告知の日からのガン日記(上咽頭がんー丸山ワクチン日記)

08年7月の告知。5年生存率60%の標準治療を断わる。丸山ワクチンを決断。団塊世代、男性。試行錯誤の過程をリアルタイムで

ピロリ菌と胃ガンと食道ガン

2009年07月31日 | Weblog
ピロリ菌が胃ガンや胃潰瘍を引き起こす。ピロリ菌の除菌で胃潰瘍や胃ガンの発生を予防できることは常識だ。


胃は胃酸が分泌されて通常の細菌は死滅し生きることができない強酸性の環境にある。その環境の中でピロリ菌だけは胃の粘膜や粘液中で生きている。この細菌はウレアーゼという酵素を出して尿素を分解してアンモニアを作り、自分の周囲の酸を中和させることで生き延びている。


しかし、そのピロリ菌を除菌すると、結果的には胃酸の酸性度が高まる。一方、食道ガンは胃の胃酸が逆流することから炎症を起こす。さらに食道潰瘍から食道ガンに移行するといわれている。最近、アメリカの学術誌に「ピロリ菌を除菌すると食道ガンが増える」という論文が掲載された。国立がんセンターのファリン・カマンガー氏の研究によると、ピロリ菌の感染者は食道腺ガンのリスクが44%低下するとある。しかし食道扁平上皮ガンは影響を受けなかった。


生体からすれば、ピロリ菌は胃の中の酸性度を調節する役目をしてくれているともいえる。胃酸が強いときにはピロリ菌がウレアーゼをたくさん放出する。微妙な酸性度の違いを感知してウレアーゼの産生をコントロールしている。人間の体の仕組みには不思議なバランスが備わっている。まったく無駄なものはないと感じるところだ。ちなみに胃ガンと食道ガンとではどちらのたちが悪いか・・・食道ガンである。手術手技も難しく、ガンも周囲の組織に浸潤して広がりやすいようだ。 ピロリ菌を除菌する際には、ちょっと考えてみよう。


ガンに対する免疫の仕組み

2009年07月30日 | Weblog
生物製剤をマウスの原発腫瘍内に投与すると原発の固形ガンのみならず、転移巣の増殖も抑制することを見出し転移の治療に効果的であることを示しました。一方化学薬剤の腫瘍内投与は原発腫瘍のみ直し転移腫瘍には効果がないことが分りました。生物製剤を投与すると生物製剤ががん細胞を直接殺しているのではなく、好中球、マクロファージという体内の貧食細胞が活性化してガン細胞を殺していることが分りました。この一連の実験の過程で、従来外科治療では腫瘍組織の局所リンパ節を切除する手術がおこなわれていましたが、局所リンパ節の中にあるリンパ球がガン細胞を殺すようになることがわかり局所リンパ節の切除はその後の予後を含めて、よろしくないと考えております。  


海老名卓三郎博士の本に書かれてあることから抜粋した。ハイライトだと感じた部分だ。転移ガンにも効果がある仕組みについては次のように説明されている。 生物製剤を腫瘍内に投与するとインターロイキン-8(IL-8)というサイトカインが腫瘍内に集まってくる。これによって活性化された好中球と腫瘍細胞がMCAF(マクロファージ走化活性化因子)という別のサイトカインを産生し、マクロファージを呼び寄せ原発腫瘍を小さくしていく。さらにこのマクロファージががん細胞との反応によりインターロイキン-1を産生し、ヘルパーT細胞が局所リンパ節と脾臓に増加する。これが血流を介して遠隔転移腫瘍に達するとガン細胞を認識、こちらにもMCAFを産生することによりマクロファージを呼び寄せる。転移腫瘍の増殖も抑制する。


ヘルパーT細胞はB細胞に指示を出して侵入者を攻撃する抗体(IG-Eなど)を作らせる。キラーT細胞は既に細胞内に侵入したウィルスを細胞全体ごと殺すという役目を持つ。ヘルパーT細胞には1Tと2Tの二つに分類され、ヘルパー2T細胞が優勢になると花粉症を引き起こす。さらに利根川進博士はγδT細胞(ガンマデルタ)の存在を発見した。さらに免疫活動にはT細胞の表面にあるリンパ球表面マーカーのCDも重要な役割を果たしている。1から200ほどあるなかで海老名卓三郎博士はCD56陽性細胞が特にガン細胞を殺す能力が高いと言う。



免疫の仕組みは限りなく深く、理解するのはきわめて困難だ。今日の教訓。





ヘビにらまれたアマガエル状態

2009年07月29日 | Weblog
歌手の川村カオリさんが昨日死去。2004年に乳がんが見つかり手術、昨年の10月に肺やリンパ節に転移がわかり闘病中だった。38歳とは若すぎる。謹んでご冥福をお祈りします。



