鴎に飛び方を教えた猫

平凡で冴えない毎日の中でも千葉ロッテマリーンズを応援するブログ。

【乗り鉄日記】 2倍楽しい大糸線♪(後編)

2007-12-18 | 日記その他雑記とか

13時17分 南小谷駅に到着した。初めて乗ったキハ52系気動車は出来ることならもっといつまでも乗っていたい本当に味のある車両だったが、JR西日本管轄の非電化区間はこの駅まで。大糸線はここからがJR東日本管轄の電化区間となる。



大糸線の多くの駅の駅名標がこのような風景写真のタイプとなっていた。
「ん・・・!?幕張車用って何でしょうか!?」




ここで13時32分発の普通列車であるE127系100番台の車両に乗り換える。今度は2両編成だったが、やはり同じくワンマンカーだった。車両はセミクロスシートと言って進行方向に向かって右側、つまり北アルプスの山々や青木湖などが見える西側がクロスシートで、左の東側はロングシートとなっていた。いずれにしても自分のふだんの生活圏ではまず乗ることが出来ない車両である。ドアの開閉は客がボタンを押して行うようになっている。また車内のアナウンスだが、ここまで乗ってきたキハ52は年配の女性の声で、しかもテープが伸びきっているのかちょっとはもっているようにも聞こえた。しかしこのE127系のアナウンスは若い女性の声でしかも音量がでかい。まずはこのギャップに面食らってしまった。




やはり車両の先頭には運賃表と運賃箱があって、駅に停車するたびに運転士が立ち上がり、こちらを向いて乗り降りする客を確認して運賃や定期券の確認を行っていた。地方の鉄道に総じて言えることかも知れないが、首都圏の電車に比べて乗客は年配の女性や学生の比率が高いように思う。クルマを持っている成人男性は鉄道を利用しなくても、生活にまず不自由はないということなのだろう。




南小谷を出発した時には数人だった乗客も少しずつではあるが増えてきた。特に白馬大池駅や白馬駅、飯森駅からは何組かのスノーボードを抱えた若者のグループが乗車してきた。この辺りは栂池や白馬八方などビッグゲレンデが数多く点在する。もうかなり昔の話になってしまうが、思えばこの辺りには自分も以前は毎年のように訪れていた。そして楽しかった思い出、或いは切ない思い出がたくさんある地でもある。近年は泊まりでスノボに行くこともめっきりなくなったが、白馬という地名を聞くだけでやはり当時のことを思い出す。
貿易関係の仕事をしていて英会話の勉強にとても熱心だった。そして夢を叶える形で英国に行ってしまった。ホームステイするとか言っていたような気がする。友人伝いにその後の情報も入ってきてはいたが近況は分からない。「今頃はどうしているだろうか・・・?」、「自分が教えてあげたスノボを今でもしているだろうか・・・?」「いや、きっともうやってはいないだろう。子育てに精を出しているかもしれない。」そんなことをいつまでもぼぉっと考えていた。



気が付くと外はもう真っ白に染まっていた。さすがにこの辺りは雪深い土地である。これから東京に帰るのがなんだか急に惜しくなってきた。出来れば露天風呂の温泉にでも浸かって行きたい。旅館で鍋でも食べてから帰りたい。この時はそんなことばかり考えながら、やはりただひたすら外の雪景色を眺めていた。



14時34分 信濃大町駅に到着。 この駅では数分間の停車があった。ここでもいったんホームに降りてみることにした。駅員さんに確認してみたところ、改札を出ても良いと言うのでその間に表へ出て駅舎の写真を撮らせてもらった。駅舎内は古いながらも清潔感があって自分好みの雰囲気だった。

14時42分 2両編成のE127系は南小谷駅を再び発車した。ここから終点の松本まではあと約1時間である。まだ車内は空いていたのだが、しばらくして何駅目かの穂高という駅から急にたくさんの乗客が乗ってきた。やはり学生が多かったが、この頃にはもう座れずに立っている乗客もいて少し騒々しくなってきた。 先にも書いたようにこの車両は停車駅で乗客がボタンを押してドアの開閉を行うのだが、乗客の乗り降りがあるたびに車内には冷たい風が入ってきて、それが自分にはある意味眠気覚ましにもなっていたような気がする。


15時39分 終点の松本駅に到着。色々な路線が乗り入れる拠点駅だけあって大きな駅だった。近くには車両基地もありホームから伺うことが出来た。ここから次に乗る篠ノ井線は16時13分発だから30分くらいの時間がある。自分のいた隣のホームの向うでは新宿行きの特急スーパーあずさの連結が行われていた。あれに乗ればもう東京に帰れてしまうのかと一瞬考えたりもしながら、スーパーあずさの出発を見送った。


それにしても寒い。夕方近くなると風も強くなってきてめっきり冷え込んできた。しかし地元長野県の人々にはこれくらいの寒さも何てことは無いのだろう。あまりの寒さにいったんホームの階段を上がって改札口付近にも行ってみたのだが、やはり自分にはそこも寒く感じた。もはやどこにいても寒いのだからと売店でホットの缶コーヒーを買ってからホームの先端付近にしかない喫煙所まで歩き、そこでタバコを吸いながら、篠ノ井線普通列車の入線を待つことにした。

 

つづく