告知の日からのガン日記(上咽頭がんー丸山ワクチン日記)

08年7月の告知。5年生存率60%の標準治療を断わる。丸山ワクチンを決断。団塊世代、男性。試行錯誤の過程をリアルタイムで

私の中のあなた

2009年10月30日 | Weblog
現在公開中の「私の中のあなた」という映画をみてきた。骨髄性白血病を患った少女とその妹の物語。母親役がキャメロン・ディアスで、主人公が妹役のアビゲイル・ブレスリンだ。生まれてすぐの時にガンを発症した姉のほうは、将来、骨髄移植も必要になると医師から伝えられた。ドナーとしての型が完璧に一致する妹を生むことを両親は決断した。その方法とは、試験管の中で精子と卵子をかけ合わせ、姉とHLA型が一致した受精卵だけを母胎に移植して育てるというもの。ゲノムを題材にしたサスペンス映画のようなストーリーを想像したが、この映画はそうではなかった。14歳に成長した妹は、期待に答えて姉に臍帯血をプレゼントし、たびたび白血球を提供し、骨髄移植にも疑うことなく協力してきた。そのお陰で姉は17歳の現在まで生きることが出来ている。しかし、病魔はさらに進行し腎不全を併発するようになった。人工透析ではおっつかず腎臓移植が緊急に必要な状態になる。それも残された時間は少ない。その時点で、妹は2つのうちの1つの腎臓を提供することを断わるためにある行動に出た。腎臓が一つ減ることのリスクは小さくはない。将来の日常生活において制限を受ける。自分の将来をとるか、姉の生命か・・・14歳の妹が考えたその方法とは。


ガン患者にとって、ガンを題材にしている映画はあまり見たくないものだ。しかし、この映画はちょっと違う。だれもがきっと引き込まれるはずだ。人生を選択する権利は患者本人にあるということ。効果がないと思われる代替医療を選ぶガン患者に対して医師は非難する言葉を発するがそれは間違っている。家族など周囲の人々がガン患者のことを思うと同様、きっと、それ以上にガン患者は周囲の人のことを考え、その将来について考えているということ。そして、ガン患者であっても将来への夢を語る権利がある。


この映画はフィクションである。抗がん剤の副作用についての描写も簡単に描かれている。死はあっさり訪れる。腎臓移植は妹にこだわる必要があったのだろうか。意外な結末には涙なくしてみることが出来ない映画。しかし、なにかすがすがしい気持ちがこみ上げてきたのは私だけだろうか。



がん相談情報サロン「ピアネット」

2009年10月28日 | Weblog
昨日、所用のついでに、名古屋城近くにある「がんサロン」に寄ってきた。名古屋市とピアネットで共同運営されていることは前にも記したとおり。ここには多くのガン関連の本が置かれてあり、自由に閲覧することが出来る。図書館と違っているのは、比較的新しく刊行された本が多いことだ。ガン関連に関しては、10年前に書かれた本からは得るところは少ない。なかでも、目に付いたのが「ホスピス研究会OKAZAKI」という団体から出された小冊子だ。実際にガンの患者になったとき、どのようなことが必要になってくるのかが患者からの目線で書かれてある。手術の際の同意書の文面など、いわば契約書のように重要な書面だが手術を受ける前にはじっくり読む余裕などないはず。患者にとって必要なアドバイスが載せられてある。OKAZAKIとは愛知県岡崎市のこと。


その小冊子の記事の中でもさらに目に付いたのが、ガンの医学情報を得るための方法について書かれた部分。「京都南病院―病院図書館」では、今まで医師の許可がなければ専門書を見られなかった人々のために、1997年から専門書の一部を一般コーナーに移すなど、全ての医学専門書が誰でも、いつでも自由に閲覧できるようにしているそうだ。地域住民だけでなく他府県からの人も多く利用されているとある。


