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十字軍物語(4)ー塩野七生

2022年08月19日 | 読書
評価5

再読(前回2020年11月14日)。
第6次十字軍からその終焉まで。十字軍遠征は8次まであるが、何と言っても注目は聖都エルサレムを獲得した第6次。2度に渡るローマ法王による破門もなんのその、1229年中近東に向かった神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ2世は、イスラム側のアル・カミールとの交渉でエルサレム譲渡を引き出すことに成功する。しかし、フリードリッヒ2世は「エルサレムの解放は話し合いでなされるべきではなく、血を流すことによってなされるべき」とするキリスト教徒からの非難の嵐を浴び続け、ローマ法王グレゴリウスとの関係は法王軍の自領への侵攻という事態にまで悪化してしまうのだった。第7次、第8次はフランス王ルイ9世が率いるが、どちらもあえなく失敗。そして、マメルーク王朝となったイスラム側との1291年のアッコン攻防戦で、ついにカトリック・キリスト教徒は192年間守り続けたシリア・パレスチナの全域から一掃されてしまう。

<フリードリッヒ2世とアル・カミールの交渉結果>
・イスラム側はエルサレムをキリスト側に譲り渡す
・ベツレヘムとナザレはキリスト側の領有とする
・エルサレム周辺一帯はイスラム側領土として残る
・パレスチナの海港都市の領有権はキリスト側にある
・キリスト側とイスラム側の往来を認める

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