ケ時々ハレ・2

楽しむために、「晴れ」のために「褻」を生きてます。左脚も人工股関節にしました。右人工股関節はライト、左はエルといいます。

5月17日(火) テアトルエコー「淑女はここにいる」

2016-05-21 03:28:59 | テアトルエコー
テアトルエコーの公演「淑女はここにいる」を観に行った。
フライヤーがあまりに魅力的なので惹かれた。
ホームレスの女性4人の物語だ。














安達忍さんがFacebookのエコーのページで
「言葉にならないほど観ていただきたい」
と言っているのを読んで、発作的にチケットを取った。

空き缶拾いで日々の糧を得ている彼女たち。
ホームレスは本名をお互いに知らせないので愛称がある。
小宮さんはネエサン。
安達さんはコツブ。
岡さんはデルコ。
重田さんはリエ。

ホームレスとはいえ、彼女らは亡きレジェンド・ボス(田村三郎さん)が廃品で作った掘っ建て小屋に住んでいる。

歯みがきして、ペットボトルの水でグチュグチュうがいをして、そのままゴクリと飲んでしまう岡さんに持ってかれた。
一気に空気を作ったね。
気が強くてキャンキャン嚙みつく重田さんのキュートなこと。
鉄条網を巻いたバットを振り上げたりして魅力的。
安達さんはやさしくて公平で、ボスをして
「20年前なら俺はおまえを口説いてたよ」
と言わしめる美女。
統括していたであろうネエサンは、ちょっと認知能力に翳りが出てきている。

川本さんのホームレスは、ものすごくばっちい様子で出てきたが、銭湯の回数券をもらい、大方の予想通りにスッキリ綺麗になって現れる。
些細なギッチョンチョンがいちいちなめらかで、こっそりしているので笑える。
四谷さんみたいだった。

落合さん、うまい。
淑女たちに翻弄されている加減が絶妙。

居候の家出人の良太(愛称はオサム)や、社会復帰を果たした元ホームレスの七海との関わりで、4人の淑女たちの生きていくための覚悟のようなものが見える。
調子が悪いのに、信念を持って断固病院へ行かないネエサンの言葉でもわかる。

安達さん、岡さん、重田さんは同期の桜の4期生だ。
36年前に揃ってエコーに入団している。
養成所時代も含めて38年間をともに乗り越えて来た3人だからこそ生まれるテンポや呼吸が、とても心地よい。
継続の重みってこういうことなのだ。
強く惹かれる。

観てよかった。

ちなみに、個人的に注目している加藤拓二さんはかなりのマッチョなので脳みそまで筋肉という感じのホームレスだった。
本当は加藤さんは、デリケートな紳士の役がおもしろいと思うのだが。

3人のベテラン女優たちの38年でさえ充分な重みだが、テアトルエコーは今年、60周年。
(関係ないけど今、私が勤めている会社も60周年)
過去の舞台写真が展示されていました。

若いサッコと後藤さん。







今でも歌える「純情雪景色」 や「恋愛二重唱」。









紀伊國屋演劇賞受賞後、若くして亡くなった平井道子さん。



コメント
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