8月に入ったら診察を受けに出かけたい。告知から13ヶ月目の診察。今度はセカンドオピニオンを受けにいった病院にしよう。若い女性の医師は、「このままでいかれることが一番良いようですね」 最近は毎回、そう言ってくれる。丸山ワクチンという言葉を口にすることはないけど、そのうちに、丸山ワクチンに対する考えが聞けるのではないかと期待している。目の前の患者をどう理解しているのか聞いてみたい。




ヘビにらまれたアマガエル。ライオンやヒョウに頭下げてばかりいるハイエナ・・・

免疫療法の未来は明るい

2009年07月28日 | Weblog
ガンに対する免疫療法は丸山ワクチン以外にもたくさん試みられている。サイトカイン療法、活性化自己リンパ球移入療法、樹状細胞ガンワクチン療法、抗体療法、ペプチドワクチン療法などがある。そのなかで、個人的に注目したいのはBAK療法という生物製剤をガン組織に直接注入するという免疫療法だ。生物製剤とは、免疫賦活剤(クレスチン、ピシバニール、BCGなど)、サイトカイン(インターフェロン、インターロイキン)、単クローン抗体(免疫グロブリンなど)、機能性食品(β―グルカン、ラクトフェリン)などをさす。ネズミを使った実験では、注入したガン組織だけではなく、(マクロファージやNK細胞など免疫担当細胞が活性化することにより) 転移した先のガン組織にも効果が波及するという。


宮城県立ガンセンターの海老名卓三郎医師の「がんと共生しよう」という本に書かれてある免疫治療法や近年解明されつつある免疫の仕組みについての記述には大いに惹かれるところがある。本の題名「がんと共生しよう」にもあるように、これはガンを排除しようとする治療法ではない。しかし本を読む限りこの免疫療法の患者からの満足度はかなり高いように感じる。


現在おこなわれている実際の治療法は、患者の血液を20㏄採取し、その中の白血球に対して抗CD3モノクロナール抗体、インターロイキン2、インターフェロンαの三種の生物製剤を加えて2週間培養、それを患者の体内に点滴で戻すという治療法だ。副作用がまったく無いという。高い活性化リンパ球を利用する治療法。抗がん剤を使わないような治療法には製薬会社がバックにつかないので無作為試験の実施は経済的に成り立たないともある。保険適応外の治療法になる。治療効果をフェイススケールという患者からの判断で確認するというところもユニークなところ。 理論的な裏づけがあるのが強い。


現在この治療法を選択するガン患者は、従来の標準治療からみはなされた患者が多いことから治療成績で判断するのは適切ではない。特に化学治療や放射線治療によって白血球数が低下している患者では、このような免疫治療の効果も期待できないことは明らかだ。特にCD56陽性細胞の数が低下している患者ではこの治療法での効果は期待できないようだ。 CDとあるのはリンパ球の表面にある接着因子のことらしい。今後も注目していきたい。



免疫の仕組みが解明されるのと平行して、ガンに対する免疫療法も進んでいくことは間違いない。丸山ワクチンの効果についての仕組みもきっと解明されることだろう。本を読むとそう感じずにはいられない。



ジンジャーにエール!

2009年07月27日 | Weblog
ショウガに吐き気(nausea)を緩和する効果があり、癌(がん)化学療法を受ける患者に有用であることが明らかにされた。研究著者である米ロチェスター大学ジェームズ・P・ウィルモットJames P Wilmot癌センター(ニューヨーク州)のJulie Ryan氏によると、1日に0.5~1グラムのショウガ(すりおろしたショウガ小さじ1/4~1/2杯に相当)により化学療法の1日目の吐き気が有意に軽減されたという。この知見は、5月末に米オーランドで開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次集会で発表される予定。
 
 化学療法を受ける患者の多くに吐き気および嘔吐(vomiting)がみられ、嘔吐が治まっても吐き気は持続することがある。患者の約70%は、制吐薬を使用しても症状がみられる。ショウガは、古くから吐き気および嘔吐の治療に広く用いられてきたとRyan氏はいう。

 米国立癌研究所(NCI)の支援による今回の研究は、すでに化学療法による吐き気があり、少なくともあと3サイクルの化学療法を受ける必要のある癌患者644人を対象に実施されたもの。患者をプラセボまたはショウガのサプリメント(健康補助食品)0.5グラム、1グラム、1.5グラムのいずれかに無作為に割り付け、次の2サイクルの化学療法開始前3日間および終了後3日間投与。被験者はいずれも治療1日目に従来の制吐薬も使用した。

