ピレネーの山の犬 Zion♪シオン

シオンとともに歩く道、ともに見る風景、暮らしと庭の花たち。

やっぱり泥んこ久住山

2017-03-21 | 阿蘇・久住
3月19日のこと。
牧ノ戸峠から久住山に登る。
朝8時、雪は谷に少しあると聞いていたが、予想以上だった。
少し霞んだ快晴、復路は泥濘化するに違いない。
前回の登山と同じような状況になるのか。



凍りついた急坂と階段を登ると、展望所が広がる。
・・・撤退するなら、ここだと思った。
Zionは3年前の復路のことを記憶しているのだろうか。
少しためらったが・・・行くと言った。



展望所から更に上り坂を進むと、
狭い岩場、急こう配の沓掛山(1,503m)が待ち受ける。



鎖やはしごをまるで遊具のように使いこなし、
小学生の男の子が嬉々として越えて行く。
Zionにとっては、最大の難関だ。



沓掛山よりこれから歩く登山道を望む。
左に見える三俣山に隠れて見えない久住山。
距離4,800m、高低差457m。



はしごなどを避け、足場を選びながら、
何とか沓掛山を越えると、開放感のある景色が広がる。
久住山へと続く尾根が果てしなく感じる。



残雪の道・・・
復路はこの雪が解けて、見たこともない泥濘の道となる。



緩やかに上る登山道。



石だらけの尾根を歩く。



ガレ場ではリードを長くすると、Zionは自ら足元を選ぶ。
どんどん登って行くZionにセーブをかける。



スタートから2時間、西千里ガ浜から望む星生山(1,762m)。
その岩尾根、星生崎を見ながら歩いていると、
やがて久住山が現れる。



出会う登山者に可愛がられたり、驚かれたり・・・
どうやって沓掛山のはしごを下りたのかと聞かれたりしながら、
避難小屋、久住分かれ、そして久住山へ。



雄大な久住山とZion。
また来たよ・・・



10時30分、避難小屋の後ろで休憩した。
Zionは自分のお弁当を見つけると大喜び。
お腹すいたね。



久住分かれでは何かを見つけ、面白そうに探索していた。



いざ、山頂へ。



阿蘇五岳、由布岳・・・遠くの山は霞んでいるが、
稜線を吹き抜ける風は冷たく、爽やかだった。

あと少し登れば、頂上・・・

何とZion、そこで立ち止まる。
飽きた?戻る?と聞くと、飽きた!とキッパリ。
山頂標識へのこだわりはないので、ここで十分。
さぁ、戻ろう!



ほとんど雪が解けた復路のどろどろ登山道を行く。
ガレ場やザレ場は、登山者らの靴に付いた泥で滑るほどになっていた。
Zionの四肢は、まるで墨つぼに浸した筆のよう。
それでも、出会った人がこう言ってくれた。
「あなた、歩き方が上手だわ!あんまり汚れてないもの!」
あはは・・・笑みがこぼれて元気が出た。

最後の難関は、沓掛山の岩の急こう配。
上る方が楽なZionも岩に付いた泥で滑るため、躊躇する。
Zionの後ろについていた私は、その度に言葉をかけた。
Zion、大丈夫、行けるよ!

Zionが越えて行く。
共に越えて行く。

往復6時間半の泥んこ旅。
久住山、1,787m。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!





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