざしを向けたいと思いました。

逓信省の流れ。

2007-02-03 00:05:04 | ・大好き☆建築あれこれ
日比谷通り、帝国ホテルのお隣は現在は大和生命です。
ここに明治の頃、鹿鳴館があったのです。
そして、さらに横隣りは「NTT日比谷ビル」(國方秀男1961)
建築学会賞を受賞してます。現存しています。
大きな建物ですが、すっきりシャープな素材感が続くのは安心感を与えます。
写真はその奥にある「NTT霞ヶ関ビル」1957年内田祥哉さん設計です。
よくみると窓?の大きさが違う、柱?の幅が下の方が広い。面白いです。

明治20年に発足した逓信省は戦後、郵政省と電電公社に分かれるのですが、
通信を扱う最先端だけに、建物にもモダニズムな精神が通っているように思います。