 患者の多くは化学療法1日目に最もひどい吐き気および嘔吐を訴えるため、これを軽減できれば、その後の吐き気も生じにくくなる。ショウガはどの用量でも有効であったが、0.5グラムおよび1グラムで最も大きな効果がみられ、吐き気が約40%軽減したという。その後24時間で徐々に効果は消滅した。ショウガ茶、ショウガ入りクッキー、寿司に付いてくるガリなど、ショウガを用いた製品にも同じ効果があるかどうかは不明だという。 (HealthDay News 5月14日)




ガンの患者にとっては生姜は免疫力を高めてくれる食材としても有名だ。そもそも吐き気とは何か、異物を排泄させようとする体からの仕組みと理解する。生姜を食べることにより異物が排除される必要が少なくなるというふうに想像するのはどうだろう。吐き気をもよおす抗がん剤を摂取することにそもそも問題があると感じてくる。





学べば死して朽ちず

2009年07月25日 | Weblog
この頃、ちっとも楽しいことがない。心配事ばかりが次々にあらわれる。体力も落ちてきた。疲れがたまってとれない。唯一の幸運はガンの進行がみられないということだけだ。 人はだれでもいつか死を迎えることになる。それが自然界の仕組み。それでいてこそ、新しい生命が誕生し暮らしていけるスペースが生まれる。 死はかならずしも不幸ではないというのが私の考えだ。だから丸山ワクチンだけでの治療を選択したわけではない。


非常に多くの人に面倒をかけた。わたしにより多くの人々が受けた苦痛は非常に大きい。この先、受ける苦痛も察することができない。余生も他人に荷物となることしかない。健康状態が良くなく、何もできない。本を読むことも、文字を書くこともできない。あまり悲しむな。生と死はすべて自然のひとかけらではないか。
申し訳なく思うな。だれも恨むな。運命だ。火葬してほしい。そして家の近くにごく小さい碑石をひとつだけ残せ。昔から考えていたことだ。 (盧武鉉前韓国大統領の遺書より) 


こんな文章に感銘を受ける私は心療内科を受診すべきだろうか?



市民のためのがん治療の会

2009年07月24日 | Weblog
「市民のためのがん治療の会」というのは、北海道ガンセンター院長の西尾正道医師が中心になっている主に北海道を中心にしたガン治療の関係者組織のようだ。放射線治療がメインになっている。定期的に講演会が開かれており、これにはガン専門医だけでなく、患者側から患者、家族の体験談も登場する。 助かったという体験談だけではないところが、ガン患者の私としては好感が持てるところだ。 

放射線治療を考えておられる患者さんにとって、きっと参考になるだろうと思う。一読をお勧めしたい。注目しているホウ素中性子補足療法(BNCT)も放射線治療に分類される治療法だ。


→ 講演会での過去の発表内容 をホームページから読むことが出来る。


これを読むと、たとえば舌癌に対しての小線源治療は効果があると感じてくる。小線源治療は侮れない。リスクが少ないようなので、これからもいろいろな部位のガンに使われていくようになるかもしれない。

異物を排除する力・・・免疫力

2009年07月23日 | Weblog
週刊誌などにガンの文字があると、どうしても目がいってしまう。ガン専門医からのコラムにかかれてあったのは早期発見、早期治療が大事だという、たびたび繰り返される内容だ。 遺伝子にキズがつくことは常に発生している。しかし、それがガンにまで至らないのは、体の免疫力が働いているからだという。歳をとれば免疫力が落ちてガンが育ちやすくなる。乳がんの場合では、1センチの腫瘍は3年程で2センチの大きさに倍加するという。 ネズミ算のように分裂を繰り返すにしたがって、大きくなる度合いが増す。2センチの大きさまでの初期段階に治療を受ければ、治る可能性が高い。歳をとると2年に1回はガン検診をうけるべきだという。


逆に、1センチほどの早期がんが見つかった時は、それは15年も前に、遺伝子が傷ついたひとつの細胞が増殖したものだとも説明されている。確かにそれが道理だ。


1センチのガンが見つかって1年経ってまだ1センチの大きさであるケースはどう解釈すればよいのだろう。ガンが2倍になる時間(ダブリングタイム)は、ガンの種類によって違っているのは分っている。進行が早い遅いの違いはどこにあるのか?がんの増殖が休止することがあるのだろうか?あるとすればどんな機序になっているのか? まだまだガンについては分っていないのだと感じる。


結核患者にガンの患者が少なかった。それで丸山ワクチンをガンの患者に試してみたところ、良い結果が認められた。副作用もまったく無い。だから試している。きわめてシンプルな理由だ。患者としてはそれで充分だ。A液とB液を一日おきに注射する理由も分らないけど、とりあえず従う。毎日を交互に打つほうに効果があるように思うが・・・

