告知の日からのガン日記(上咽頭がんー丸山ワクチン日記)

08年7月の告知。5年生存率60%の標準治療を断わる。丸山ワクチンを決断。団塊世代、男性。試行錯誤の過程をリアルタイムで

知らぬが仏

2009年06月30日 | Weblog
丸山医師はハンセン氏病患者の施設に10年間通った。その間、がんの患者を見ていないことに気づいた。この施設には1300人の患者がいた。昭和31年のこと。これがなにを意味するのか、想像しただけで興奮した。ワクチンを最初に用いたのは昭和39年。専門が皮膚科であり、がんの患者にぶつかることはきわめて少ない。知り合いの医師にお願いして使ってもらった。
最初にワクチン注射を続けていると、がんの縮小がみられるという報告があったのは、東京・中野区にある佼成病院の外科部長の小金沢滋博士からだった。
余命2.3ヶ月の胃がんの患者に週2回の注射を続けていたところ、患者の状態がみるみる良くなり、5ヶ月後のレントゲンで腫瘍が著しく縮小していることがわかった。あとはどんどん良くなり、9ヶ月後には腫瘍は姿を消した。
昭和41年7月、がんのワクチン療法に関する最初の論文を発表した。
昭和48年、日本医大老人病研究所長の病理学の権威、緒方知三郎先生は、発ガンの実相の正しい把握とこれに適合する治療対策という論文を出された。その末尾には、現在の制ガン剤中、丸山ワクチンを最良のものとして推薦すると書かれてあった。
医師が患者になったケース。東京、板橋区の医師会会長の後藤茂博士は舌ガンに侵された。扁平上皮がん。よい医者になるためには、その病気をいちど患ってみることだよ、最初は放射線治療を試してみたが、食欲が激減し、階段が上がれなくなるほど体力がなくなった。それで、昭和48年6月に丸山ワクチンによる治療を始めた。うまく効果が上がっているように見えたが、48年12月に別の場所に新しいガンが発生した。49年2月には、それが2つに増えた。しかも次第に大きくなる。5月9日から、A・B方式からB・B方式に変えてみた。濃度の低いワクチンにしぼって、それを一日おきに注射した。10本ほど打ったあと、どうも小さくなったような感じがしてきた。12月5日にガン死の状態になった部分がポコッととれ、舌に瘢痕となって完治した。

東京、文京区にある内科の近藤茂夫医師の話。ある食道がんの患者。ワクチンを注射しだしたのは、47年の10月に始めたが、効き目はすぐに現れなかった。物が食べれなくなり、ますます痩せてきた。ワクチン注射の2ヵ月後には、状態は絶望的と思えた。丸山先生に相談すると、栄養注射をどんどん打ってくださいと言われた。今までの医学の常識と逆なので驚いた。栄養を与えるとガン細胞が増えるので、ブドウ糖やビタミンの栄養注射はしてはいけないというのが、それまでのガンに対する考え方だった。48年の1月からは、Bタイプだけを使うように指示された。やがて春が来て、まだ患者は生きている。驚いたことに少しずつ体重が増えはじめた。そしてガンがすっかり治った。(丸山ワクチン・ガンを追いつめる より)


知れば面倒も起こるが、知らなければ平静な気持ちでおれる。ガンは奥深い。治療法も千差万別だ。一つの治療法を選択すれば、たいがいの場合後戻りは出来ない。ガンを宣告される前に、ガンになったときにどう対処するのかを考えておくことは有益だ。 なにも考えずに標準治療を受ければ平静な気持ちのままで死ねるのであれば、それはそれで選択肢になったかもしれない。ひとはいつかは死ぬのだから、私はその死に方が問題と思っているのかもしれない。



今日もせっせと図書館へ

2009年06月28日 | Weblog
丸山ワクチンを信頼し、これに賭けているというのに、なぜガン治療に関する本を読みたくなるのだろうか。それは、多分、スリラー映画を見るのと同じようなものかも・ガン治療は日進月歩、どのように進化しているのかを知っておきたい。新しい知見に顔を背ける老人と呼ばれたくもない。


御厨修一著「がん治療―正しい知識を必要とするときに」。この本は、ガン治療の現場でどんな治療がおこなわれているかが紹介されている。(2004年1月発刊)抗がん剤の種類と適応ガン、副作用についても書かれてある。手術の術式から放射線治療まで、ガンに対する正しい知識が網羅されている。


