告知の日からのガン日記(上咽頭がんー丸山ワクチン日記)

08年7月の告知。5年生存率60%の標準治療を断わる。丸山ワクチンを決断。団塊世代、男性。試行錯誤の過程をリアルタイムで

神の手からの提言

2010年01月30日 | Weblog
手術を受けるのであれば経験豊富で腕のある医師に頼みたい。死に直結するガンであればなおさらのこと。脳外科医の福島孝徳氏が書いた「神の手の提言」という本を読んだ。年間約600例もの脳外科手術をこなしている。ほぼ年中無休。1月2日から手術を開始する。成功率はきわめて高い。世界的に神の手と呼ばれている。今まで訴訟を起こされたこともない。その人が寿命は医者で決まると断言する。奉仕、笑顔、誠実がモットー。手術をすべきでない医師が手術をしている現実があると断言する。日本医療に必要な改革についてが主な内容になる本。2009年3月に発刊された。


真っ先に、ガンマナイフとサイバーナイフについて書かれてあるところを読む。ガンマナイフは40年ほど前に誕生した。日本には51台が稼動している。設置に1億円。本体が4億円。ほかにコバルトの更新のための維持費が4年ごとに1億円かかる。したがって、稼働率を上げるために他の選択枝を選ぶべき症例もガンマナイフが使われている例もみられるという。かえって症状が悪化した例も多いようだ。ガンマナイフがもっとも向いているのは、脳の中の悪性腫瘍である転移性脳腫瘍、つまり身体のほかの部分に出来たガンの脳転移。その他に手術で取りきれずに残ってしまった小さな残存脳腫瘍、脳動脈奇形、ガンマナイフの適応はごく限られているとある。一方のサイバーナイフは7年前にドイツで開発された。コンピューター制御の小型ロボットにリニアックを搭載したもの。患者さんにはとても優しい進んだ機械で、超精密で正確。こちらの適応は転移性脳腫瘍、悪性腫瘍、脳動脈奇形ですが、サイバーナイフはガンマナイフに比べてはるかに適応が多い。特に、頭頸部のガンにものすごい威力を発揮するそうだ。


ガンマナイフとサイバーナイフと両方の施設に出かけていって、両方の施設の医師から適応外と断わられた経験がある。脳腫瘍の専門家が必ずしも医療全体についても詳しいというわけでもない。なぜ転移性でなければ適応にならないのかが重要な部分だが、その理由は書かれていない。頭頸部のガンに対して威力を発揮するという根拠も知りたいところだった。

アメリカでのガンの死亡率は低下傾向

2010年01月27日 | Weblog
アメリカではガンでの死亡率が減少傾向にあるという。がん検診や検査機器の性能向上により早期ガンの発見は年々高まっている。これは、ガンを宣告された患者がガンから生還することが多くなっているということだろうか。しかも、この理由が代替療法を選択する人が増えたからだという説がある。アメリカでは学歴が高い人、収入の多い人、知識人層など時代を先導してゆく人たちほど、代替療法のほうを評価し、積極的に利用していることが明らかになったという。代替医療には鍼灸、ヨガ、笑いヨガ、太極拳からハーブ療法などさまざまなものが含まれており、その費用は大概の場合、ガンの標準治療を受けるより安価である。日本のように国民皆保健ではなく医療保険を民間に頼っている国である。それ以上に、医療の質が違っていることも大きい。病気を観るのではなく、患者を診る医療が行われているからだと感じるからだ。患者が診察室に入ると医師が椅子に座って無表情で待っている。患者が話しているときにまっすぐ患者のほうに顔を向けない。医師は肘つきの椅子、患者は丸椅子。患者が自由に話す雰囲気ではなく、イエスかノーか患者が答えるしかない質問を医師が行う。これらのことは全て患者にとってストレスと感じる。


日本では医師は患者を指導する姿勢が強い。医師にはコンプライアンスという患者に対して有効な治療法を薦める義務がある。その治療法は科学的な根拠が存在し、一般的に認められている治療法でなくてはならない。代替医療について患者と医師が話し合う余地はまったくない。この部分においては動物病院のほうが患者本位の医療に近づいていると感じる。


丸山ワクチンを試してみたいと医師に告げる。大概のばあい、それは受け付けてもらえない。ちゃんとした治験であるにもかかわらず、拒絶される場合がほとんど。しかし、不思議なことに、もう治療法がないという段階になって、初めてサインをもらえることになる。丸山ワクチンは40日分で10500円(送料込み)。丸山ワクチンを試してみたいという患者はあきらめずに理解を示す医師をさがしてもらいたい。どんな治療を選択している方でも併用すべきだと感じている。



