白堊スポーツ - since 2004.09.18

母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

カラーひよことコーヒー豆ー小川洋子

2022年11月23日 | 読書
評価4

再読(前回2021年1月18日)。
小川さんの日常生活がわかって楽しいエッセイ集。印象に残った言葉は「私が最も効率よくリサイクルしているのは、思い出である。他の人から見たら何でもない些細な思い出を大事にし、繰り返し何度でもよみがえらせて、その度に感動を新たにすることができる」

表題は、昔、縁日の花形だったひよこと愛犬ラブにできた瘤のお話。

モデル・女優の菊池亜希子さんの解説が自己紹介になっているのに愕然・・・(笑)

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凍りついた香りー小川洋子

2022年11月22日 | 読書
評価4

再読(前回2022年3月18日)。
突然自殺した調香師の弘之の過去を辿る旅に出る涼子。そこに現れるのは、フィギュアスケートの達人で数学コンテストで天才ぶりを発揮する涼子の知らない弘之の姿だった。プラハの街の情景と香水「記憶の泉」の香りが届ける現実と幻想が織りなす世界。

この作品は著者の初期の作品。数学コンテストに絡む物語であることからも、大ブレークした「博士の愛した数式」に繋がる萌芽が感じられる。また、「すべてはあらかじめ、決められているんです。あなたが何かを為したとしても、為さなかったとしても。その決定を覆すことはできません」の言葉に、小川洋子作品に通じるテーマをみつけることができる。

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完璧な病室ー小川洋子

2022年11月20日 | 読書
評価5

著者初期の頃の短編集。

①完璧な病室
②揚羽蝶が壊れる時(デビュー作)
③冷めない紅茶
④ダイヴィング・プール

それぞれ小川洋子さんの生い立ちが背景に感じられる作品で、「青臭い」感じがなんとも言えない。小川さんの若かりし頃を彷彿とさせる作品群に酔いしれました。私の好みは「ダイヴィング・プール」

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口笛の上手な白雪姫ー小川洋子

2022年11月17日 | 読書
評価5

再読(前回2021年2月10日)。
表題作は銭湯で赤ん坊のお守をボランティアで引き受けている小母さんの話。小母さんは多彩な口笛で赤ん坊をあやす。小母さんの口笛を聴けるのは、ついこの前生まれたばかりの、まだはかない鼓膜しか持っていない赤ん坊だけだった。全8話。カバーデザインは盛岡一高出身の名久井直子さん。

★=私の好み度
①先回りローバ
②亡き王女のための刺繍
③かわいそうなこと ★★
④一つの歌を分け合う
⑤乳歯 ★
⑥仮名の作家 ★
⑦盲腸線の秘密
⑧口笛の上手な白雪姫 ★★★

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妊娠カレンダーー小川洋子

2022年11月16日 | 読書
評価5

再読(前回2021年4月4日)。
表題作(1991年芥川賞受賞)の他「ドミトリイ」「夕暮れの給食室と雨のプール」の三篇。独特な小川ワールドアイテムが登場しない初期の頃の作品。しかし、そこに漂う雰囲気は静かな語り口の中に悪夢が漂うなんとも言えない読後感。へぇ~こんな話も書くんだ・・・、と、いうのが正直な感想。私は「ドミトリイ」が好み。「夕暮れの給食室と雨のプール」を読んだ後、給食が出来るまでをYouTubeで確認してみた私であった(笑)。

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知れば知るほど面白い宇宙の謎ー小谷太郎

2022年11月14日 | 読書
評価5

再読(前回2020年12月25日)。
YouTubeで見た村山斉さん(物理学者)の「どうして宇宙は今の姿になったのか?」があまりにも面白かったので、昔読んだ本を引っ張り出してみた。当時、わけがわからず1評価としたが、今回はなんと5評価。予習の効果絶大(笑)!ほんとに知れば知るほど面白い!

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寡黙な死骸 みだらな弔いー小川洋子

2022年11月12日 | 読書
評価5

再読(前回2021年10月3日)。
それぞれが、あるキーワードで繋がっている11の弔いの物語。生まれつき心臓が外に飛び出している女性のプロテクターを作る鞄職人の物語「心臓の仮縫い」が私のイチオシ!「拷問博物館へようこそ」のザワっとする感じも捨てがたい。独特の小川ワールドにあなたもはまってしまうはず・・・

①洋菓子屋の午後
②果汁
③老婆J
④眠りの精
⑤白衣
⑥心臓の仮縫い
⑦拷問博物館へようこそ
⑧ギブスを売る人
⑨ベンガル虎の臨終
⑩トマトと満月
⑪毒草

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シュガータイムー小川洋子

2022年11月10日 | 読書
評価4

再読(前回2021年1月26日)。
著者が芥川賞受賞の前に書いていた最初の長編にして青春小説。ところどころに著者自身の境遇と重なる部分が読み取れて小川洋子ファンにとってはけっこう楽しい。主人公の病的食欲や弟が成長が止まってしまう難病に罹ったりと、その片りんはあるが、だいぶ小川ワールド感は薄い。

野球好き+早稲田出身の小川さんならではの早慶戦や神宮球場周辺と思われる描写あり!巻末の林真理子の解説が良い。

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洋子さんの本棚ー小川洋子・平松洋子

2022年11月09日 | 読書
評価5

再読(前回2021年1月30日)。
小川洋子さんとエッセイスト平松洋子さんのW洋子対話集。二人が選んだ本33冊と映画1本を切り口として少女時代の思い出、母になること、旅立ち、食について、もちろん本について語り尽くす。巻頭に小川さんの小さい頃の写真あり!巻末付録の人生問答、小川さんの趣味がわかって笑える!

なお、カバーデザインは盛岡一高出身の名久井直子さんです。

映画「道」(フェデリコ・フェリーニ監督)は見たことがあるので話について行くことができたが、本33冊はほとんど読んだことがないのでかなりチンプンカンプン・・・(汗)で、は、あるが、本好き二人の論理だてはかなりためになる。こんな会話が出来る小説家とエッセイストには、ただただひれ伏すしかありませんな。

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犬のしっぽを撫でながらー小川洋子

2022年11月07日 | 読書
評価5

再読(前回2020年11月23日)。
小説のこと、愛犬のこと、阪神タイガースのこと、アンネのこと、話題盛りだくさんのエッセイ集。中でも少女時代のアンネの日記との出会いとその後のアウシュヴィッツへの旅を綴った30ページに渡る「アンネ・フランクへの旅」は読みごたえ十分!

いろいろな作品が出来る背景になったであろう事柄が随所に出て来て、物語の一場面を振り返りながら読めるのがエッセイの楽しいところ。

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