すこしだけだが、免疫療法も紹介されてある。ピシバニール(OK-432)という薬がそれだ。しかし、患者がピシバニールでの治療を望んでも実際の医療の現場では受け付けてもらえないという現実がある。免疫療法は現在の標準治療と併用することは、その原理からしておかしい。現在の標準治療は免疫力を低下させる副作用があるからだ。一方で免疫力にたより、一方でその免疫力をそぐ。結局のところ標準治療での効果が認められなかった患者が懇願してやっと使うことができる。当然ながら、丸山ワクチンや蓮見ワクチンについてはまったく書かれていない。


50歳の女性。右腋の下に14センチの大きなガンがあり、右鎖骨の上の頸にも転移が認められていた。2箇所に大きなガンの病巣があり、しかも炎症がひどく、手術がためらわれた症例だった。乳房の腫瘍へ放射線を照射したところ、照射しなかった鎖骨の部分の腫瘍も小さくなったという。その後、手術を受け治癒に至った。ある腫瘍を放射線治療したことにより、照射しないほかの部分の腫瘍も小さくなることがあるようだ。これを遠達効果(abscopal effect)と呼ぶ。これは放射線治療を受けたことによって、腫瘍からがんワクチンのような作用すなわち免疫作用が生じるためではないかと考えられているとある。


放射線照射は骨髄抑制の副作用がある。放射線に免疫力を賦活させる作用があるのだろうか、ガンを攻撃できるだけのリンパ球を動員できるのだろうか。興味ある体験談も載せられてある。


最近のつれづれ

2009年06月27日 | Weblog
我が家の同居人は、1年前にいっしょに病院に出かけていって医師からの告知をいっしょに聞いたことをすっかり忘れてしまっているようだ。そのときの気持ちは思い出したくもない。最近は「肉を食べないと元気が出ない」といって、冷シャブとか焼肉が食卓に出る時が多くなってきた。ガンから脱却したと思っているようだ。本人は常に不安を感じているのを知ろうともしない。本人はガンはそれほど単純なものではないと感じている。

以前に、いろいろな書物を読んで、ガンに対しての食事でもっとも勧められている玄米食を我が家でもと提案したことがある。ところが「玄米はまずい」とのひとことで、たちどころに提案は却下された。たしかに我が家で出される白米のごはんは、外食で食べるごはんよりおいしいと感じる。選んだ銘柄を買っている。体にいいのかもしれないが玄米はおいしくないのはなぜだろう。健康とおいしいとは相反するのだろうか、たいがいの漢方薬もにがい。

マクロビオテックのレストランにもでかけたことがある。健康維持、体質改善に効果のあるといわれる菜食がメインになった食事が出されてくる。そのときのメインデッシュはにんじんのソテーだった。それなりにおいしいけど、やっぱり人間は草食獣から肉食に変わったことでこれまで進化してきたのだということを感じる。力が出ません。

まずい食事を我慢して長生きをしたくないし、ましてや体に負荷のかかる抗がん剤や放射線治療で長生きをすることは絶対にお断りしたい。さらに、私の上咽頭ガンに対する治療では、唾液がでなくなり、口内炎が頻発し、歯がぐらつき、味覚も大きく変化するという。ほぼ100パーセントの患者さんでみられることだという。もっとましな治療法を提示してほしい。

こんな贅沢な悩みを抱える患者で、ご同病の皆様、申し訳ありません。

ガンを読むひとーThe Reader

2009年06月26日 | Weblog
最近公開された映画「愛を読むひと」。文盲なるがゆえに、はかなくも悲しい人生を歩むことになった女性をケイト・ウィンスレットが演じる。ピュアな気持ちがジンジンと伝わってきた。ガンの患者も同じようなものだと感じる。ガンを宣告された時には、ガンに対する知識が少ないので、あっちの意見にふらふら、こっちの意見にもふらふら、気持ちは常に揺れ動く。そして、最後の決断が自分の生命を左右することになるのです。

毎日のようにあちこちの図書館に出かけていき、ガンに関する書物を借りてくる。あと3年ほど経ったあとには、ガンセンターの医師に対してであっても、ガンに関しての議論を戦わせることが出来るかもしれない。しかし、それはむなしいこと。3年後には生きているかどうかも定かでない。


私が1966年7月に、日本皮膚科学会雑誌で正式に発表した論文のタイトルは「結核菌体抽出物質および腫瘤組織抽出物質による悪性腫瘤の治療について」というものであった。
丸山ワクチンでガンを治すという研究も、ごくわずかな協力者を除いては、教室の連中にもしらせず、こっそりと続けていた。書き上げたところでコピーをとり、私の教室のある助教授を呼んだ。「あなたの感想を聞かせてください」 これを発表したら、私は大きな痛手をこうむるだろう。彼はそう思ったらしい。「ことがあまりに重大で、なんとも申し上げようがありません」 先生は定年間際ではありませんか。これまで無難にやってこれたのに、最後につまずいてしまわれては何にもならないではありませんか。ながいあいだ教授をやってきたのだから名誉教授ぐらいにはしてもらえるだろう。そうなれば、あとは悠々自適の人生である。しかしあきらめきれなかった。発表して世に問いたいという気持ちがつのる。とうとう私は原稿を出す決心をした。(丸山ワクチンーガンを追いつめる。より)