驚かなかったガン宣告

2010年01月25日 | Weblog
私は丸山ワクチンを受け始めてから5年半になります。最初に、肺ガンであることを知らされたのは、昭和42年6月、50歳の夏でした。勤めている会社の検診で「レントゲンに影があるから」と言われ、病院に行かされたのです。病院を訪れると「会社を休むように」ということです。私は食欲もある、やせてもいない。なぜそんなことを言われるのか納得がいきません。たしかにレントゲンには右肺の上葉に、5円玉大の影がありました。

正直に言えば、私はこのとき「肺ガンだ」と知らされたわけではありません。このような医者とのやりとりから、私はてっきり肺結核だと思っていたのです。ただ、家内はひそかに肺ガンであることを知らされていたようです。

精密検査をすることで入院がきまりました。「結核菌はまったく出ていない」というのに、2週間後には切開手術が決まりました。なぜです、というとやはり、肺の上葉に影があるからだとのことです。切開後は順調でした。5ヶ月の入院ののち、その年の暮れに無事に退院することができました。毎年2回、定期健診を受けていましたが、4年半たって検診に行きましたところ、またまた「影がある」と言われたのです。右肺のほか、左肺にも小さな影がありました。やはり入院しなさいとのこと。

もう入院なんていやです。体になんら自覚症状がなく、こんなに元気なのに、という気持ちが私に重大な認識を欠落させていたのでしょう。入院、手術を断わってしまったのです。それを聞いた私の親類の者が、「丸山ワクチンといういい薬があるからうってみたらどうか」と教えてくれたのです。何に効くのかと言うと、「ガンにも結核にも効く」とのことでした。それ以来、丸山ワクチンを一日おきに打ちはじめました。

打ち始めて一ヶ月後、胸部の痛みがなくなり、風呂も、今までより長く入っていても息切れがしなくなったのに気づきました。ワクチンがなくなれば日本医科大学に行って、新しいケースをいただきます。ある日、思いきって先生に聞いてみました。「丸山先生、私の病気はいったい何なのです?」先生はじつに平静に、「肺ガンですよ」そうおっしゃったのです。あまりにさりげなくおっしゃったものだから、「はぁ、ガンですか」こちらもまるで驚かず、先生の言葉を聴いていたものです。

ガンは治る。先生の平静な宣告の裏には、そんな強い自信がおありだったのだと思います。ガン患者にとって、これほど心強いことはないでしょう。丸山ワクチンを始めて半年がたってから、レントゲンを撮っていただきましたが、もはや両肺の影はまったく消え去っていました。半年の命と言われた私が、10年を過ぎた今でも元気に勤めておりますのは、丸山ワクチンのおかげと、家族のものも感謝しております。


丸山千里著「丸山ワクチン- ガンを追いつめる」 より。小島耕作氏(65歳、横浜市瀬谷区三ツ境)からの体験談。ガンを告知されてから1年半、丸山ワクチンを打ち始めて1年半の私は、この方のような劇的な効果はみられていない。しかし、このときより、40年ほどが経過した現在でもガンの治療は格段の進歩を遂げているとは思えない。



潔癖な・・・人々

2010年01月23日 | Weblog
昨日の朝刊、人生相談欄には、潔癖すぎる人からの相談が載っていた。ばい菌が怖くて手を一日に何回もせっけんで洗うようになった。だんだんエスカレートして、それが自分でやめようとしても止められないという相談だった。空気中には微細な塵が無数に舞っていて、それにインフルエンザなどのウィルス、ばい菌、カビなどがくっついている。手を洗うぐらいではばい菌が体の中に侵入するのは防げないのではと思う。病院に出かける機会が多くなった。受付の人間から、掃除のおばさん、看護士さんまで、すべての人がマスク着用。はたして、効果があるのだろうかと感じる。やらないよしやったほうがマシ。しかし、医師はマスクをしていないほうが多いようだ。そのうちに患者に対してもマスク着用が義務つけられるかも。


フィラリアという犬の病気がある。蚊によって媒介される病気。刺されることによってミクロフィラリアが体内に侵入する。人間も蚊に刺されるが不思議なことに病原性が無い。人畜共通伝染病というのがある一方、特定の動物にしか感染しないばい菌もある。眼に見えない生物も含めて地上には多種多様な生物が共存している。


人間には免疫力が備わっている。異物を排除する力が備わっている。これを信じなければ迷いが生まれる。抗がん剤治療は免疫力を下げる。自分自身に病気に対する抵抗力が備わっていることを信じられなくなる。患者は潔癖症の人と同じような状態に陥る。これが現在の抗がん剤治療には未来がないと思う理由である。


