鴎に飛び方を教えた猫

平凡で冴えない毎日の中でも千葉ロッテマリーンズを応援するブログ。

【乗り鉄日記】 寝台急行「銀河」で大阪へ

2007-12-11 | 日記その他雑記とか

12月7日 金曜日、ほぼ定時の18時過ぎには仕事を切り上げて真っ直ぐに帰宅した。最近のふだんの金曜日は職場の仲間と麻雀ばかりしていたのでなんとなくこれ自体が新鮮な感じもしていた。自宅で一杯やった後に夕食を取り、その後は風呂に入り少しだけまったりしてした。すると気が付けばもう21時を回っていたので、急いで着替えて仕度をして21時半過ぎに東京駅へと向かった。もちろんこの時間の上り電車は、一週間の仕事を終えたサラリーマンやOLでいっぱいの下り電車と比べたらがらすきで、簡単に座れるほどわずかな乗客しか乗っていなかった。


東京駅に着いたのはだいだい22時半頃だっただろうか。エスカレーターを上り東京駅の10番線ホームに出てみると、これから乗車しようとする寝台急行「銀河」はすでに入線していた。そして9、10番線ホームには予想通りというか、鉄道ファンがデジカメやカメラ携帯を片手に小刻みに移動をしながら目の前にいるそのブルートレインの細部に対して熱いまなざしを送っていた。ま~いつもの9、10番線ホームの光景なのだろう。そして自分も俄か鉄にも関わらず、例によって彼らと同じような行動をとっていた・・・。



ちなみに自分が取っていた切符はこの日の編成中、一番後ろの6号車。B寝台車で唯一の喫煙車両だった。念のためその車両を確認した後に大阪よりのホームの先頭まで行ってみると、そこにはさらに多くの鉄道ファンが集まっていた。そして奥の少し高い位置にあるホームには自分も翌々日に乗車予定の長野新幹線が停車しているのが見えていた。



彼らがそこで何を待っているのかと言うと、そりゃもう牽引車であるEF65形電気機関車と電源車(カニ24形)が連結されるその瞬間を見るためである。連結される部分のプラットホームには緑色のロープが張ってあり、そのロープから線路よりには入ってはいけないということらしい。やがて品川方面の暗闇の中から二つのライトを点灯させたEF65がやってきた。自分も子供のように自然とワクワクしてきた。そしてゆっくりと静かに、無事に連結作業が完了した。



その光景を見届けた後、ホームの自販機でペットボトルの紅茶とオロナミンCを買った後、いよいよ乗車。ちなみにその時、腹はまったく減っていなかった。車掌のアナウンスによるとこの日の銀河は満席だった。「満席になるぐらいだったら、廃止にしなくたっていいのになあ・・・」なんてついつい考えてしまう。購入する時に特に希望はしなかったのだが、持っていた切符をよくよく確かめてみると私は12番の下段。その番号を探して寝台車両の通路を進んで行くと、車両真ん中よりもやや後ろ寄りの位置だった。同じ区画の下段の男性は寝台車に乗り慣れているのだろうか。早々とシーツをひき、すでにカーテンを閉めて寝ていた。その男性は発車の23時頃にはもういびきをかいて熟睡していた。これは気を使わなくて良い分、寝台列車に慣れていない私には好都合だった。



ちなみに車内はこんな感じになっている。
寝台列車は過去に一度だけ乗ったことがある。5年くらい前に上野から金沢へ向かう「北陸」に乗車した。ゆえにその時ほどの驚きや感動はなかったが、それでもやっぱり自然と気持ちが浮かれてくる。他の車両にも足を伸ばしてみたのだが、女性の姿もちらほらあった。その中には寝台のベットに置いてある浴衣をしっかりと着ている女性もいた。

小田原くらいまでは眠らずに起きていた。通路にある収納式の腰掛けに座り、ひたすら車窓を眺めながらぼお~っとしていた。他の多くの乗客も缶ビールなどのアルコールを片手にタバコを吸いながら各々が深夜の東京の車窓を楽しんでいた。基本的にはほとんどの乗客は単身で乗車していたように思う。



ちょうど京都駅に停車中に目が覚めたと思う。そして京都駅を発車後は再び寝る前と同じように通路の収納式の腰掛けに座って外を見ていると、外には三脚付のカメラを構えている撮り鉄の姿を何度も目にした。まったくこんな早朝の朝靄の中で熱心な方がいるものだと改めて感心してしまった。
その後、通路を歩いてトイレへ向かっていると乗客の半分くらいはすでに下車していた様子だった。東京駅を出発した時に比べると車内はすでにかなり空いていた。

新大阪駅に到着する直前にはスーツにネクタイ姿のサラリーマンの姿もあった。もともと銀河という列車は新幹線よりも遅い時間に発車して、翌朝も新幹線の始発よりも早く到着する、いわゆるビジネスマン向けのコンセプトで投入された訳で、その本来のメリットを有効活用して乗車している方を発見すると少し嬉しくなってくる。

 

という訳で早朝に銀河は終点の大阪駅に到着。駅のホームでは小さな子供を連れた家族が銀河をバックに記念撮影していた。会話を聞く限りどうやら夫婦揃って鉄道好きなようである。

やっぱりこの列車が廃止されてしまうのはもったいない。時代の流れという言葉とともにその姿を消して行ってしまうのは別に鉄道に限ったことではないが、少なくとも古いものを大切にする。消え行くものたちをいつまでも記憶にとどめておく。そんな気持ちの温かさ、そして大切さを教えてもらえたような気持ちがした。