川上健一という作家の「心の電気」というショートストーリーがある。家族の生活の中での会話部分を切り取ったような物語だ。人はだれでも「心」の中に電灯を持っているとある。それも白熱電灯だと勝手に解釈する。小さい子供の電気はいつも明るく輝き、周囲にいる人にも温かさを感じさせる。それが大人になると、消耗してだんだん暗くなるというよりも、みずから電源をオフにする人も多いという。私の電気は自動消灯になっているので毎日スイッチを入れる必要がある。最近、どうも体が寒いように感じていたのは、スイッチの入れ忘れだったようだ。 それはともかく、このがんサロンは悩みを抱えたガン患者にとって、心の電気のようなもの。 当然のことですが、古くからある丸山ワクチンの治験に関する本は置かれていなかった。


生還者の体験談

2009年10月26日 | Weblog
先週の読売新聞に食道ガンについての記事がシリーズで載せられていた。ある70歳代の女性患者のケース。食べ物が喉につかえて病院に出かけたところ、食道ガンと診断された。ガンは食道を突き破り、気管にも浸潤していた。手術不能の状態だった。 医師は放射線と抗がん剤を併用する治療を薦めたという。放射線治療を毎日10分ほど、計30回ほど病院に通った。さらに、5-FU(フルオロウラシル)とシスプラチンの抗がん剤も投与された。患者は苦しい副作用を乗り越え生き残った。 3年後の現在、再発もなく元気に暮らしているという。 インタビューに対して、もっと人生を楽しみたいと明るく答えている。この化学放射線療法はすばらしい。今後も治療の経験をかさねることによって復帰率がもっと高まると考えられている。ところが、記事の最後のほうに書かれてあることは、この治療を受けた5人の患者のうち4人は3年以内に死亡しているという現状だった。つまり喜びの声は、5分の1の恵まれた患者だった。


以前、知り合いに食道ガンを患った人がいた。私がガンになる2年ほど前のことだ。食べ物が胃に入っていかないので病院に出かけたところ、即刻手術を受けることになったようだ。手術は成功し、すこしずつ食べられるようになった。その後、1年が過ぎた頃の状態は元気そうだった。でも、不思議なことに職場に復帰することはなかった。手術より一年半後、私の気持ちからすれば突然、鬼籍に入られた。


ガンを克服した患者は雄弁だ。しかし、治療を受けても思わしくない患者は、自らの病態を人に話すことをためらうようだ。その気持ちはわかる。私も実名でブログを書いていない。告知から5年ぐらい過ぎたあとは堂々と経験を明かしたいという気持ちがある。新たにガンを宣告された人は、ガン生還者のことばを信じるだろうが、それは危険である場合も多い。

超高濃度ビタミンC点滴療法

2009年10月24日 | Weblog
健康増進クリニック院長・水上治著。2008年11月に発刊された本より。健康増進クリニックを開業して2年が過ぎ、約200人のガン患者に対してのビタミンCの超高濃度点滴療法の結果はきわめて満足できる結果があるという。


実際の治療法。一回目はビタミンCを12.5g、二回目は25グラム、三回目は50gを点滴する。三回目の点滴の後、ビタミンCの血清濃度を測定し、350~400mg/dl 以上の濃度を確認する。下回る場合にはビタミンCをさらに増やす。人によって濃度が上がらない人もいる。一般に抗がん剤は活性酸素を増やす働きがあり、血中に増えた活性酸素を消去することに、ビタミンCが消費されるため血清濃度が上がりにくいようだ。だいたいの結果がわかるまでに50回ほどの治療をうけることになる。一回分の治療費は約3万円。一回の点滴は通院のみで約100分をかけて行われる。


ポーリング博士がユーワキャメロン医師と共同してビタミンCでガンを治療しはじめたのは1972年のことだった。ビタミンCはガンに対して効果があると一般にも認知された。1937年ドイツのアーペルバウム博士によると ガン患者の血清中にはビタミンC濃度がゼロに近いほど低く、これはガンと闘うためにビタミンCが消費されると考えた。しかし、ビタミンC投与で延命率は高くなったが、治癒にいたることはなかった。試験管での結果から、血清濃度が400mg/dl 以上になるようにビタミンCを点滴することでガンが縮小、消滅することがわかってきたという。自然には摂取することの出来ない、1回に50g以上の超高濃度のビタミンCを点滴することでこの血清濃度が維持できる。