大きな耳を持つ犬に起きやすい病気

2010年01月21日 | Weblog
犬の病気に耳血腫というのがある。耳の軟骨と皮下組織の間に血が溜まる病気で耳が膨れてくる。これがなかなか治らない。再発することが多い。吸引すると一時的には小さくなるが再びたまってくる。何回吸引しても再発することが多い。ところが最近、ガン免疫療法に使われるピシバニールという薬物をその膨らんでいるところに注入すると次第に治っていくことがわかってきた。内溶液を抜いても抜かなくても一ヶ月ほどすると瘢痕もなく治癒する。もともとは人間で使われ始めたようだ。


小児外科医の荻田修平医師が0歳~5歳にまでの幼い子供に多い難病、リンパ管炎に対してピシバニール注入治療により、治癒に至ることを最初に証明した。のう胞状リンパ管炎は頚部に起こりやすい腫瘤で、大きくなると気道を圧迫して死に至る場合もある恐ろしい病気だ。これがピシバニール注入で治るようになった。効果は手術より確実でしかも安全である。その後、唾液がもれて腫瘤を形成する病気のガマ腫や耳血腫にも効果があることがわかってきた。


ピシバニールは非特異的能動免疫剤のひとつ。ガン治療に使われる薬だ。BRMとは特異的抗原(癌)による免疫という操作を加えずに宿主の免疫能をあげることによって、癌細胞を殺す治療法のこと。ピシバニール(溶連菌製剤)、丸山ワクチン(結核菌)、PSK(クレスチン、さるのこしかけ科かわらたけ)、レンチナン(しいたけ)、サイトカインやンターフェロンもそのうちに含まれる。薬は使いよう。免疫療法には未来がある。

頭でっかち・・・頭頸部のガンだけに

2010年01月19日 | Weblog
このブログをはじめたのはガンを告知された時になる。それは、丸山ワクチンを開始したときでもある。でも、初回から丸山ワクチンの効果を確信して始めたわけでもない。医師からは、そんなことでは6ヶ月もすれば取り返しがつかない状態になると言われた。現在、1年半が過ぎて、とりあえず現状は危機的状況ではない。よくなったという状況でもないことは検査を行った結果わかった。今でも、丸山ワクチンへの評価は微妙だ。ガンに関する情報は集めている。何のため・・・? 死を迎える際には最善を尽くしたと思いたいからだろうか?


頭でっかちということばがある。身体全体のバランスにおいて頭が大き過ぎること。文字通りの意味では、行動するまえに十分頭で考えるという意味で誉めことばになる。しかし、この言葉が使われるのは、悪い意味に使われるケースのほうが多い。比喩的に、知識だけが豊富で実行が伴わない様子。理屈ばかり並べて実際には何もしないこと。


頭でっかちに陥って決断をすることが出来なくなっている。医師からこのような言葉を投げかけられた。何のために他の治療法について調べるのかと。この言葉にはとまどった。確かにそのとおり。試してみるつもりがないのであれば、最初から無視すればよいこと。この医師からは陽子線治療を薦められた。300万円の費用に見合うだけの治療なのだろう。まっさきに、自分に300万円分の価値があるのかどうかを考えた。



放射線療法に抗がん剤が併用される理由

2010年01月17日 | Weblog
上咽頭ガンは切除することが困難なガン。標準的な治療は放射線治療に抗がん剤を加えたものとなっている。同じ頭頸部ガンでも、その他の口腔、中咽頭、下咽頭、喉頭の切除可能なガンに対しては放射線治療単独と放射線治療に抗がん剤(フルオロウラシルとシスプラチン)を加えた治療との比較試験が行われている。頭頸部ガンにおける放射線治療の有用性は機能や形態温存性に優れているところにある。

抗がん剤併用放射線治療と放射線単独治療との比較結果については、厚生労働省のホームページから知ることが出来る。 その他のガンに対する抗がん剤についての情報もこのページから得ることが出来る。

有効性においては放射線治療に抗がん剤を加えたもののほうが高い結果が得られている。当然のことだ。生存率で48%→50%、無再発生存率51→62、転移再発率75→84、原発温存生存率34→42、と示されている。副作用に関しては抗がん剤を加えた治療のほうが強くなる結果に。好中球減少0%→38%、血小板減少0→16、皮膚炎10→36、口内炎22→54、経管栄養30→58、これも当然の結果となっている。

抗がん剤併用療法が、無再発生存率、原発非切除生存率、原発温存生存率にいて有意に改善が認められているが、5年生存率、無遠隔転移再発率では有意となっていない。これは局所再発しても手術が可能なため生存への確率が高まることや、他の合併症や他癌死が併用療法に多いことが影響しているようだ。