丸山ワクチンが世に出た瞬間。今までに約37万人が丸山ワクチンを試みており、その効果に期待している。私は患者番号379882だ。丸山千里医師の本にある根拠や生還した患者からの体験談は希望をつなぐバイブルのようなものだ。しかし丸山医師の著作はすでに廃刊となっている。図書館の棚にも並んでいない。

告知からやっと1年目。診察に出かけてきた。

2009年06月25日 | Weblog
今日、告知を受けた病院での診察に出かけてきた。主治医は個人医院を開業したので、これからはさらに若い医師の診察を受けることになった。

内視鏡での検査ではガン組織は大きくなっていなかった。直径1センチ強の大きさの腫瘍だ。ガンは大きくなっていなくとも転移が考えられる。腫瘍マーカーの検査や1年経ったのでペット検査を提案された。 肺や骨に転移しているかどうか腫瘍マーカーを調べることには少し気持ちが動いた。しかし、ペット検査の自己負担分3万円があれば、美味しいものを食べ、残りはジャンボ宝くじを買うほうが精神的な活力をアップさせるだろうと感じる。残り6万円分の健康保険負担分も発生する。がん患者は健康保険システムに多大の負担をかけている。

診察のあとしばらく経ってから、ウツになった。新しい医師は先入観がないぶん、的確なところを言っているのではないかと思いかえす。転移は考えられる。肺や骨、脳や腎臓、耳下腺や周辺リンパ節など、末期的にならないと痛みもない。まったくガンが進行していないと楽観的になっている。一日一生という気持ちも薄れてきている。そんな自分を感じて、ブルーな気持ちになった。そんなときには、丸山ワクチンの本を読む。「ことごとく書を信ずれば書なきに如かず」ということわざもある。



丸山ワクチンに認められた3つの作用

白血球機能賦活作用と白血球増加作用がある。白血球機能賦活作用として、マクロファージ活性・インターフェロン産生・CSF産生・IL-1産生・IL-3産生・IgG産生などを増強することが認められている。

ガン細胞は必要以上に分裂し増大するため、周囲の細胞・組織が傷害を受けるが、丸山ワクチンはこの傷害部分を修復するためのコラーゲンとガン細胞周囲のコラーゲンを増殖させる。その結果、ガン細胞はコラーゲンにより封じ込められる形となり、増大が困難となる。

細胞が分裂して完全に同一の細胞を作製するためには、複雑な過程・反応が必要である。この複雑な反応を効率よく行うために酵素が用いられる。ガン細胞は分裂速度が速いため、正常細胞に比較して細胞分裂に使用する酵素の活性が上昇するが、丸山ワクチンはこの酵素活性を低下させる。

シメチジン(胃薬)はメラノーマ(悪性黒色腫)に効果がある

2009年06月24日 | Weblog
商品名タガメットと呼ばれる胃薬が癌抑制、ガンの転移に効果があるかもしれないという記事。きっと、ガン患者の皆さんはとっくに知っていることですね。

1980 年代後半に デンマークのTonnesen らにより、シメチジンが胃癌患者に対し延命効果を示すことが報告され、その後、大腸癌、悪性黒色腫に対しても同様の効果を示すことが報告されています。
ヒスタミンにはがん細胞の増殖を促進する作用や、細胞性免疫を抑制するリンパ球(サプレッサーT細胞)を活性化することなどが報告されており、そのためシメチジンの延命効果は、癌細胞に対するヒスタミンの細胞増殖促進作用を阻害する機序や、癌細胞に対する免疫力を活性化させ る可能性などが指摘されています。さらに近年では、シメチジンが接着因子 E-セレクチンの発現を抑 制することにより癌の転移を抑制する抑える機序や、インターロイキン 12の発現上昇を介したナチュラルキラー細胞活性化、血管新生阻害作用によって腫瘍組織の増大を阻止する可能性など、新たなメカニズムも報告されています。

しかしながら一方で、ラニチ ジンやファモチジンなど他のヒスタミン H2 受容体拮抗薬を用いた検討においては、それらがシメチ ジンと同等もしくはそれ以上に強力な薬理作用を有するにも関わらず、癌患者に対し同様の効果 が認められないという報告がなされています。すなわちシメチジンの有する延命効果や腫瘍増殖抑 制作用などは、その H2 受容体拮抗作用によるものではなくシメチジン特有のものである可能性も指摘されています。



