多摩、ときどき山

多摩の暮らしと山のブログ

シカ防護ネットは語る/御前山

2011-01-31 23:53:23 | 自然のこと

《今朝の多摩地方は冷えました。
6:30「ふとんから出たくないなぁ」と思っていたら…我が部屋の気温は0℃!過去最低を更新していました(苦笑)。ラジオによると、お隣りの青梅(おうめ)市で-4℃。やはり今シーズン一番の冷え込みだったようです。皆さんのところでは、いかがでしたか?》

本日、奥多摩三山の一つ御前山(ごぜんやま・1405m、西多摩郡檜原村・同 奥多摩町)へ仕事で行きました。積雪はほとんどなく、乾燥した冷気が肌に痛い1日。

出会ったのは一組のご夫婦だけという静かな山中で、周辺に設置されたシカ防護ネットが、姿の見えないニホンジカ(日本鹿/偶蹄目シカ科)の存在をはっきり教えてくれていました。

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12:00御前山山頂。気温-2℃。
太陽の下ではぬくもりを感じたものの、日陰では-6℃。深々と冷え込んでいました。

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雪は、北斜面を中心にうっすら残る程度。

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クマ棚。ツキノワグマ(月の輪熊/食肉目クマ科)の大好物、クリ(栗/ブナ科)の木ばかり20本以上に確認しました。このクマ棚は、密度も大きさも豪快です(笑)。

※「クマ棚」の詳細は、2010/10/29の本ブログ「水源の森林は冬の気配」参照

そして…
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この光景、どこか不思議に思いませんか?
近づいて見ると…
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一部だけ、青々としているのがおわかりでしょうか?

実はこの部分、「シカによる植生への影響調査」のために東京都環境局が設置したシカ防護ネットに囲われているのです。青く見えるのはシカに食べられずに残ったササなのですが、こうして見るとネットの内側と外側の違いが一目瞭然…つまり、外側の植生はきれいに食べられてしまったわけですね。

この状況は、他の季節もほとんど変わりません。

さらに今日は、これまで御前山南面ではあまり見られなかった樹皮はぎ(食べるものがなくなったシカが木の樹皮を剥がして食べる行為)も、数多く確認しました。その被害は、各種カエデやツツジなどの広葉樹をはじめ、カラマツ、モミといった針葉樹まで、多種多様な樹木に及んでいました。

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シカ防護ネットが語る光景-以前は影響が少なかった地域にもジワジワと広がりつつあるようで、心配しています。

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