エプスタインバー・ウィルスについての覚書き

1958年、アフリカ大陸に多発する子供の顎の部分にできる腫瘍をバーキット医師が学会に報告した。この腫瘍は悪性リンパ腫の一種でバーキット・リンパ腫と呼ばれるようになった。このリンパ腫細胞を培養したところウィルスが分離された。このウィルスはヘルペス型のＤＮＡウィルスで、発見者であるエプスタインとバーの名前をとって、Ｅ・Ｂ（エプスタイン・バー）ウィルスと名づけられた。アフリカではほとんどすべての悪性リンパ腫はＥ・Ｂウィルスが原因で、流行性があるのに対し、他の国で発生する悪性リンパ腫ではＥ・Ｂウィルスが関与しているのは10％ぐらいである。散発型で流行は見られない。


バーキット・リンパ腫はＢ細胞性の腫瘍である。非ホジキンリンパ腫。顎骨に多く見られ、腫瘍の発育　が速いので、早期に強力な化学療法を行う必要がある。


Ｅ・Ｂウィルスによって引き起こされる病気には他にもある。中国に多い鼻咽頭ガンと日本などにも多い伝染性単核症がある。伝染性単核症は、良性の病気で、若い人にもみられる。Ｅ・Ｂウィルスは唾液から感染する。ほとんどのひとは幼児期のうちに感染する。高熱が出てねリンパ節が腫れたり、　肝臓が障害を受けたりするが1～2ヶ月で治る。血液中に異型リンパ球が出現して、慢性化することもある。Ｅ・Ｂウィルスは、ほとんどの人が持っているありふれたウィルスだが、発症する機序はわかっていない。


バーキット・リンパ腫について調べてみる。CHOP（チョップ）療法が標準治療になっているが、治癒が困難と書かれてある。キーワードー慢性活動性EBウイルス感染症。伝染性単核症。