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ウィーンフィル ニューイヤーコンサート 2021 巨匠ムーティと

2021-01-04 06:35:07 | MUSIC
新年おめでとうございます。
毎年、元旦夜に放映されるウィーンフィルのニューイヤーコンサート。
楽友協会を埋める世界のクラシック愛好家たちは今年は渡航できないはず・・・。さて、と思っておりましたら、無観客での上演となりました。
話題を呼ぶ会場の装花は今年も暖色系の華やかな彩を添えていましたが、ただ、客席に観客がいない・・・という。その代わり、世界中からあらかじめ選ばれた7000人のファンが、オンライン拍手で参加、という趣向が。途中、時折、彼らの写真が映し出されて拍手の音が入る、という演出がありました。

今年の指揮者は80歳の巨匠リッカルド・ムーティ。彼はウィーンフィルの名誉団員にもなっていて、ニューイヤーコンサートの指揮者としては、1993年、1997年、2000年、2004年、2018年と今年6回目だとか。
重厚で艶やかな音色のムーティと、瀟洒でエレガントなウィーンフィルの音色、ちょっと持ち味が異なる感じが致しますが、一流同士、どんな化学反応が生まれるか、聴く側としては楽しみです。

1.Franz von  Suppè   Fastinitza Marsch
2.Johan Strauss II.  Schallwellen, Walzer, (音波)op. 148
3.Johann Strauß II. Niko-Polka, op. 228
4.Josef Strauß Ohne Sorgen, Polka schnell, op. 271
5.Carl Zeller Grubenlichter, Walzer
6.Carl Millöcker In Saus und Braus. Galopp
ここまでが前半
後半は、
7.Franz von Suppè Ouvertüre zu "Dichter und Bauer"
8.Karl Komzák Bad'ner Mad'ln. Walzer, op. 257 
ここで、ウィーン近郊の町バーデンの映像が。
ベートーヴェンの第9作曲の家も見られました。
9.Josef Strauß Margherita-Polka, op. 244
ここではウィーン中心部のロースハウスで、ウィーン国立オペラ座バレエ団のバレエの映像が!これが毎年楽しみなのですが、今年は、マニュエル・ルグリ芸術監督がミラノ・スカラ座に移籍した影響がどうでるのだろうかと思っていましたら、振り付けが、ルグリがエトワール時代に少し後の世代のエトワールとして活躍していたスペイン人のジョゼ・マルティネス!彼は物語性の強い振り付けが得意なイメージがあるのですが、移り気な1人の男性が3人の女性に翻弄され最後は元の女性と結ばれる、というフランス宮廷小説風?な寸劇仕立てのバレエ。衣装が、豪華さを追求するあまり採算が合わなく?オートクチュールの世界から引退し、今は舞台衣装を手掛けるクリスチャン・ラクロワ!色彩豊かでとても美しい場面でした。 
10.Johann Strauß I. Venetianer-Galopp, op. 74
11.Johann Strauß II. Frühlingsstimmen. Walzer,(春の声) op. 410
ここではウィーンのリヒテンシュタイン宮殿でのウィーン国立オペラ座バレエ団によるバレエが再び。ルグリ芸術監督時代、日本人ダンサーも男女とも実力主義でソリストとして活躍し、来日公演にも帯同されていたのですが、今回の放送で、その中で、木元全優さんと橋本清香さんがご夫婦になられたこと、お二人とも(今回はそれぞれ違ったパートナーと組んで)この場面に登場されていたことが、嬉しかったです。木元さんが初めてニューイヤーコンサートのバレエに登場されたときにはアジア人だからか、あまりお顔がわからないカットになっていて複雑な気持になったのですが、ウィーンフィル自体も、男性のオーストリア人中心だったのが、女性団員が増え、日本人の血を引くご兄弟も団員として、Wilfried Hedenborgさんが第一バイオリン、Bernhard Naoki Hedenborg さんがチェロで活躍されていて、時代は変わったなと思ったことでした。
この春の声は1883年にこの楽友協会ホールで初演されたそう。
 
12.Johann Strauß II. Im Krapfenwaldl. Polka française, op. 336
13.Johann Strauß II. Neue Melodien-Quadrille. op. 254
新・メロディカドリーユ、これはヴェルディの4つのオペラの旋律を取り入れたもので、この時代の新曲は、時代の息吹をウィーンに伝えるものでもあったのだなと。もちろん、イタリア人指揮者ならでは、の選曲でもありますが^^
14.Johann Strauß II. Kaiser-Walzer, (皇帝円舞曲)op. 437
この時にはウィーンの王宮、シシィ博物館、銀器博物館などの映像が。とても興味深い展示物が次々と映し出されて、演奏も堂々として聴きごたえ満点なのに目も忙しいという・・・ 
15.Johann Strauß II. Stürmisch in Lieb' und Tanz. Polka schnell, op. 393
ここまでが本公演。
次からはアンコール曲の扱いです。
16.Johann Strauß II. Frioso-Pola  op.260
ファナティックなまでに熱狂的な音楽で、無観客、コロナ禍の状況を打ち破ぶろうとする情熱が見られました。
マエストロ・ムーティの挨拶、そして、
17.Johann Strauß II.  An der shcönen blauen Donau, Waltzer 0p.314
美しく青きドナウです。
 例年なら、優雅なバレエが最後、会場に登場するという演出で盛り上がるのですが、今年は演奏のみ。
最後も恒例の
18.Johan Strauss Vater  Radetzky-Marsch"    op.228  ラデツキー行進曲です。
ここも、いつもならば、指揮者が観客の拍手を指揮するという趣向があるので、まさか、オンラインの登録者に向けて・・?と思っていましたら、さすがにそれはなく、普通に楽団員を指揮していました。御任せとばかり、敢えて振らないで任せているという場面もありましたが・・・。

無観客でどうなることかとハラハラしながらの鑑賞でしたが、毎度ながら選曲から指揮ぶりまで、マエストロの個性をしなやかに受け止めるウィーンフィルの懐の深さを堪能できる、豊かな時間を過ごせました。

今年も芸術に力をもらう年になりそうです。
本年もよろしくお願いいたします。

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