フルオロウラシル(5-FU)の主な副作用は、口内炎、下痢、悪心・嘔吐などであり、これらに併用するシスプラチンやカルボプラチン(Pt系抗がん剤)などの副作用が加わる。放射線治療併用の場合における主な副作用は、照射野内の皮膚炎・高度の口内炎、経口摂取量低下、血液毒性、唾液減少、頸部皮膚の繊維化などである。

経管栄養とは食事から栄養を取れなくなったガン患者に対して、むりやり胃に食べ物を送り込む治療手技のことをさす。これには経口カテーテルで済む場合もあり、腹から穴を開け胃に直接食べ物を投与する胃瘻を設置される場合もある。


難解であるが、治療を受ける患者さんはこのページに目を通しておくべきだと感じる。最近のコメントに「貴方はただ放射線+科学治療が怖くて逃げているだけに見えます。」と頂戴したことを思い出した。確かに、それは的を得たコメントであった。


→ 抗がん剤併用療法に関する報告書について」。

丸山ワクチンは心のよりどころ

2010年01月15日 | Weblog
「死ぬつもりなの?」
「それだったら、だんだんガンは大きくなって、君は6ヶ月後には生きていないよ」
「丸山ワクチンは水だから、いくらがんばってもムダなんだよ」
「後から治療を受けたいと言った時には、治る可能性は低くなっているよ」
「癌が大きくなって、鼻の骨を削り取って手術することになるよ」
「私も患者の希望で、丸山ワクチンを試したことがある。全部、うまくいかなかった」
「じゃ君の場合、60%よりもっと高いかも。70%ぐらいあるかもしれない」
「ここでは丸山ワクチンは使えない。倫理に違反しているからね」



おまけをつけてくれる感覚で、5年生存率を高く言ってくれたこともある。医師はちょっとしたジョークのつもりだったのかもしれないと好意に解釈したい。医師と交わした会話の内容は、不思議なことに全て記憶の中に残っている。丸山ワクチンを試してみた患者というのは、もれなく抗がん剤と放射線の治療を受けていたからだと理解した。現在の状況は丸山ワクチンを使用しなくとも同じ、ただガンの進行が遅いだけかもしれない。しかし、丸山ワクチンの効果であると考えざるを得なくなる時期がもうすぐ来るかもしれない。


冬はすずしかりけり

2010年01月13日 | Weblog
寒い冬になった。何ともないと書いた翌日には一転して気分が悪くなる。痰が絡んで強く何度も鼻をかんだら血が見られた。またカゼをひいたのかもしれない。それとも・・・。片手がしびれる。肩がとっても凝っている。ガンと関係があるのだろうか。昨日はトイレに入った時に下血があった。痔・・・それともガンの遠隔転移だろうか。一ヶ月前にPETを受けたばかりだ。きっとガン患者のだれもがこんな気持ちを感じながら生活しているのだろう。この先の段取りを考える一日になりそうだ。今日は雪になるとの天気予報。今朝、冷たい風が吹いている。


再び暖かい春はくるのだろうか。落ち込むときに泣ける歌。たまにはこれもよい。
「さくら」




ガン告知から1年6ヶ月

2010年01月11日 | Weblog
いつの間にか1年半が通り過ぎた。鼻の症状はきわめて良い。痰は相変わらず多いがその性状は違ってきている。 出血は混じらず、黄色味が薄くなってきた。しかし、治っているわけではない。一ヶ月ごとに内視鏡で確認しており、先日はPETとMRIで少しずつ大きくなっていることも判った。最初に耳鼻科に出かけたのは、かさぶたのような血が混じった痰のかたまりが頻繁に見られたからだ。 痰は液状に変わってきた。出血もほとんどない。異物を排出する機能が低下してきたのだろうか。


ガンと告知を受けた時、医師はしきりにセカンドオピニオンを薦めた。それはムダな作業のように感じる。違う病院で聞いても、同じような治療を薦められるにちがいないからだ。どんなガンであっても痛みで病院を訪れる人はほとんどいない。ガンと宣告を受けても信じられない人がほとんどであると思われる。セカンドオピニオンとは、患者がガンであることを納得するための仕組みとして存在する。


標準の治療法だけではなく、丸山ワクチンを含む代替医療、姫マツタケなどの健康食品、治験を含めての免疫療法、休眠療法、低用量抗がん剤治療などの治療法についても広く説明してくれるセカンドオピニオンが望ましいと感じる。がん対策基本法が成立し、地域におけるガン拠点病院選定などガン医療ネットワークが整備されつつある。はたして、これはガン患者にとって好ましいことなのだろうか。標準の治療法以外に選択の余地がない状況がさらに構築されていく。


乳がんとたたかう耳鼻咽喉科医・小倉恒子さんの日記を読む。今、厳しい状況のようだ。22年間、ガンと闘ってきたとある。ガン患者としての大先輩。ただ静かに見守るしかない。