本日のテレビを見ていると、母親の胎内の子供にガンが増殖しているという、胎児の重量と同じくらいの腫瘍がくっついているという。アメリカで起きた実際の再現ドキュメントが放映されていた。母親の腹部を切り開き、子宮を開け、胎児にくっついているガンだけを切除し、元に戻すとの手術を医師から提案される。成功率は10%と告げられる。病院にとっても初めての手術だという。両親はその確率に賭けた。もちろん、手術は成功し、胎児はその後、無事に出産したという。私は標準治療での5年生存率が60%と告げられたから、治療を断ったのだろうかとそのときに思う。たとえ確率がどうあれ、自分で納得できなければ、断るしかなかったような気がする。 自分の直感にたよったことで、今生きておれるように感じている。これは、タガメットと関連性はありません。でも、タガメットは1ヶ月ほど服用していたこともある。


期待と落胆が交錯する日々

2009年06月23日 | Weblog
また告知を受けた病院に検査に出かける時期が来たように感じてきた。そこで、まえもって病院に出かけて掲げてある担当医表を確認してきた。

夕方だから、だれもいないと思った診察室から看護婦が出てきた。私の顔を覚えていたようだ。「その後、どうですか」と病状を聞かれたような気がした。ガンの患者と分っていれば、標準治療を断ったのだから、死にかけか、弱っているか、顔が変形しているなど、見ただけで判断できるだろう。普通に元気なのが不思議に思われたことだろう。告知されてからほぼ1年が経っている。

話を交わしたところ、今の主治医はもうすぐ開業するために病院を辞めるという。告知を受けてから後、治療を断ったのち内視鏡での検査だけに4回ほどは診察を受けに来たことがある。主治医である部長の医師はガンが大きくなってこないことを別段おどろくわけでもなく、たんたんと同じ説明を繰り返すだけ「今のところは、安定しているようだが、これから先は分らない。やっぱり治療はうけないのですか?」。結局のところ、標準治療を断った患者に興味はないというように感じられた。

これから開業して、おなじようなガン患者にめぐり合った時には、大病院に紹介状を書くことで済ますことにするのだろうか。ガンの患者を診るのは重い。むろんお金のためではなく、医学的な使命感で医療をおこなっている人であることは間違いない。これからは、そんな重い患者の悩みを受け止めるのは、大病院に働く後輩たち若い医師の仕事になるのだろうか。そういえば、勤務医と開業医の収入格差が問題になっている。さらに仕事量や精神的な負担も勤務医の方が大きいと感じる。それが、日本の医療システムか。これでは、ガン治療が進展しないのも当然のことだとも感じるところだ。


ドラッグ・ラグ

2009年06月22日 | Weblog
ドラッグ・ラグとは海外の医療の現場で使用されている薬が日本国内で使用できない状況のことだ。とくに、抗がん剤の場合は、厚生労働省の承認が下りていないために、日本では医療現場で使用できないので、ガン患者は非常に困っているという。

ガン患者でもある耳鼻咽喉科医の小倉恒子さんのブログを読む。小倉さんはドラッグ・ラグの早期の解消を訴える活動を行っている。小倉さんは21年前に乳がんを発症し、その後200年に再発、05年に再々発、07年に全身に転移。ガンに関する多くの著書がある。最近の状況は、30ヶ所の骨転移、20ヶ所の肝臓転移、縦隔リンパ節や肺門リンパ節にも転移しているという。かなりきびしい状況にもかかわらず、抗がん剤治療に関しては前向きな活動を続けている。→ 最近のニュースソース

私は小倉医師の担当分野の耳鼻科の上咽頭ガンを発症した。

上咽頭ガンに対しての抗がん剤というのは、ドラッグ・ラグという問題はない。昔から知られているシスプラチン、フルオロウラシルとドキタキセルという3種類の抗がん剤での治療が標準治療になっている。これは、セカンドオピニオンの病院でも同じように薦められた。それも、放射線治療を併用するようになっていた。海外、中国などからの報告では、放射線治療単独でも、ある程度の効果は認められているのは調べて理解していたので、告知の際に、抗がん剤は使用せず、とりあえず初期段階でもあり、放射線治療だけをおこなっていただけないでしょうかと提案してみたことがある。