パーフェクトペリオ

2009年07月21日 | Weblog
野口歯科医学研究所(栃木県小山市)の開発した口腔機能水「パーフェクトペリオ」について、東京医科歯科大学が従来の洗口剤と比べ、虫歯菌や歯周病菌に対する高い殺菌効果があることを確認した。口腔内の虫歯菌や歯周病菌を10秒間うがいすることにより、ほぼ100%殺菌することができるという。虫歯、歯周病予防の切り札として今後注目を集めそうだ。

2005年に開発されたパーフェクトペリオは、人体への影響を最小限に抑えつつ、虫歯菌や歯周病菌を溶菌する口腔機能水。白血球と同じ殺菌成分である「次亜塩素酸」と「炭酸水素ナトリウム」が含まれた電解水により、虫歯菌や歯周病菌の周囲にあるバイオフィルム(口腔内微生物によって膜状につくられる構造体)を破壊し、菌を破裂させる仕組みで、現在は約200の歯科医院で販売されている。

従来の虫歯菌や歯周病菌の殺菌に使用していた抗生物質などの薬とは異なり、白血球と同じ殺菌成分であるため、アレルギーや副作用の問題がほとんどなく、子供や高齢者まで安全に安心して利用できるのが特徴だ。

また、虫歯や口臭の防止、歯垢(しこう)を取り除くとされる、うがい薬や洗口剤は酸性のものがほとんどで、殺菌効果があっても酸で歯を溶かしてしまうため、常用した場合、逆に虫歯になりやすいという問題があった。これに対し、パーフェクトペリオは弱アルカリ性のため、歯を溶かす心配がなく、歯への負担が少ないのも特徴の一つという。

販売価格は1リットル当たり約4000円と従来の洗口剤よりも割高だが、同研究所は今後、販売する歯科医院を増やして認知度を高めるともに、量産効果によって価格低減を進め、消費者への浸透を図る考えだ。 (7月13日 サンケイ・ビジネスアイより)


将来、抗がん剤や放射線の治療を受ける前には歯周病ケアも考える必要がある。でも成分から見ると高すぎるのではないか。



キノコの抗がん作用

2009年07月20日 | Weblog
キノコには薬理作用が確かにあるようだ。なかでもアガリクスの一種である姫マツタケについては研究がすすみ薬効が確認されている。主にネズミを使った実験で確認されているのは、抗高血圧作用、抗腎機能不全作用、膠原病やリウマチなどの炎症に対抗する作用、抗糖尿病作用、アトピー性皮膚炎の改善作用、抗高脂血作用、脳虚血性障害改善作用、そして抗ガン作用などだ。

「キノコを化学する」という本の中から抜書きしてみる。

ヒメマツタケ(岩出101株)においては、生および乾燥子実体から分画精製した活性成分を、Sarcoma180固形ガンなどを移植したマウスに経口投与したところ、きわめて高いガン抑制率を示す結果が得られている。また、ヒメマツタケ(CJ-01株)においては、中国において実施された急性リンパ白血症、悪性リンパ腫、および肺ガン患者への投与において、副作用をともなわない疾患の改善作用、ならびに薬剤療法および放射線治療との併用にともなう相乗効果が確認されている。

これは、高崎健康福祉大学の農学博士 江口文陽助教授の記述によるものだ。

キノコの抗がん作用の活性本体は一般にβ-グルカンであり、健康補助食品として販売されるキノコには、その含有量が表示されて販売されている場合が多い。しかし、実際の含有量は違っている場合もあるという。現在のβ-グルカンの定量法ではセルロースなど、免疫賦活作用があるといわれているβ-(1.3)(1.6)-D-グルカン以外のものも含まれているとのこと。さらヒメマツタケによる各種の疾患に対する改善の作用物質はβ-グルカンだけではなく、キノコに含まれる他の活性物質が関与している可能性があるとも書かれてある。


かつてキノコから抽出された抗がん剤がクレハ・第一三共から発売され、一躍、トップの売上げを成し遂げた時代があった。しかし薬効は期待されたほどはなかった。なぜかほとんど無かったようだ。発売に至った時点では、まちがいなくガン患者に益する薬剤と関係者は思って発売されたであろうにもかかわらず、期待された効果が認められなくて患者は次々に亡くなっていった。治験が間違っていたのだろうか?それとも作為があったのだろうか?その後の考察はなされなかったのだろうか? 何故効かなかったかという検証はなぜおこなわれないの? たがかキノコ、されどキノコ、いまのところでは過度の期待は出来ない。