言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

為替レート決定理論

2012-04-05 | 日記
岩田規久男 『デフレと超円高』 ( p.21 )

 通貨高はその国の国力を反映しているといわれることがある。しかし、九〇年代以降の日本経済の成果は諸外国に比べてかなり見劣りし、むしろ、国力は落ちている。それにもかかわらず、円高になっている。一体、なぜ、国力の落ちた日本の通貨が諸外国の通貨に比べて高くなるのであろうか。
 経済学の為替レート決定理論によれば、通貨の対外価値は国力とはまったく関係がなく、次のような場合に、円高・ドル安が進行する。

1 日米金利差(日本の金利から米国の金利を引いたもの)が拡大すれば、円高・ドル安になる。
 日本の金利は米国の金利よりも低いので、日米金利差はマイナスである。その場合には、
1-(2) 日米金利差のマイナス幅が縮小すれば、円高・ドル安になる。

(中略)

 円高・ドル安になるもう一つのケースは、日米の予想インフレ率(人々が予想するインフレ率)に関するものである。すなわち、
2 日米予想インフレ率差(日本の予想インフレ率から米国の予想インフレ率を引いたもの)が縮小すると、円高・ドル安になる。
 日本の予想インフレ率は米国の予想インフレ率よりも低いので、日米予想インフレ率差もマイナスである。その場合には、
2-(2) 日米予想インフレ率差のマイナス幅が拡大すれば、円高・ドル安になる。


 経済学の為替レート決定理論が簡潔に紹介されています。



 「なぜ、こうなるのか」は、説明するまでもなく「あきらか」だと思います。

 したがって、私としては、とくに書き加えることはありません。

 それなら引用するまでもないのですが、専門家によって整理された内容を引用しておくことによって、今後、私が「自分の意見」を述べる際に、説得力が生じると思われるために、引用しています。