なぜ、ビタミンCがガン細胞に効果があるかとの説明もある。ビタミンCを点滴すると、体の中に過酸化水素が増える。オキシフルという名で消毒薬として使われている。これは活性酸素の一種にあたる。ビタミンCがガン細胞にとりこまれてのち過酸化水素を放出するという。正常な体の中には カタラーゼという酵素があり過酸化水素はただちに分解される。ビタミンC活性酸素を抑える抗酸化作用がある一方、濃度が高くなると、過酸化水素という活性酸素を大量に発生するという。すなわち、ビタミンCは抗酸化と酸化作用という両極端の作用をあわせ持っている。最大の特徴は副作用が皆無ということ。 治療費は高額である。しかし、ポーリング博士が最初にビタミンCに注目したのはそれが安価だった理由もあった。


進行癌を有するマウスに高用量のビタミンCを注射すると、正常組織に大きな影響を及ぼすことなく腫瘍増殖速度を遅延したと研究者らは報告している。ビタミンC(アスコルビン酸)の抗癌効果の可能性については数十年にわたり研究されているが、今回の知見はビタミンCがヒトの癌を治療する薬物として認められるための「強固な根拠」となる、と2008年8月5日付け米国科学アカデミー会報誌に掲載された。ビタミンC注射の効果を調べるため、米国国立糖尿病・消化器・腎疾患研究所のDr. Mark Levine氏らは、進行性の脳腫瘍、卵巣腫瘍、膵臓腫瘍を移植したマウスに高用量のアスコルビン酸を静脈内または腹腔内投与した。ビタミンC注射を行ったマウスでは、移植後に処置を行っていないマウスに比べ腫瘍の増殖が約半分に減少した。



敬天愛人への道

2009年10月22日 | Weblog
最近、ときおり上咽頭ガン、悪性腫瘍という診断は誤診ではなかったかと思うときがある。告知から1年と3ヶ月が過ぎて、ガンは大きくなっていない。しかも、体調も悪くない。診断のために耳鼻科に出かけたのは、痰がたびたび出て、それに血が混じっていたからだが、最近は、痰もかたまりではなく水溶性のものに変ってきている。出血が混じっていることも少なくなってきた。嵐の前の静けさ。ガンはじっと転移先を探しているのかもしれない。ガンは生易しい相手ではない。手術の術式がどれだけ進歩しようが、内視鏡手術が普及しようが、不幸な患者は一定の割合で存在することはまちがいないと思っている。


丸山ワクチンの効果を信じない医者は、これはきわめてゆっくり進行するガンだからだと解釈する。ガンにもいろいろな種類があることは医師も認めている。そのバラエティに富んだガンに対して、一つのマニュアルで対抗できるのだろうか。告知された後、耳鼻科医から私に示された標準治療法はひとつだけ。放射線治療と抗がん剤3種のコンビネーションによるものだった。治療を受けたとしても60%の5年生存率だと宣告を受けた。私の場合は転移も認められない初期の段階だから60%だった。50%以下の生存率を示された患者もいることだろう。半分以上は治らないという治療法を受ける患者の気持ちはガン患者でなければ理解できない。


標準治療を断り丸山ワクチンを選択した、幸いガンが大きくなってこないことで時間に余裕が出来た。ガンについて調べることが出来た。上咽頭ガンに対してはホウ素中性子捕捉療法が一番の選択肢のように感じる。その次にサイバーナイフやガンマナイフでの放射線単独治療。海老名卓三郎医師の新免疫療法もよさそうだ。もちろん丸山ワクチンも選択肢にはいる。耳鼻科の医師はこれら標準治療以外の治療法について話してくれたことはない。商店であれば、自分のところで売っている商品を薦めるのは当然の事。しかし、人医療はそれだけではないはずだ。まず患者の利益を、そのあとに病院、医師の利益を求めるべき職業である。もっとも医師は自分の管轄範囲以外のことを知らないのではないかと思う。かつて標準治療を薦めた医師に対して、ホウ素中性子捕捉療法というのがあるのですがご存知ですか?と聞いたことがある。・・・いえ・・・。 獣医療とは違う、専門化されすぎた医療体系に問題があるのかもしれない。


