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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

ヴィシニョーワ&コールプの「眠れる森の美女」 ②

2009-12-04 03:59:18 | BALLET
篠つく雨の中、行って参りました。東京文化会館。
マリインスキーの「眠り」、大満足です!

プロローグは唐草模様の透かしの門扉の向こうに見える宮廷の様子から・・・
深いブルーと渋い金色で彩られた宮廷に、淡いカーキ、クリーム、ベージュ、グレーといったシックな色の装いの貴族たちが。生まれたばかりの王女のお披露目の準備をしているのです。
この奥行きのある背景画からしてマリインスキーらしさ満点。
(あ、背景画に目が行くのは東バのくるみのトラウマ?)
小姓が招待客リストの下書きを式典長カタラビュットに見せてOKをもらっています。
そこに王と王妃の登場。
王妃は美しいエレーナ・バジェーノワ。
王は大変な演技派であることが後々判明する(笑)ウラジーミル・ポノマリョーフ。
キラキラと眩い白い衣装に、深みのあるブルーに金の刺繍が豪華なマントを羽織った二人が幸せと威厳に満ちた雰囲気を醸し出します。
そこにリラの精を筆頭に、善の妖精たちが贈り物を持って現れます。



リラのラベンダーが一際映えますが、白~クリーム~オレンジグラデの妖精たちの衣装が美しく、
寒色系の宮廷にパッと花が咲いたよう・・・

リラのお付として、同じ色の衣装をつけた16人のコールドが華を添えて、フォーメーションも実にきれい。
このあたりのスタイルとテクニックの粒の揃った群舞のレベルの高さがマリインスキーを見る楽しみの一つでもあります・・・



そこに怪しい音楽と暗転する照明。
どうしたことだと式典長を呼ぶ王様。リストを出させて、オォっと驚愕。
なんたることだ!!
そう、カラボスを忘れていたのです。
禍々しい手下どもを従えて、濃いメークに黒い衣装のカラボス登場。
ちょっとお姐さんっぽいオーホッホッとアゴに手の甲を添えて高笑いしそうなタイプのカラボス。
バイムラードフさん、やっぱり濃いです。
凄みを利かせて呪いをかけるカラボスと舞台奥のゆりかごの間に立ちはだかり、毅然と子を守る母の強さを見せるもあまりのことに崩折れて、膝をついて哀願しそうになる王妃、その王妃の気配を感じ取り、そこまですることはない!と言わんばかりに手を取って落ち着かせ、威厳を保つ王。
この主役2人が登場する以前の宮廷シーンでこれだけ緊迫感が出るのも珍しい。

そこにすらりとしたマリインスキーのソリスト陣で構成された妖精たちよりも
更に頭一つ抜きん出た長身優雅なコンダウーロワのリラが進み出ます。
リラには弱いカラボス。
遂に退散。

リラがオーロラ姫を守ることを約束し、王は糸つむぎの針を掲げ、これを禁ずると宣告して幕。

カラボスとリラの踊りでは、マイムがあまり強調されないので、成長しても針に刺されて命を落とす→100年の眠りにつくだけで、命は助かりますよ、という二人の予言は今ひとつわかりづらいのですが、これはこれできれいな流れで見せてくれました。