「それはダメ」「むり」そう医師から告げられた。もっとも、患者の意思を尊重して「そうしましょう。とりあえず放射線治療だけを行いましょう」と言われていたなら、現在の私は、完治して悠々自適の生活か、はたまた、本当のガン難民になっていただろう。何が幸いしているのか運命を感じる。脳に近い上咽頭部に放射線を当てる危険性も小さくはない。

これらのことには、確率で判断すべきではないような気がしてきたが、いかがなものだろう。

ナイジェリアの神話から

2009年06月21日 | Weblog
世界創生のころ、神は人間と馬と犬とサルを前にして「それぞれに30年の命を与える」と申し渡したそうだ。

最初に馬が立ち上がって「わがままな人間と一緒では、30年は長すぎます。15年で結構です」と言ったという。わきにいた人間はすかさず、その15年をもらい受けたいと申しでて、人間の寿命は45年に延長された。

つづいて犬も辞退を申し出た。すかさず人間はその15年ももらい受ける。最後のサルも同様に返上したので、人間の寿命は75年に延びることになった。

そのため、人間が本当に人間らしく生きられるのは最初の30年間だけで、つづく15年は馬のごとく働かされ、さらに次の15年は犬のごとくに走りながらどなり散らかすことになる。最後の15年間はサルのように生きることになるという。

この話は竹中文良著「医者が癌にかかったとき」の55ページにある。


私は抗がん剤と放射線での標準治療を断った。つまり、みずからガン難民に志願したようなものだ。長く生きるにつれて、もっと生きたいと思う心が生まれる。さらに日本人の標準寿命が80歳を超えているとある。早く死ぬのは、損をしているように感じてくる。 今、治療を受けている丸山ワクチンの効果に疑問を感じているというわけではない。最後に苦しんで死ぬという選択肢だけは、ごめんこうむりたいと感じているだけだ。現在、犬からサルに移りつつある。


がん患者団体支援機構、初代理事長の書いた本

2009年06月20日 | Weblog
ガンセンターの医師が書いた本に真実は書かれていないと感じる。自分がガン患者ではないからだ。本にはデータの記載も少なすぎる。これでは説得力がない。医師であってもガンを患う。ガンを患った医師が書いた本がある。こちらはガン患者にとっては役に立つ記述が多い。ある部分では共感が生まれる。

NPOがん患者団体支援機構の初代理事長であった三浦捷一医師が書いた本 「がん戦記」という本をよんだ。三浦博士は1939年兵庫県に生まれた。進行ガン患者を診る外科医として働く毎日だった。47歳のときにうつ病(心身症)を発症、1年ほど休養した後、大阪市内に内科医院を開業した。癌治療医から離れ、町のホームドクターとしての安楽な医師の道を選んだ。昼休みの往診は断り、夕刻も定時でドアを閉めた。物事に逆らわないこと、だれとも争わないこと、人々の中心にならないこと、流れに静かに身をまかせること。目立たない温和で無難な一老人として生きていこうと心に決めていたという。その後少しずつ精神の病は回復に向かった。

ところが60歳を過ぎたときに肝臓ガンを宣告された。手術が成功しても5年以内の再発率は80%だといわれた。手術は成功し、再発の不安をかかえた生活が始まる。肝臓ガンの再発を予防する薬があることをしった。「非環式レチノイド」という薬だ。当時は治験中にあるので患者は使うことができなかった。「大阪肝臓友の会」を拠点として、未承認の抗がん剤を早期にガン患者が使用できるように運動を始めたという。マスコミにも取り上げられた。無償でなければ薬事法に違反する。しかし、それでは製薬会社がたちゆかない。新しい抗がん剤を希望する肝臓ガンの患者はとっても多かった。

三浦捷一医師自身はサリドマイド、セレブレックスの薬剤やラジオ波治療、肝動脈注入化学療法、放射線治療などを試みて肝ガンの発症から7年を生き抜いた。本のあとがきには、あえて何かに感謝するとすれば、癌に感謝する、としかいいようがない。多くの癌をきっかけに生き方が大きく変化したように思えるとある。


癌に対抗する方法としては、ただ取り除くというだけでは対応できないというのが私の今まで調べてきたなかで感じていることだ。「非環式レチノイド」という薬が現在どれほどの効果を示しているのかを調べてみたい。しかし、効果があるなしではなく、ガン患者自身が、効果があると確信し、自分に使いたいと思っているのであれば使える状況にあるべきだ。三浦捷一医師の戦いの目的はそこにある。憲法には生存権が認められており、それは個人が決めるべきことである。私は丸山ワクチンを信頼している。しかし、丸山ワクチンでの治療は断られた。そして、医師の承諾がなければ丸山ワクチンでの治験を受けることが出来ないという現実がある。

規制しているのはだれ?