敬天愛人とは、西郷隆盛の座右の銘ともいえる言葉である。天はひとを分け隔てなく照らす。人も自分を愛するごとく、他人に接することがもっとも肝要である、といった意味になるのだろうか。医師は自ら同じガンを患った時には、考えずに標準治療を選択するのだろうか。丸山ワクチンで1年3ヶ月が過ぎた。まだガンはちっとも小さくなっていない。効果は認められないと考えるのが妥当ということにもなる。



丸山ワクチンとコラーゲンと・・・ビタミンC

2009年10月20日 | Weblog
丸山ワクチンがガンを縮小させ、消滅させるかの理由について、元川崎医科大学の実験病理 木本哲夫博士の説明がある。丸山ワクチンを打つことによって、ガン細胞の周囲にコラーゲンが増生されてガン細胞を窒息させる。子宮ガンの患者さんのガン細胞の組織スライドに見られた所見をみると、周囲にしっかりコラーゲンが増殖しており、真ん中のガン細胞が壊死状態になっていた。以前にも紹介したことがある。丸山ワクチンには、コラーゲンを増生させる働きがある。というよりも、ガン細胞が身を守るために自ら作り出したコラーゲンで窒息するという説明でもある。だからといって、いくらコラーゲンを摂取してもアミノ酸に分解されて身体に取り込まれるのでムダということも事実のようだ。


コラーゲンとガンとの関連性に関する記述を最近、目にした。


体はコラーゲンという物質で出来ています。体のタンパク質の3割、骨の乾燥重量の半分はコラーゲンです。内臓にもどこにもコラーゲンが存在しています。今、女性の間ではコラーゲンを食べることが流行しているようですが、コラーゲンを食べても、体のコラーゲンが増えるという科学的根拠はないようです。しかし、ビタミンCを点滴すると、間違いなくコラーゲンが増えます。体がコラーゲンを作るためにはビタミンCが必須だからです。では、なぜガン治療にコラーゲンが関係するのでしょうか。ガン細胞の周りにはコラーゲンがたくさんありますが、ガン細胞が増殖するときに、周りのコラーゲンを破って大きくなっていきます。ところが、ビタミンC点滴によってコラーゲンが増殖すると、これがガン細胞の周りをがんじがらめに固めて、ガン細胞が飛び散らないように捕捉し、物理的に抑えています。(健康増進クリニック・水上治院長) 水上医師はビタミンCの超高濃度の点滴によってガン患者を治療する診療所を設けている。


丸山千里医師の本に、次のような症例について載っていた。或る医師が患者に対して丸山ワクチンを使って治療を始めたところ、全く効果がみられず、患者はどんどん悪くなり衰弱するばかりだった。もう、ダメだと感じたときに、その医師は丸山医師のところに出かけていって相談した。丸山医師は、患者に栄養剤、ビタミン剤の点滴をどんどんすることを提案したという。当時の医学では、栄養やビタミン剤を投与することにより、ガン細胞が、まっさきにその栄養をよこどりすることで、ガンのほうが先に成長していくというのが常識になっていた。しかし、丸山医師の薦めどおりにどんどん栄養点滴も併用したところ、日増しに患者は元気を取り戻して、社会復帰を果たしたという。


丸山ワクチンに希望を託すガン患者さんは、ぜひ、同時にビタミンCを摂取することをお勧めしたい。さらに、ビタミンA(βカロチン)、ビタミンDについても抗がん作用があるという医療報告もある。ともに摂取することは丸山ワクチンの効果を増すことになるかもしれない。癌の情報Tips ← というサイトから、ビタミンCおよびビタミンDのガンに対する効果についての研究結果を知ることが出来る。

必須アミノ酸のリジンの効果

2009年10月18日 | Weblog
石原結實医師の「がんにならない食べ方、生き方」という本がある。にんじんジュースで腎臓ガンを克服したひとの話が最初のページにある。にんじん2本とりんごを1つジュースにして飲むのを数週間続ける。そのほかにも食事は玄米食、副食に梅干、ヒジキ、わかめの味噌汁、根菜の煮物という徹底的な小食することでガンが消えたと書かれてあった。どんな病気にあっても、食生活を見直すということは健康を取り戻すためにまず一番に誰しも考えることだ。


後悔しないこと。後悔という負の感情はそのままストレスとなり、血行を悪くして体を冷やし、血液を汚して、さらにガンを増殖させる可能性があるからです。(石原結實医師のことばより)  確かに!そのとおり。


リジンという必須アミノ酸がある。体に不足しやすいアミノ酸で、抗体やホルモン、酵素などの素材として利用され、生体の成長や修復に関与している。昔はチキンラーメンにも添加されていた。単純ヘルペス感染の再発の低減に有効性があるとされており、帯状疱疹の痛みを軽減するといわれている。リジンはアルギニンと競合して、ウィルスの複製を阻害することが細胞培養実験で証明されている。神経システムに直接入りこんで免疫を高めてくれる。猫のヘルペス感染やカリシウィルスで起きる伝染性鼻気管炎の臨床症状を軽減するのに効果がある。


リジンはカルシウムの吸収、コラーゲンの形成に関与し、さらには抜け毛などに育毛効果も認められている。上咽頭ガンの原因とみられているエプスタインバーウィルスもヘルペスの仲間。しかもリジン錠はリーズナブル=安価。ところが、或る文献では摂取したリジンが体内で発癌物質であるニトロソアミンに変化するという記述を見つけた。信じるのも信じないのも本人しだいになる。



生命の回数券

2009年10月16日 | Weblog
先日発表された2009年のノーベル医学・生理学賞はアメリカのエリザベス・ブラックバーン氏とキャロル・グレイダー氏、ジャック・ゾスタックの3氏が受賞した。受賞内容はテロメアの研究とテロメラーゼの発見というもの。うち2人は女性だ。

テロメアは2本の染色体の両端に尻尾のようにくっついている。DNAの繰り返し配列にたんぱく質が多数結合した鉛筆のキャップ状もので、染色体を保護する役割があるといわれている。細胞が分裂するたびごとに少しずつ短くなり、擦り切れると、やがて染色体が壊れて細胞も死んでしまう。細胞の寿命を決めるように見えることから「生命の回数券」とも呼ばれている。

細胞が分裂するさいには、かならず遺伝子の複製が作られる。古い細胞の記憶が新しい細胞にコピーされる。しかし、染色体上のテロメアだけは、細胞が分裂するたびに、少しずつ短くなっていく。或る程度短くなると、細胞は分裂をしなくなる。大人の羊の細胞核から誕生したクローン羊「ドリー」は誕生したときからテロメアが短く、それにより長く生きることができなかった。

分裂を繰り返しても、テロメアが短くならない細胞がある。 私の体の中にあるガン細胞だ。ガン細胞のテロメアが短くならない理由は、ガン細胞のなかにテロメラーゼという酵素が含まれているからだという。テロメアのDNA配列はアメーバから人まであらゆる生物に共通する。テロメアは染色体の分解を防ぐ役割を持つ。テロメアが非常に短くなった細胞は分裂しなくなり、そして個体は死にいたる。

テロメラーゼが簡単に検出できる方法がわかれば、ガンの早々期発見が可能となる。さらに、テロメラーゼの研究は、老化防止、不老不死の研究にもつながる。人間は永遠の生命を得ることになる可能性が出てきた。すばらしい研究であることは間違いないが、はたしてこれが良き事なのだろうかとの思いもする。それは神の領域だろうと。



一身上の都合により

2009年10月14日 | Weblog
ずっと以前からガンを患った時は丸山ワクチンを試してみることを決めていた。丸山ワクチンに興味があった。藤田敬四郎医師の本には、ガンの疑いのあったときからワクチンを始めるのがベストとある。これに従って、ガンの告知を受けた時にはすでに治験を始めていた。 告知された医師には、丸山ワクチンで治療を受けたいむね希望を伝えて案の定、拒絶されたが、それは確認のようなものだった。 すこしこのまま様子を見ることにしたいと標準治療を断った。おだやかに治療を拒絶する患者に医師もとまどったように思える。今度の診察には、奥さんをいっしょに連れてきてくださいと言われた。 


この申し出はありがたかった。病院での結果を家に帰って伝えるのは重い。どう話していいものだろうかと悩んだ。これで状況がはっきり、妻にも伝わることだろう。


患者に対して病状を説明する場合には、すこしは希望を持たせることが医師としての常識だと思うが、私の場合はそうではなかったようだ。ありのままに現在の状況を説明し、ほおっておくと、すぐに取り返しのつかない状態になるということを妻にこんこんと説明している。 まったく質問もせず、涙を見せることもなく、淡々と説明を聞く妻。ましてや取り乱して夫を説得するわけでもない。この家族はちょっとおかしいと医師は不思議そうな顔だ。


隣に腰を下ろしていたが、だんだん心配な気持ちになってきた。妻は夫の病気に関心がないのだろうかということ、病状が進行した際には面倒を見てくれるのだろうか? 覚悟する気持ちが生まれた。 
とりあえず現在のところは、まだ、とりかえしのつく状態にある。


丸山千里著「丸山ワクチン」より

2009年10月12日 | Weblog
私が1966年7月に、日本皮膚科学会雑誌で正式に発表した論文のタイトルは「結核菌体抽出物質および腫瘤組織抽出物質による悪性腫瘤の治療について」というものであった。
丸山ワクチンでガンを治すという研究も、ごくわずかな協力者を除いては、教室の連中にもしらせず、こっそりと続けていた。書き上げたところでコピーをとり、私の教室のある助教授を呼んだ。「あなたの感想を聞かせてください」 これを発表したら、私は大きな痛手をこうむるだろう。彼はそう思ったらしい。「ことがあまりに重大で、なんとも申し上げようがありません」 先生は定年間際ではありませんか。これまで無難にやってこれたのに、最後につまずいてしまわれては何にもならないではありませんか。ながいあいだ教授をやってきたのだから名誉教授ぐらいにはしてもらえるだろう。そうなれば、あとは悠々自適の人生である。しかしあきらめきれなかった。発表して世に問いたいという気持ちがつのる。とうとう私は原稿を出す決心をした。(丸山千里著「丸山ワクチン・がんを追いつめる」より)


丸山ワクチンと他の免疫抑制のある抗がん剤、ならびに副腎皮質ホルモンとの同時併用はのぞましくない。ワクチンといっしょに放射線療法を併用しないこと。これまでの治療経験によると、併用した場合の結果が良くないからである。その理由は、それらの作用機序がお互いに矛盾しあうからだ。

たとえば、中学校のあるクラスに、不良分子が転校してきた。健全な他の生徒をもどんどん自分の仲間に引き入れようとしている。この問題を解決するのに、不良分子を退学処分にしようというのが抗がん剤、放射線治療である。しかし、良い生徒も巻き添えにされることも少なくない。これに対して、健全な他の生徒たちに抵抗力を植えつけて不良分子の誘惑に染まらないように努め、不良分子をおとなしくさせようというのがワクチン療法なのである。(本文より)


「魅力があれば桃の木の下に、人は集まり路が出来る」、ということばがある。丸山ワクチンでの治療をためしてみる気になったのは、丸山医師の人柄に魅せられたことも大きい。この治療法はきっと本物だと感じた。だが、不良をおとなしくさせるのは容易なことではない。